ぶっちゃけ庭。
わりと楽です、boothで通販。
自家通販だとメールや手紙書くのめんどくさい~という方でも、一般的なネット通販感覚でお買いものできるので。もちろん複数サークルのまとめ買いはできないけど、書店委託みたいに1つの店舗と思うんじゃなく、楽天やYahooで複数ショップからいろんなもの買うって思えば普通のことじゃないかと。
こちらもわざわざ入金確認しにいかなくてもいい(=boothが教えてくれる)ので、注文受けたらすぐ発送できるし。セキュリティは去年から反省して強固になったことを望むしかないですが。
というわけで、ご興味持たれた方はよろしくお願いします(笑)。
——————————–
さて、創作BLなるものを始めてなんとなく2年くらい経ちました。イベント参加だけ見れば1年半、お友だちのお手伝いも入れれば3年くらいにはなってるんだろうけど。
いろいろあったなあということで、ちょっと回顧や反省も込めて振り返ってみます。
ホント個人的な吐露なんで、字書き側からの裏話程度で読んでください。
…あ、すっごい長いです(笑)。
もくじ:
◎今なぜ一次創作なのか
◎趣味嗜好を明文化する作業→失敗
◎「好きになった人がタイプ」はNG
◎喫茶エクスリブリス高評価の裏側
◎字書きとしての実力不足を(延々と)嘆く
◎小説は白飯に同じ、主菜にあらず
◎同人は「あまちゃん」精神で
◎会場でもご近所づきあいは重要です
◎「なんだマンガじゃないのか」との戦い
◎求道者にはオススメ
——————————–
もともと純粋にオリジナルをやりたい!って思ってたわけじゃなくて。
二次創作やりたいと思えるジャンルがなくてアイドリング状態だったときにいろいろタイミングが重なって、
・基礎体力としての筆力を落とさない、あわよくば向上
・久々に同人誌作ってみたいんだよね
っていう真剣にやってる人からしたらふざけんなっていう不純な動機で始めたんですけど。
あとなんかこう、「小人閑居して不善を為す」っていうか、することなくてメモリ空いてると碌なこと考えないな自分って気づいたから、明確な目標のあるタスクで常にビジー状態にしておこうって思ったのもある(笑)。
始める前は、オリジュネってものにもけっこう偏見を持ってて、基本的には私と関係ない別世界なんだろうと思ってました。
いちおう世代的に、JUNE~やおい~BLの古典/定番作品もいくつか読んで(読まされて)はいるんだけど、小説としてのクオリティはともかく「ああわかる~コレ萌えるよね~!」って思ったのは全くひとつもさっぱりなかったから(笑)。JUNE作品の二次創作もOKなイベントと聞いて余計にそっち側なんだろうな~、判で押したような商業BLのさらに劣化版みたいなやつばっかなんじゃないの?的なね、はっきり言ってしまえばそんな偏見しかなかったです。
きっかけは、お友だちの本をプロデュースという名目で好き勝手にさせてもらったことなんだけど。
そのときは、その本もきっとエッヂでニッチなんだろうな、こういう本は他にないんだろうな、って思ってました。だって同じテーブルにいる仲間だもの(笑)。
だからべつにBLだからどうのっていうんじゃなくて、この作品を求めてる人の手になんとかして届けたいと単純に思っただけで、もしBLじゃなく普通の創作小説とか百合だったとしても、やっぱりイベントや市場を調べてそれっぽい装丁や見せ方を考えた気がする。
もし百合本プロデュースだったら今ごろニッカリも創作百合デビューしてたのかしらと思ったけど、二人とも女の子書くの苦手だからムリだわ(笑)。
んでどうやって売ったらいいのかなっていうリサーチのために、そのとき初めてイベント会場を回ったんですよ。そしたらすごいカオスだった。
デザフェスにいてもおかしくないような、でも中身はBLっていうのとか、ゲイ映画っぽいテイストとか、そもそもBでもLでもないけど純粋におもしろい創作マンガとか。画集とか短歌とか。
