ぶらたもごっこ。

行った直後に記事にしようと思ってたのに、先越された……(笑)
今日は、ローカルな話題で申し訳ないのですが、お友だちとブラタモリしたのがすっごい楽しかったので自分的まとめも兼ねて。建築自体の説明はあちらの日記のほうが詳しいです。合わせて見ていただけると、なんとなく雰囲気伝わるかも。
昭和くらいのちょっと古めな風景がお好きな方はどうぞ。
ええと予告しておくと、画像が34枚あります(笑)。


場所は上野→秋葉原。
一日歩き通しだったのですが、疲れを感じないくらいに楽しかったです(笑)。
私にとって、東京って基本的には「外国」なんですよ。普通に生活してて文化的なちがいに驚くことが今でもあります。だから、ただ街をぶらぶらしてるだけで目新しいものがあっておもしろいんですが、今回は知識豊富なご当地の方の懇切丁寧な解説つきだったので、もう大興奮でした。知らないで「なんかすげえ」って言いながら写真撮るのとではぜんぜんちがいますからね。
普段はカメラ(iPhone)の位置情報オフにしてるんですが、今回ばかりはオンにしていきました。
あとから見返したときに「そうそう、あそこだよね」って思えるのはけっこうおもしろい。どこ歩いたかなんて覚えてないけど、なんとなくのルートは記録されてるんですよ、メモもとってないのに。
デジカメでもケータイでも、ぶらりするときはオススメです。
——————————–
発端は、来年5月に取り壊される同潤会の上野下アパートを見にいってみよう~!というとこからです。
同潤会アパートは大正~昭和の「アーバンな」集合住宅で、青山のは私が上京したときにはまだありました。三ノ輪が壊されるって聞いたときも気になってはいたんだけど、この上野のがラストみたいですね。
bura01.jpg
上記のようにそれなりの価値や話題性がある場所なので「住人の迷惑にならないように」「騒いだり無断で入ったりしないでください」という注意書きも張ってありました。なので敷地の外から撮ります。せっかくなので(?)フィルムカメラでも撮りましたよ。まだ現像してないけど(笑)。
bura02.jpg
さすがに古いだけあって、壁が剥がれ落ちてるところも。ヒビも多いし、住人のことを考えると取り壊しはやむをえずとは思いますが……
bura03.png
このへんの窓なんかは、入れ替えないで当時からそのまま使われてるかも。
bura04.jpg
うっかり撮り忘れたのですが、向かいに古い家がありまして、昔は落語家の方などが住んでおられたそうです。
それが、下町でよく見るタイプの木造二階建てだったんですよ。道に面してすぐ玄関があって、横の壁が窓とかほとんどなくて一面トタンか板張りになっててる家。ちなみにかなりの確率で隣が駐車場(笑)。
実は、もともと長屋(いわゆるメゾネットタイプの住居)だったのを世帯ごとに切って、個人の住宅に仕立てているんだそうで。だからああいうかたちしてるんだ!!
ちょっとしたことなんですけど、長年の疑問が解けてうれしかったです。
——————————–
ここから、天気もいいしちょっとそのへんぶらりしてみようか、ということになりまして。
少し歩いただけで、おもしろい建物がいっぱいです。
bura05.jpg
知っている人は知っている、看板建築とゆー様式ですが、私はこのときまで知らなかったわけですが、まあこのへんの説明は師匠の日記見てください(笑)。
つまりこういうこと↓
bura05.png
黄色のちょっと覗いてるのが本来の建物で、赤い部分が看板。いや実際はどこまでかよくわかってないけど(笑)。
きょろきょろしてると、意外とあります。
コレもかな。上に瓦屋根がちょっとだけ見えてるのがいいよね。
bura06.jpg
おっ隊長、あの緑色のオシャレな家はなんですか!?
bura07.jpg
木造の壁に銅板を張ってあるんですね。これも看板建築のひとつかな。もとは赤銅色だったのが青銅色になったというわけですな。身近な化学反応ですな。
黒い屋根が和瓦、青いひさしは洋瓦(スペイン瓦)。
美しい和洋折衷……とかはたぶんあんまり考えてなかったと思いますが(笑)。
bura08.jpg
ここは看板建築と銅板壁の見本市。
bura09.jpg
まさに「猫の子一匹」さえ拒むこのギリギリなお隣さん具合も、いかにも下町です。昔はこういう感じで隙間なくお店が並んでたので、屋根を渡って数軒先まで行けたそうです(当時の子供談)。
bura10.jpg
あ、戸に覗き窓がついてる。こういうギミック見つけるとうれしくなる(笑)。
bura11.jpg
これはなかなかオシャレでアーバンな……色柄だったんでしょうね、当時は。
bura12.jpg
