まさかの映画化。
真っ昼間に、高校時代の友人からメールが。
なにかと思えば、
ゲドがジヴリで映画化だって!!
貴重な昼休みの数分間を呆然と口開けて過ごしてしまいました。
うーん……
もともと活字の映像化には肯定的なほうではないんですが……
今回はいちばん抵抗があるかな……
このファンタジーブームの中で、指輪が出てもナルニアが出ても、ゲドだけはだいじょうぶ、と思っていた節がありました。
だってアレはメイド・イン・USAなんだもの。重厚な歴史と神話を背景に持つヨーロッパ産のファンタジーとは、根本からちがうんだもの。作者はフェミニストのSF作家で、どうしても純粋な娯楽作品とはなりえないんですよ。
どうしてゲドは映画にならないんだろうとか無邪気なことをおっしゃる皆さまは、ゲドの肌の色を覚えておられないのだと思いますが。今のアメリカはゲドを映像化するほど社会的に成熟していないような気がするのは私だけでしょうか。
でも日本、しかもアニメーションはノーマークでした。
たしかに日本なら人種に対する意識はかなり薄いし、アニメなら肌の色だって顔の作りだって少し変わっていてもおかしくない。政治問題は一発クリア。しかも日本人は年齢を問わずファンタジーが大好きで、さらにジヴリも大好き。
きっと大人から子どもまで楽しめる映画になるんでしょうね……
しかしジヴリかあ……
昔、知り合いの金持ちなおっさん(三児の父)が、まるでステイタスのように「うちにはディ*ニーとジ*リのビデオがぜんぶある」とのたまったとき、つい「その二つを同じステージに乗せて考えていること自体が危険だしそんなもんで育てられた子どもはかわいそうだよ」と説教してしまった青くさい過去を思い出します。
でも日本人の認識なんて、ランド=三鷹の森、程度なんだろうなあ。ディ*ニーが手をつけなかっただけ幸せだったと思わなきゃいけないですね。
どうやら、原作でいう3巻にあたる内容をやるようです。
映像のインパクトを求めるなら1巻、女子供のウケを狙うなら2巻じゃないのか。そのへんに作り手の良心を感じることもできますが。
論点はM崎監督の息子とかそういうことじゃないんだってば。コケても監督のせいなのか原作のせいなのか誰も判断できないところに問題があるんだってば。ただまちがいなく、初監督作品としてはヘヴィすぎると思いますけどね。
ええ、べつにいいんですよ、おもしろそうじゃないですか。たぶん生まれて初めてジヴリを映画館に見に行っちゃいますよ。
ただね、あの古典ファンタジーが「エルフ萌え~」とか言われる作品に成り下がったように、「ハウル萌え~」のノリで「アレン萌え~」とか言われるだけの作品になっちゃうんだな、と思って少しさびしい気分になっただけですよ!(笑)
今日はそれだけで半日、社会構造や資本主義社会についてぼんやり考えながら過ごしてしまったので、えばんげりよん実写化はわりとどうでもいいです。