なんか各世代の王道的な絵柄とテンプレネタが並んでるだけなんでしょ、っていう根拠のない思い込みをあっさり壊されました。もちろんそういうのが大多数というのも事実ではあるけれど(笑)、それだけじゃないんだ!ってあたりまえの発見が感動的で。
あーなんでもありなんだな、じゃあ私らもやりたいことなくもないわ、みたいなのが発端だった気がします。
BLやりたいっていうより、J庭に出たくて始めたのかもしれない(笑)。
——————————–
でも、ニッカリズムのジャンル見ていただければおわかりのとおり、「こういうのが好き!」っていうわかりやすいツボが二人ともないので…ここはホントに悩みました。今でもまだときどき悩んでる。
二次創作は個々のカップリングやキャラで認識してもらえるけど、オリジナルの萌えとして他人に提示しようとしたとき、やっぱりわかりやすい検索タグをつけていかなきゃ見つけてもらえないじゃないですか。そして自分たちの萌えを継続して共有してくれるお仲間を作りたいと思っても、こっちが毎回バラバラな萌えを食い散らかしてたら、相手を戸惑わせるだけじゃないですか。
もちろん好きなことしかやらないのは大前提にしても、初めて乗り込んでいく場で「ジャンルは俺です」みたいな不親切なことはさすがにねえ(笑)。
だからまず、好きなジャンルを並べて属性を書き出して、客観的に好みを解体してみようとした…けど、ついに一貫性が見いだせなかった。こういうのを大まじめにシステマティックにやってしまうのがニッカリズムの欠点です(笑)。
普通は自然に形成されるはずなのに、そこは築いてこなかったよね、って改めて気づかされた感じ。
べつに「世間から押しつけられたカテゴリには収まらないんで」みたいな粋がった話でもなく(むしろ一言で表したい!)、「なんでも美味しく食べられます!」っていう雑食系を気取るわけでもなく(むしろアレルギー多いです)、ホントに不明瞭。「好きになった人が好みのタイプ」とかモテ男の逃げ口上的なことしか言えません。
結局うやむやなまま始めてしまいましたが、当初の危惧は見事に当たりまして。売れ方の偏り&リピーター率の低さが買い手の言動や表情でわかります。
エクスリブリスのキャラが気に入った人は、続編を希望はするけどREBOOTやOZには目もくれない。テイストがぜんぜんちがう「紙の檻」のほうを買っていくんです。美中年支持層だろうけど、中身は対極なのでどっちから入っても裏切られるという…
キャラでREBOOTを買う人は、緑か赤。たぶん「フツーのBL」が好きな層。ティアでなんかBL小説読んでみたいんですっておじさんが(止めたのに)赤だけ買ってったけど、美少年だからそんなに気持ち悪くないって思ったのかな。受けは三十路ですって言うの忘れたわ(笑)。
で、中途半端な二十代後半くらいのREBOOT黄とOZは、スルー率高いです。カップリングとしての個性がわかりづらいからでしょう。そこがニッカリの本領だったりもするんだけど、まあ伝わらないよね(笑)。
これが、「嗜好が固まっていない」せいで引き起こされる問題です。
こういうことで悩んでると、傾向と対策なんか気にしないで好きなことやればいいんだよ!って励まされるけど、それを10年以上やってきたのが今のニッカリズムだと思えばね…ちょっと真剣に考えざるをえないわよね…
結局「リバーシブルだけは貫く」みたいなことになりましたけど。それも嗜好っていうかほとんど政治的主張みたいなもんだからね。欺瞞だなあと思うときはあります。実際問題、エロ2回入れるのめんどくさい(笑)。
あとしみじみ実感するのが、私らってつまんないくらいにノーマルだな~と。うちのサイト見てくださってる方はおわかりですよね(笑)。
いちおう性的要素を含む表現活動をしている身でありながら、どノーマルな嗜好であるというのは、冗談でも皮肉でもなくマイナス要素です。どんなにニッチでも強烈な嗜好があれば、キャラにフックがなくても内容が拙くても「同志」が来てくれるから。
よく考えれば「元々エロがないところにエロを持ってくる」という二次創作の書き換えこそが唯一のアブノーマル要素だったわけで、オリジナルだとそれがないから、「18禁」部分の底の浅さが歴然。