なぜ屋根の上に鉢植え……?(笑)
bura13.jpg
bura14.jpg
目についたのは「備長炭あります」の張り紙。つまり(おそらくは)炭屋さん。炭屋というのはお金持ちだそうで、だからおうちも瓦屋根で立派なんですね。
こちらはたぶん板金工のお宅。
キレイだけどさわっちゃいけない(笑)金屑がたくさん!
bura17.jpg
bura18.jpg
「消火器のある家」というのは、安全性の主張だろうか……火花とか飛ぶもんね。
そんな下町住宅地の中にいきなり現れた、妙にお上品なお屋敷。
bura15.jpg
たぶん元料亭ではないかとのこと。庭木なんかもそれっぽいですね。
しかしいちばん気になったのはコレ!
bura16.jpg
左に新しいのがあるので今は使ってないのでしょうが、右のは古いゴミ箱だそうです。上から入れて、前から出す。なるほどー。
バチの形の看板。似たような看板がここ以外にもありました。
bura19.jpg
大きく書いてある名前が屋号で、横のが名字でしょう。
「三絃師」というのは三味線を作る職人さん。でも三味線教室は見なかったような……
これもまたレトロなビルヂング。
円い窓なんか、内側から見てみたいですね。
bura20.jpg
ここの一階に古い喫茶店がありまして、今日のルートだったらここに入るしかないだろ!って感じだったんですが残念ながら休日でしたので……そうだよね、個人のお店はね。
結局そのへんのファミレスに入りましたとさ(笑)。
——————————–
雨戸の戸袋の意匠コレクション。
正面からちゃんと撮れてるのがほとんどなくてすみません……orz
bura21.jpg
bura22.jpg
bura23.jpg
bura24.jpg
bura25.jpg
私は雨戸のある家に住んだことがないので、こういうのを見たり雨戸を開け閉めしてた話を聞くだけでわくわくします(笑)。
あと窓の外の手すりもいろんな装飾がありますね。たぶん年代で流行りとかあったんだろうな。
bura26.jpg
bura27.jpg
bura28.jpg
——————————–
こっからは、ぶらたも写真館的な(笑)。
一人用のベンチって初めて見たかも。
ていうかコレはベンチ??
bura29.jpg
bura30.jpg
謎の建物発見。写真左側に注目。
bura31.jpg
こちら側、完全に壁ですよね。でも他の三方にも扉らしきモノがないんです……そして、全て塀か建物に隣接してるんです……手前は家が取り壊されたあとだし、どこから入るの? ていうかなんの建物??
……っていうのを、わざわざ一区画ぐるっと回って家々の隙間から見て確かめたのだよ(笑)。
職質されても文句は言えなかったでしょう。
そして謎の白菜発見……
bura32.jpg
bura33.jpg
今まさに漬け物にせんとす、って感じですが、周囲に人の気配もなくなにかの作業をしていた様子もなく、ぽつんと……なぜここに……
最後に秋葉原の柳森神社に寄ったのですが、気が抜けたのか写真は撮り忘れました……
なぜかタヌキがたくさんいて、でもお稲荷さんのキツネもいて、ていうかいろんなとこから移されてきたっぽい神さまがたくさんいて、なのに富士講とか力石とか狭いとこに詰め込みすぎだから!っていう、ごった感がおもしろい神社でした。
寺社仏閣巡りも楽しそうだよねえ。寺町をひたすら歩く!みたいな。
——————————–
観光名所とか江戸時代からの由緒正しき建築物とかそういうのじゃなく、ただひたすら住宅地をぶらぶらしてただけなんですが、退屈しなかったし長く歩いた感じもしませんでした。あらためて、こういうの好きなんだなあと実感しました。
同潤会アパートだけでなく、メゾネット長屋もモルタル看板建築も銅板葺きも、これから消えていくことが確定している建物です。実際の不便や危険もありますから仕方ないと思います。
でもまあそういう「保存もされないで消えていく」こと自体、人が生活してる証拠っていうか。昔はただ残念だったけど、なくなっていくからこそのノスタルジーとも言えるし。
だから今のうちに、闇雲にでも写真撮って回ることが重要なんじゃないかと。自分の思い出として記憶に焼きつけるタイプの人もいるけど、それはそれですごく真摯だけど、私は思い出とは別に記録として残しておきたいので、とにかくピンぼけでも撮ることにしてます。
ただ整理とかほとんどしてないんで、えらいことになってますけどね……とくに初期のケータイとその前の「写ルンです」時代ね……(遠い目)
そんなだから、iPhoneは自分的にすごい進化っていうか革命だと思うわけで!(笑)

日記

Posted by nickel