羅小黒戦記感想[2021.2.21]

※2022年追記:
結局、特典付きBlu-ray買うくらいにはハマりました。藍溪鎮も日本語版出たら買ってるし。
なぜか手元に同人誌も数冊ある。不思議だね……


話題の中華アニメ。

気にはなっていたんだけど上映が終わってしまって逃したなあと思っていたら、なんかなりゆきで吹替と字幕両方観る機会を得たので忘備録的に感想を残しておきます。
ネタバレはあんまりないけど、観る予定がある方はご注意ください。

『羅小黒戦記』ざっくり概要。
中国発のflashアニメを「本編」とする、ファンタジーアニメ映画。ショタとケモナーに受けがいい(偏見)

私の印象。
カンフーアクションでX-MEN。

仕事帰りに寄るにはちょうどよかったので池袋ヒューマックスに行ったんですけど。
最初に字幕版を上映した館で、今は「おかえり展示」とか「劇場限定特典」とかあるみたい……というのを帰ってきてから知りました……展示はシアターと別階だから、エレベーターで行って帰ってきちゃうと完全スルーで、特典も前の土日でなくなってたみたいで。
パンフ売ってないから、展示くらい見たかったなあ……


第一印象はX-MEN。
というか、無限の能力はマグニートーですよね。絵面になじみがありすぎてうれしくなってしまった。内容も、人間と妖精の共存を巡って妖精同士が対立するという図式だったし。
素朴な疑問なんだけど、無限は人間というわりに空飛んだり400歳超えてたり妖精より強かったりして、人間の基準って何??

個人的にディズニーの動きすぎる動物というのがどうしても苦手で、だから最初の森の場面で駆けていく猫の動きがすごくよくて「好き!」ってなった。
異能バトルがとにかく速くて迫力あって、それだけでニッコニコだったんですけども。
お話もすごくいい……というかよく練られている……物語の順番が違ったりキャラクターの出番が多すぎても少なすぎても微妙になる絶妙なバランスだったと思う。
ちょい役なのにしれっとレギュラー顔で出てくる人たちは(エンドロール含め)「本編」のメインキャラなんだろう、と知識のない状態でもなんとなくわかるから、そこは割り切って楽しめました。ここでは小黒に姓はないんだけど、流れ的にはこのあと「羅小黒」になるんだろうなとか。

まあとにかく小黒がかわいいです! あの丸っこい分身?も含めて。
無限のかっこいいんだけどちょっとすっとぼけたとこも好き。
風息から無限へ、出会いと感情の変化がすごく丁寧で物語として完璧だなと感心しながら見てたので、キャラがどうこうというのはなかったけど、全員憎めなくて優しいお話でした。

あと背景が美しい!
大自然もだけど、田舎の風景に大都市のビル群、たぶんこれが今の中国のファンタジーとリアルなんだろうな、というのも含めて感じ入りました。それとさすがキャッシュレス大国……


字幕版は、つき合いで行ったんだけどおもしろかった。
そもそも初出字幕版の上映会に誘われて、でも日本語訳が稚拙っていうから事前に吹き替えで見ておこう、という流れだったんですよ。

北京語に中国語字幕と日本語字幕がついてて、日本語訳はたしかにすごく荒いんだけど、吹替でだいたいのストーリーや言い回しはわかってるから、中国語字幕でふんわり意味は把握できる。20年くらい前にちょっと授業でやった程度でも笑
吹替だとニュアンス重視で訳されててよくわからなかった、設定に関わる部分とかも、文字そのままで見るとそういうことか!ってなることもあったし。

最前列席で首が痛かったんだけども、間近で見るとやっぱりflashアニメなんだなあ……というのがよくわかりました。なんていうんだろ、詳しくないけどイラレで描画したっぽい線そのままな感じ。線画もほぼ黒オンリーだから、古くさい感じはあるけど逆に懐かしくて見やすい……ほうの世代だなと自身を顧みていました。

全体的に元の声が、かなり吹替に近かった。あ、チョーさんに似てる声の人いるんだ、みたいな。
ということはつまり日本語版キャスティングの時点でわざわざ「似てる声」を当ててるんだよね。吹替は岩波監督だけど、かなり「元に忠実」を狙ったんだと思う。


主要キャラクターは年齢層低めの外見だったのであまり引っかからなかったのだけど、単純にキャラとしておもしろいなと思ったのが以下の二人。映画観てるだけじゃ名前がわかんなくて帰ってからめちゃくちゃ探したわ……

閔(みん)先生。美しい二胡の音が聞こえてきたと思ったら、小太りのおっさんが演奏しているという日本のアニメではまずない演出がフックでした。先生はただの敬称だと思ってたら(~さんの意味)、リアル弟子がいたのでリアル先生っぽい。加えて、奪われた能力が甚大な被害を及ぼしてるとこから考えると、ああ見えてかなり強いんでしょうね。

冠萱(かんせん)。とりあえず「外ハネの人」と覚えてたけど、名前見てもぜんぜんピンとこない……館長の後ろにいてあれこれフォローしてるのが有能な補佐っぽくて気になってた。かなり影響範囲が広い能力を持っているようなので、やっぱり強いんでしょうね。

あと、一部でマニアックな人気を博している大爽(だいそう)。アルカリも好きって言ってた。

私は「そういえばいたなー」くらいの認識だったけど、そこまで人気があると知ると妙に気になってしまうようになりました。マイナー業界怖い。この人も「400歳の人間」らしいので、もう人間がわからないです。戦闘能力はないらしいけどあれだけ大量の人間を動かせるんだから弱くはないよね。

有名人も出るんだ、と思ったのは哪吒。孫悟空みたいなもんで、パーツがあればこの人とわかるのはすごい。
おそらく無限よりぜんぜん強いんだろうけど、今回はさして出番がないという贅沢(?)な使い方。ガチで活躍するとこも見てみたい。

というわけで、主人公周りがめちゃくちゃ強いので強さのインフレが起きてますが基本的に全員強い妖精さんたち(と一部の人間)、この勢いでwebアニメやコミックも日本語訳が出たら全フォローしちゃうな~と思いました。