ギリギリで「リバーシブル」っていう看板が勝手にアブノーマル感出してくれてるけど、べつにマニアックプレイじゃなく主張だから、内情はノーマルのままだしね。
新刊の「紙の檻」はいちおう変態っぽい人が主役なんだけど、ものすごく冷静にきまじめに「変態ってこういう感じかな?」ということを考えながらやってました。なので中身が伴ってない可能性は大なわけで、女装攻めとかオヤジ受けの売り文句に惹かれて買った人はがっかりしなかったのか、未だに不安です。
この「嗜好が定まらない」「ノーマルすぎる」という二本立てはずっと抱えてるコンプレックスです。技術や努力ではどうにもならない部分だからね。単発ならまだしも、継続的であればあるほど、弱点として際立ってきます。
まあ端的に言ってしまえば、「創作BL」ひいては「一次創作」というものが向いていないということになるのかも(笑)。
——————————–
方針や独自性を打ち出せないのはもう仕方ないこととして。
現状としては、思う存分工作欲を満たしているわけですけれども。
(BLじゃないのか)
小説執筆作業がなあ…
いつも書きたくないとか小説好きじゃないとかダダこねるけど(笑)、こうしてブログ記事を書くことが気晴らしになってるくらいだから、根本的にライティングは嫌いじゃないんだと思う。このご時世にTwitterじゃなくてブログを選んでるあたり(笑)。
いちおう、二次創作では小説書くの楽しいんですよ。
楽しいってどういう状態かっていうと、小説を書いてるって意識してないとき。自分の中にある映像がすらすらアウトプットできてるとき。
でもオリジナルだと「思うように書けない」状態のほうが断然多いので、書くこと自体嫌になっちゃうんですよね。小学生か。
二次創作だと、自作の中でも気に入ってるのけっこうあるんですけど。
オリジナルはダメです。萌えの前に技術的な部分が目についてしまって自分では萌えられないし悦に入るのも難しい。頭の中にあるときにはちゃんと自作キャラにも萌えてるんだけどな(笑)。
エクスリブリスは、必死すぎたせいでもうなにが萌えなのか思い出せない…
とにかく小説としてちゃんとしたものを書かなきゃって思ってたから、萌えじゃなく完全にそっちばかり追ってました。
おかげでガーデンガイドとティアズマガジンに載せてもらったし、ティアでは男性にも買ってもらえたし、BLというよりも小説本としてなかなかの評価を得ているとは思います。
しかしコレ、ニッカリの周りでも読書家のお友だち6人に、発行前に査読してもらってるからね。そのアドバイスを受けて手直ししてるからね。自分たちの実力だけだとは思えないですよ。ビギナーズラックではないけど、でもこのラインを常に期待されると確実に裏切ることになってしまいます。
最初だからってがんばりすぎたのかもしれないけどさ…
裏切りといえば、この世界観が好き!図書館と喫茶店の組み合わせが好き!って感想をかなりいただくんですが。いやありがたいことなんですが。
たしかにホームズとか好きだけど、この話を書くためにニッカリは「スチームパンク」をググるとこから始めてますからね。つまりぜんぜんわかってない状態で書いてるんですよね。超初心者。蔵書票もほぼゼロから調べてます。
あと珈琲が飲みたくなりました、とか言われるけど、書いてるニッケルはコーヒー大嫌いだからね! 正直、コーヒーとタバコをお供に読書とか意味がわからない、ってタイプだから(笑)。
でも、なんかコアなファンがいる領域だったようで。キャラ萌えの人もいるけど、世界観萌えの人のほうがアツイ(笑)。
そういう声に引っぱられて、元々単発で売り切って終わらせるはずだった作品なのに、いつのまにかシリーズ化して6冊ですよ。でも吉野と万尋の物語は最初で書き切っちゃってるから、毎回別の人の話になる=キャラクターはシリーズ化できてない、という本末転倒な感じ。
もちろん萌えは見失ったままです。もう読み手からどう見えてるのかわかんなくてすごい怖い。毎回綱渡り。
REBOOTは、完全に自分の能力を超えてたなとあきらめの気持ちになっています。
