舞いあがるカップリング。
朝ドラって毎日観るのたいへんだなあ……朝の忙しい時間にそんな余裕ないなあ……
とかいろいろ理由をつけて敬遠していましたが、いちばんの理由は「女性が元気にがんばるドラマ」を楽しむのに体力がいるってことでね。家族とか世間とかの外部要素で志を折られたり、目的を変えたりするのが連ドラとして地味にストレスでね。
在宅勤務になって、朝はムリだけど昼はまあ観れたら……みたいな感じだったんですがNHKプラスのおかげで見逃しても大丈夫!っていう逃げ場のない状態になりましてね。
たまに眺めてました『舞いあがれ』。
その前の『ちむどんどん』も終盤ちょっと観てたんだけど、さすがにアレは……ちょうどリバイス後半と放映時期がかぶってたので、双方の視聴者が「こっちのほうが酷い」「いやウチのほうが」ってなってて地獄絵図でしたね。
まあちむどんはいいや。
舞いあがれ、悠人兄ちゃんと同じ世代なのかな、自分は。
なんかリーマンとかコロナとか「まだ記憶にある」時代ってなんか生々しくてちょっとな……でも関西には311はあんまり影響なかったんだな……などと思ってはいたんですけど、そんなことよりもですね。
◆刈谷先輩と鶴田先輩
◆貴司くんと八木のおっちゃん
についてちょっとメモを残させてください。
自分は西の言葉が全くわからないから具体的な妄想とかはできないんだけど、NHKプラスでわざわざ観てしまうくらいには盛り上がった。いや舞いあがった(うるさい)。
◆刈谷先輩と鶴田先輩
え、顔がいい……そして仲がいい……
まず鶴田が刈谷のことを好きすぎるじゃないですか。
無条件に受け入れすぎじゃないですか。もともとめちゃくちゃ人間ができてて優しい人なんだろうけど、その懐に刈谷があたりまえのように入り込んでるの、すごく需要と供給が一致してる(?)そういうの大好き。
だれに対しても笑顔で優しいので、逆にサイコな人かもって心配してました、初期は(朝ドラに慣れていない)。
刈谷も鶴田に甘えまくってるじゃないですか。
鶴田が何度でも連れ戻しにくるってわかっててヘソ曲げてるじゃないですか。
ツンデレなのかなと思いきや、鶴田は俺のことが好き!なぜなら俺が鶴田を好きだから!って確信してる。そこがいい。
あれだけ人当たりがいい鶴田を独占できるの、メンタルも顔面も強すぎる。あのビジュアルで鶴田の横に立たれたら、誰も横取りしようなんて思わないもの。
なんか高校までの関係って結局むりやり組まされたクラスだしな、とか思っちゃう(ので学園モノに惹かれない)んですけど、大学は自分である程度選べるものね。こんなにしっくりくる相手を見つけられるっていいよね。いやもう距離感や空気感が「大学の友人」じゃなかったけどね。もう30年くらい連れ添ってるでしょ。
卒業後はなんのかんのと理由をつけて会ってたっぽいのもよかった……
二人とも就職したけど、刈谷は結局辞めて会社を立ち上げるほうを選んで、鶴田は辞められないポジションで泣く泣く断念したのかもしれない。もう結婚してたとか。
結婚式ではもちろん刈谷が新郎友人代表になりそうだけど、拗ねて行かなかったのかもしれない。
とかいろいろ考えてしまいますよ。
ありがとう舞ちゃん、鶴田先輩と刈谷先輩に会わせてくれてありがとう。
鳥人間コンテストをちゃんと観るようになってしまいました。イワタニもありがとう(?)
◆貴司くんと八木のおっちゃん
おっちゃんこと八木巌(いわお)と、貴司くんこと梅津貴司。
なんか子供のころから距離感が……と思ってたけど、大人になってからの貴司の依存がすごくて「わーお」ってなりました。
これが朝ドラでなかったら、貴司は舞ちゃんと結婚してなかったよ。歩もこの世に存在してなかったよ。
それくらい、魂の繋がりだったよ。
物語なのでと言われればそれまでだけれども、八木のおっちゃんはずーっと貴司くんのために存在してるんですよ。実在してるのかってくらいに親切な妖精さんだった。
元々は根なし草の風来坊なのに、貴司のために店を開けつづけ、貴司のために店を閉めて、貴司の動向を影で見守り、ちょうどいい頃合いで店をぽんとくれる。
パリの部屋もそう。現実的な話はさておき、貴司のためなら居心地のいい「秘密基地」を明け渡せるんだな。
貴司も梅津家や岩倉家よりもデラシネのほうがリラックスしてるんだよ。
貴司が両親にも幼馴染みにも気を遣って言葉を選んでたのは、距離があるとかではなく大好きだからこそだと思うんです。優しくて絶対に荒れたり怒ったりしない。
なのに、おっちゃんの前では惨めなとこも自虐的なことも全部さらけ出して、「どうすればいい?」って訊けちゃう。
貴司が今ほしい言葉や行動じゃなくて、貴司の未来のためっていうのも、なかなかできることじゃないよ。
だってあんなかわいい男の子(概念)が自分を頼ってくれたら、無限に甘やかしたくなっちゃうもの(断言)。
自分と違う「大勢に言葉を届ける」っていう選択をした貴司の本を、ボロボロになるまで読んでるの最高だった……フランスっぽい(?)オシャレなブックマーカーまでつけちゃって……
ファン第一号はまちがいなくおっちゃんですよ。舞にも秋月にも譲れない。
又吉直樹だったから、なんとか朴訥な感じになってたけども。これがベテラン俳優さんなら大変なことになってました。貴司を想う気持ちが出すぎてしまったと思う。
赤楚衛二はとてもよい俳優なので気持ちあふれすぎてしまってたね……いつ見てもすごいね……
◆桑原亮子さんがすごい
最後まで見終わったあと、相方に「これは先日入稿したBL本なのでは……?」と言われて初めて気づきました。そうだ、リョウタとアキが、そのまんま貴八木の構図だ。
そして刈鶴はその前のカップリングだ。小川と岩本だ。息をするように書けるやつだ。
そりゃ自分で書くほど好きなタイプの組み合わせなんだから刺さるよな……納得だわ。むしろ自覚なかったのがびっくりだわ。
脚本の人、仲良くできそうだなと思いました。
歌人として言葉選びもそりゃあすごいけど、わたし的には「同ジャンルの人」です。
またドラマ書いてほしい。男同士のやつ。