シフト雛。
桃の節句でした。
乙女たるもの、この日を忘れてはいけません……が、すっかり忘れてましたすみません。
そんな昨日の夜、実家の父から電話がありまして。
「今日はひな祭りだな」
ああ、そういえば。えっと、おひなさまを出した報告かな? 子どものころはちゃんと七段飾りを出してたけど、ここ十年くらいは内裏雛だけ出して居間に飾ってる我が家。写真いるか?とかいう用件かな? でも去年送ってもらったし……
「今年は、三人官女を出した」
え? 三人官女「も」だよね?
「毎年決まった二人だけじゃ、他のが不満だろ。だから毎年変えることにした」
えっ、待って待って。箱に入ったままの人形がかわいそう、というのはわからなくもないですが。お内裏さまとお雛さまが不在ってシュールすぎませんか?
「去年までは内裏雛だったから、今年は三人官女だ」
つまり年変わりのローテーション? じゃあ来年は五人囃子……? 居間の出窓(飾り棚代わり)に並ぶかしら……ていうか、右大臣&左大臣や仕丁三名の年は地味すぎないですか。いっそ牛車だけとか箪笥だけとかいう年もありじゃないですか。
母に代わってもらって真偽を確認しましたが、どうやら夫婦の総意のようでした。子どもがいないとやりたい放題の我が両親。
部屋は昔より空いてるんだから、雛壇出してもいいのに。近所の女の子たちがわざわざ見に来ていたぐらい立派な雛壇なのに。老いた身にセッティングが重労働というのもわからなくはないけど。なぜ斬新なディスプレイを模索するのだ、ちちははよ。
そんなこんなで、二年つづけて実家から送られてきた写真を公開してみようと思う。ペットの写真をホームページに載せる感覚で(ちがうよ)。
まず去年の二人。
もう何年もこの方々以外は見ていなかったわけです。
そして今年の三人。
両サイドにはおそらく雪洞(ぼんぼり)があります。
どう考えてもその屏風の前には三人が限界だと思いますが……
五人囃子を二年分割(シフト制)とかされちゃったらどうしよう。他の部屋にバラバラに置かれたり(派遣業務)。もしくは右大臣&左大臣だったら、ゲイの結婚式みたいになっちゃう気がしなくもない。それはそれで進歩的だけど。
やはり七段飾りで正統に桃の節句を祝ってもらうべく、来年は大道具係として姉弟で帰省するべきなのかも……いちおう私のだし……
3月3日、桃の節句。これからは、私にとって試練の日となりそうです。