内容が連動した3作を同時発行だもの。入稿前に読み返す余裕もなかったもの。
数か月後に読み返したところ、思った以上に露骨なミスがぼろぼろと見つかって心が折れたどころじゃなく砕け散りました。誤字・誤記、キャラ名まちがい、初出箇所の移動や削除によって説明が抜けてしまった部分などなど。これはひどい。
納品直後は印刷製本の出来がひどい!って怒ってたけど、まあこの程度で十分だわこの内容ならって今なら思います。
エクスリブリスと違って、好き要素を詰め込もうとしたから失敗したのかも。興味ないくらいがちょうどいいんだわ、私(笑)。
01青は失敗作と素直に認める。10本書いたオリジナル小説の中で、ダントツ素人くさい小説です。
感想くれた人がほぼ全員「読むのに時間がかかって…」「理解力が及ばず…」みたいなことを婉曲的に言ってくれて、これはもう客観的事実だなと思いました。物語としてまとまってなかったよね。01だけを買った人が続きの02と03を買っていくこともなかったし。
01のあからさまな失敗のおかげで、他はなんとなくふわっとまとまった感じになってるけど、相対的にだから…
02黄は最初に書き上げたやつで、わりと独立したエピソードだから、いちばんシンプルで読みやすいのに、キャラ年齢のせいか真ん中だからか手に取ってもらえません(笑)。
いちおうガーデンガイドにも載ったし大人っぽさを支持してくれる人もいるんだけど、精神的にキツい話だから私もキツかった。登場人物と同じくらい追い込まれてて、でも距離を置きすぎると書けないみたいで、だから完成度はさておいて書き手としてはああいう話はもうしばらくやりたくないです(笑)。
細かい話をすると、作業としてキー叩いてるときはもういいの、あらゆる「キツさ」を考えてる段階が地獄なの。ぼのぼのみたいに「怖い考えになってしまった」って泣いてるの。
03赤は完結編なので力技で終わらせてしまいましたが、ミスは01と同じくらいありました。もうやだ。
それとアクションシーンのスピード感がテキストで出せてるのかどうかよくわからないまま、都合上かなりのページをアクションに割いてしまったので、失敗してたら目も当てられないなと思いながらこればっかりは客観的に見られないのでなんとも…
あと若者しか出ないのに言葉遣いが若くない(笑)。調整時間がなくてほぼ下書きのまま印刷所に突っ込んじゃったからもうクローズじゃなくてビーバップ(笑)。ヤンキーモノ不得意ってか好きじゃないことがバレバレだったよね。
発行直後は見たくもなかったけど、今は書き直したい、やり直したいという気持ちしかないです。「Re:REBOOT」(笑)。いつか1冊にまとめて改訂版を出したい…とも思うんだけど、やっていいのかな?とも思ってます。
再録やまとめが悪いってんじゃないです。自分も、収録作品全部持ってても再録本出たら買うから。そうじゃなくて、私個人の話。
二次とかでそういうちょっと直して再掲とか再録とかけっこうやってたときに、「書き手は何度でも直したいしリサイクルしたいかもしれないけど、ちょっとずつ変わってる文章を何度も読まされる読み手の身にもなったら?」と言われたことがありまして。このときホントに心から反省した。よく考えたら他の誰もそんなことしてないし。字書きにも仁義っていうか最低限の礼儀があるのでした。
今回も、完売した過去作品やシリーズをまとめて再録本出すのとはちがうからね、最初から「失敗したんでもっかいチャンスください」って意識でやろうとしてるからね。初版買った人に失礼な話です。
そもそも、ダメな初版を読んでダメだなこの小説(もしくはこの書き手)と思った人は、どんなに完成度を上げても改訂版なんて絶対読んでくれないと思うし。そして素直に楽しんでくれた人は、完成度が上がったところで印象は変わらないと思うし。
まあ、在庫が売り切れるまで悩みつづけようと思います。
地獄は見ましたが、自分の限界を知るという意味ではいい経験でした。
二次創作にしろ、未経験のことに挑戦するタイミングはちょいちょい訪れるわけで、そこでハードルを超えると地力がぐっと上がったな、という自覚があるんですが。
エクスリブリスにはそれがありました。
REBOOTについては、あれだけ書いてなにかスキルが上がった気がしないで終わった、という自分の感覚が結果なのだと思っています。
OZは、実はけっこうしっかりSF小説だし画面構成もコンセプトに合わせてがんばってるんだけど。意図がわかりづらいみたいで、おもしろがって手に取る人さえ少ないのがものすごく残念。
そのへんの戦略も含めて、もうちょっとやれたんじゃないか、字書きとしてもっとスマートな仕事ができたんじゃないか、とずっと反省中。
とりあえず「相手の足りない部分を補い合う」という点では、ニッカリらしさがいちばん出てる本ではあります…
「紙の檻」は、書き上げたばかりなので冷静な評価はぜんぜんできない状態ですが。
やっぱり一冊で収めたかった。時間的に書き上がらなかったとはいえ、引っぱる内容じゃなかった。その点に尽きます。
装丁は2回分いろんなことできて楽しかったので結果オーライとしてますが、小説のほうはもう文章を紡ぐこと自体に楽しみを見出していかないと続かないなあと心から実感しました。
あと厭きる!(笑) なにがなんでも最初のゴールに辿りつかないと、先延ばししたままやる気を失う! 自分たちの性格上、すごく危うい橋でした。こんな危険な分冊は二度とやらない。
とくに強烈なフックもないオリジナルの物語には、せめてストーリー上のギミックやサプライズがないとただのSSになってしまうのですが、「梟の眼」は完全にそんな感じ。キャラものとしてはいいかもしれないけど、短編小説としてはおもしろみがなくてNGでした。唯一BLじゃないからってコレだけ買ってった人は二度とうちの本は買わないだろうなあ。
マッチ箱入りの「発火点」は、 外側のギミックとストーリーや舞台装置がいちばんきれいにはまって、なかなかの出来だと自分では思うのですが…
でもべつに自分の書いた小説に萌えるかっていうとそれはぜんぜんないからね。書く前はどんなに「これ萌えるよね!」って盛り上がってても、完成すると技術面しか見られなくなるからBL小説としては私はぜんぜん楽しめない(笑)。
萌えるために書くんじゃないのかBLって…
——————————–
ただ、小説としてのレベルはそんなに重要じゃないのかもしれない、という印象は回を重ねるごとに強くなっています。
これもBLでは常識なのかもしれないけど、知識なしでゼロからスタートしてるからね。いっこいっこ自分で学習していくしかないんですよ。
REBOOTは作り手としては反省点しかないけど、萌えキャラがいればすごく楽しいらしい。実際、キャラ語りをしてくれた人ってすごく楽しそうだった。二次でもそうだなって考えると、正統なBLの楽しみ方だと思いました。
逆にそれができなかった(萌えキャラがいない・普通の小説として読んだ)人はダメだったみたい。どこ褒めていいのかわかんない感じだったからホント申し訳ない。
小説の失敗作がBLとしては成功してる部分もあるってなんか複雑だなー。
エクスリブリスはたまたまキャラ萌えの人もストーリー重視の人もそこそこ満足できる作りになっていたみたいなんですが、キャラ萌えの条件として「わかりやすいアイコンとしてのキャラクター」である必要性は感じました。
顕著なのが「万尋が(36歳にしてはキャラが)若すぎる」という複数のご意見で、でも私のリアルな感覚だとあの状況にいる36歳ってああだと思うんです。ただ、ここでは正解かどうかではなく「36歳男性の一般的なイメージ」が重要だったのであって、そこから外れてる場合はそもそも年齢を強調してはいけなかったんですよね。プロモーションの基本がわかってなかった。
トータルでも私は万尋のほうを比較的丁寧に書いたんだけど、結局はキャラ属性が明確な吉野(オヤジ・メガネ・インテリetc)のほうが人気で、「わかりにくい性格や属性の人物を描写する」っていうのは書き手の自己満足でしかないんだなと思い知らされました。
これも努力と結果は対応しないっていう顕著な例で、ものすごく複雑です(笑)。
REBOOTもその傾向は顕著で、01の結弦はわかりやすさがぶっちぎりなだけあって、好きな人はすごくツボみたい。私としては書きなれてないキャラ造形だったからキャラとして成立してるかだけが不安だったんだけど。
いちばんわかりづらいのはたぶん02の颯士郎で、ゲイでオネエ寄りで攻めっぽくてノンケ相手で…っていう要素から予測される展開に全くならなかった(笑)。属性に期待しても丸ごと裏切られるっていうのは、BL的にアウトかもしれない。
作ってるときはそこまで考えないからね。必死に走ってるだけだからね。作り手が二人いてどっちも前しか見えてないのが問題です。
思うに、BLにおいて「小説の質」っていうのは白いごはんみたいなものなんですよね。
重要なのはおかずだったり付け合わせだったり、なにを乗せるか、なにを混ぜるかのほうで。
どんなにごはんが美味しくても嫌いなものが混ぜ込んであったら食べられないように、すごく文章が上手な人でもショタ陵辱ものだと私は読めないなあ、とか。
逆に好物がメインディッシュだったら、ごはんは冷たくても固くても食べられる。誤字脱字が多くても話に穴があっても萌えさえあれば全て許せる状態ね。
ごはんが美味しいに越したことはないけど、そうでなくても全体の印象にそれほど影響はないんだろうなあと。
それがいいか悪いかはさておいて、今後BLで創作をやっていく上では無視できない現実です。
キャラについては、自分たちが萌える人しか呼ばないと決めているので、結果的にわかりやすいかわかりにくいかは受け取り側しだいだとは思っていますが。お話作りはもっとスマートにならないものか…
努力を徹底的に回避したい人間としては、お客さま満足度がそれほど変わらないなら、特上のコシヒカリを竹筒吹いて釜で炊くより、サトウのごはんをチンして済ませたい。つまり今ある実力の範囲内でムリせずやりたい。
と思ってるんですけど、力加減がまだまだ掴めません…だからすぐ、小説やだ~書きたくない~ってなる(笑)。
——————————–
小説が苦しいのは変わらないにしても、本を作るという方向では楽しみ方が固まってきた気がします。
お友だちの本を作ってたときには「本屋で売ってそうな本」を作るのが目的で楽しかったんですよ。だから新書サイズにして、偽バーコードとかもつけてみたし。
でも今は「本屋には売ってない本」を作りたいと思ってます。
手作りゆえの拙さが最初は歯がゆかったけど、それも同人なら許されるってことがわかってきたんで。変な気負いも取れてきた。一冊ずつ出来がちがうのも一点物って感じするな、というのは自分が他のサークルで買うようになって思いはじめました。
なんかこう、突き詰めると「あまちゃん」精神なんだな同人って。「プロでも素人でもない、アマチュアにしかできないこと」っていうのがまさに!って思います。
今、仕事関係でマーケティングの勉強をさせられてるんですけど、「売れる」方向と真逆なことしてるなって思うもの(笑)。一点でも強烈な嗜好があれば、きっちりブランディングできたんだろうな~とは未だに思うけど。でも同じこと2回やると飽きるから(笑)。
迷走してもニッチすぎてもいい、売れないものを堂々と作れるのが「あまちゃん」ライフですよね。
あ、あまちゃん今BSで再放送してるらしいんで未見の方はぜひどうぞ(笑)。
そのへんが明確になったという意味で、コミティアは参加してみてよかったなと思う。本はぜんぜん売れなかったけど(笑)。学んだこととか、得るものはけっこう多かったです。
文芸ジャンルで参加したとき、準備中に真後ろのサークルさんが挨拶がてら新刊をくれたんですよ。あわててお返しに新刊を渡しました。そのあと来た師匠が「昔のコミケみたいだね」って言ってて。男性でしたけど、本人から直接手渡されなかったら女子が書いたと思っちゃうくらいかわいい童話でした。BLじゃない本用意しといてよかった…
まあ、ティアだからできるんですけどね。二次は論外として、BLは自作を渡したら却って迷惑になっちゃう確率のほうが高いから。リアルに考えて、隣の人から女体化本とか笑顔でお裾分けされたら困るもの(笑)。私の手元で永遠に読まれないでいるより読みたい人に売ってくださいっていう気分になる。逆の立場でもリバエロ本を名刺代わりに差し出すって勇気いるよ(笑)。相手もいりませんとは言えないしね。
でもこの「ご近所のよしみ」ってのはナメちゃいかんなと思いました。
ティアで隣のスペースにいた大学生くらいの子がうちの本買っていったんだけど、そのあとJ庭に来てキラキラした顔で「他の本もください!」って言ってくれたのはすごくうれしかった。
隣っていえば、前のJ庭で両隣のサークルさんがそれぞれ買ってくれたんですよ。片側が表紙イラストもない分厚い小説本の山があっという間になくなっていく大手(商業?)さん、もう片側がかわいいコピー誌をちょっとずつ置いてる女子っぽいサークルさん。
大手さんはやっぱりおひねり的な感じだったのかな、そういう余裕を私も持ちたいとあとになって思いました。反対側の子は次のイベントでスペースまで遊びに来てくれて、本の感想をうわーっと語ってくれて、それも見習いたいなって思った。
イベント中ってけっこう余裕ないから一度もやったことないんだけど、「ご祝儀的にお隣の本を買う」って今度やってみたいです。
そうかー、オンラインメインでやってきてすっ飛ばしちゃった部分だけど、アマチュアの創作活動ってこういう感じなんだなーって実地で学びました。
自分の嗜好を突き詰めるっていう方向性もあるけども、未知の創作物に積極的に触れて互いを尊重するっていう態度は、いつか自分に返ってくるんでしょうね。作るのに必死で自分のことしか見えてませんでしたが、やっと外に目を向けられるようになりました。
まず、カタログをイベント前に買って目を通すようになった(笑)。いや、たまたまうちの本が紹介されてたから連続で買ったんだけど、そのまま習慣にしていくのもいいなあと思ってるとこです。
——————————–
いろいろふり返ってみて、まあ動機は複層的なんですが、まとめると「おもしろい本(物理)を作って、イベントに参加したい」のが目的だったようです。
作るだけ作っちゃった在庫をなんとかするために、コミティアにも参加して、通販も始めましたが、ホームベースをJ庭とすることだけは逆に固まった感じ。いちばん「小説本を買ってくれる」イベントだと思うので。ティアは「なんだマンガじゃないのか」層がほとんどだから。
いや、J庭でもいるけどね。「表紙の絵が気に入ったから買ったら小説だった、次はマンガを描いてほしい」とか言う人。うーん、それたぶんこちらには責任ないやつです(笑)。まあそれは極端な例にしても。
表紙やポスターを見てから本を開いてまた置いて真剣に悩んで、結局ペーパーだけ持っていく人って、「あっ、この絵好き…なんだ小説かあ…でもこの絵は欲しいなあ…」っていうパターンなのね。私がわりとそういう買い手だからよくわかる(笑)。
マンガもいつかはやってみたいですけどね。こればっかりはどうにもね。ただ単純に作業期間が延びるのでコンスタントにイベント参加できなくなりそうだなと思います。ここまでストーリー重視っぽいスタンスでやってきて、10P程度でお茶を濁すわけにもいかないだろうし。
とりあえず、イラストの販促能力の高さは実証されていると思うことにして。
字書きとしてできることは、不本意ながらも買って読んでくれた人に「この話ってマンガのほうがよくない?」と思われないように努力することくらいです。
でも「なんで小説じゃなきゃいけないの?」っていう問いに「マンガのほうが作業的に大変だから」ってのだけだと読み専の人は納得してくれないだろうなあというのもわかってはいます。
ただ、小説のクオリティを高めようとしても、先述のとおりBL作品としては見当違いの努力にもなりかねないわけで…
禅問答の領域に入りつつあります。
なんかもうホントにストイックな修行の場です。
同じ趣味の同志と知り合って楽しく同人活動したいというよりは、求道者にオススメしたい。禅を極めたい方はぜひどうぞ、創作BL。