呪術廻戦。

なんだかんだ、アニメ2シーズンと映画、その後は原作25巻まで読みました。

現時点で、青森・岩手・宮城・福島まで舞台になってます。東北の血が濃すぎるだろ。
盛岡駅をアニメで観たのなんて、こち亀以来だわ。

以下だらだらとネタバレ感想です。おもしろくないわけがなかった。


原作至上主義なので、できればマンガ原作を読んでからアニメに挑みたいところなのですが。
今はアニメのほうが手軽に無料で見られちゃうんだよな~。
しかもアタリを引けば、粗削りな原作より整理されててわかりやすくおもしろい、っていう現象も起きるからな~。

集英社はそこの戦略が舗装されてますね。
多少癖の強い絵柄や内容でも、巻を重ねてきたところで金かけてアニメ化して、アニメの絵柄でヒットさせる方式。SPY×FAMILYが代表格だと思うけど。どうなるんだろうね、あのマンガ……

それはさておき。
アニメがキレイすぎて泣きたくなってきちゃった……
先日るろうに剣心観たばっかりだったからさ……刀剣アクションがあるたびに泣き崩れてました。オレも推しマンガをMAPPAにアニメ化してほしかったよ! 迫力のある動きで飛天御剣流を見たかったよ!! イケてる絵柄でキャラデザされた斎藤さんのグッズを買い込みたかったよ!!

……はい(手を叩く)、泣き言は平成に捨ててきましてですね。
MAPPA謹製の美麗なWJ原作アニメを堪能しております!!(恨み節)


全体的に。

久保帯人と冨樫義博が親だな??

BLEACHと幽遊白書を足してエヴァンゲリオンで割った味がする。
いい意味で見たことあるキャラや設定が多い。でもパクってるなーと思うわけじゃなくて、むしろ出典が明らかだから安心できる的な……笑
アレを摂取して育った作家が、こんなに上手に再出力できるのは素直にすごい。

作者は女性かなあ。もしくはとても距離の近い女きょうだいがいる。
でも、虎杖の元クラスメイトや、野薔薇とその幼馴染の描写は、男性ならそもそも思いつかないような気がするな。禪院姉妹止まりだったと思う。
こういう価値観の作品が、週刊少年ジャンプで長期連載されてる時代なんですね。

ふと思い出したこと。
若い頃、10歳20歳年上の人たち(男性)に「ONE-PIECEおもしろいよ!」って勧めたら、「自分が過去に読んだマンガでもう見たことある要素ばかりで、新しく得るものはなかった」って言われちゃったんだよね。
確かに呪術廻戦、私くらいの世代が「過去に読んだマンガで見たことある」要素ばっかりで、だから彼らと同じ感想を口にしてしまうかもと不安になりながら見てた。
でも、今の作家が書く意味や意義をちゃんと感じられてすごく安心しました。
よくも悪くもその時代でしか描けない・流通しない作品はあると思うので、「もうその要素知ってるから」って敬遠するのはこれからの時代通用しないよね。世代や年齢によって「刺さらない」範囲は増えてくると思うけど、新しいマンガを読まない理由にはもうならない気がする。
逆に呪術廻戦読んでたら、幽遊白書は読まなくてもいいと思うもんね前世代としては。

合ってるかわからないけど、「パロディではなくオマージュ」を初めて見てるのかもしれないと思いました。
同じコンテンツを摂取してきた世代が、パロディではなく完全に内面化された状態で新規コンテンツを作るとこうなるのか、っていう。この感覚をどう表現していいのか。普段レベル高いパロディと雑な自称オマージュばっかり見てるからか。


キャストは、最近のアニメにしては私でもわかる層がそろってるなと思いました。
いやアルカリからそう聞いてたんだけど。
確かに知ってる声が多い。最近のアニメはどうせ声優名わからないし、芝居もみんな似たり寄ったりだし、ほとんど意識しないで観てるから。○○だ、ってわかる機会が減ってきてたんですよね。

岩田光央・関智一の安定感ったらないわ。ベテランの正しい使い方。

あ、虎杖くんのおじいちゃんが千葉繁だったじゃないですか。
そのあと出てきたジョウゴも千葉繁だったので、一瞬おじいちゃんと関係が……?と疑ってしまったのどうにかしてください笑
まぎらわしいからそこを使い回すんじゃないよ。

実はナナミン目当て5割くらいで見はじめたんですけど、ずっとナナミンがいいのかつだけんがいいのか判断できなくてですね。
そしたら相方に「ツッキー(ハイキュー)好きじゃん。系統同じだよ」って言われてハッとしたので、もうそれでいいです。ナナミンが好きです!!
ナナミンと入れ替わりに出てきた日下部さんが、とてもよいみきしんで、とてもよいなと思っています(語彙)
はい、津田健次郎と三木眞一郎が好きです。

五条先生はね……もうこういうキャラを愛せる元気が自分にないんだな、と思い知らされました。ああいうのは強烈な嗜好か気の迷いじゃないとイケないよ。
本来ならラスボスか、舞台装置そのものとして登場する存在だよね。メインレギュラーとして最初から混ざってていいキャラじゃないよね。
素顔が三浦涼介に似てるなと思ってる(逆転の発想)

単純に、学生たちの味方でいる大人は好き、学生たちを傷つける大人は敵、という認識で見ています。


最初の13話(シーズン1)が展開早すぎてびっくりした。
今のマンガってこれくらいスピード感ないと生き残れないのね。
昔なら引き延ばしナシでもたっぷり26話かけて一年生組の友情構築やったでしょ。

虎杖くん伏黒くん野薔薇ちゃんがかわいい……もう五条先生の奢りで回るお寿司腹いっぱい食わせてやりたい……ってなりました(回らない寿司の味はわからさそうだから)。かわいい。そして人間ができてる。人格が完成してる。
虎杖くん、ちょっと前なら不良ポジションになってたのが、家族思いの朗らかなコミュ強でいい子。ケンカは強いけど、変に性格ねじれてない。運動能力抜群で助っ人期待されるのは黒崎一護ですかね。
あと伏黒くんが素直でいい子。こっちも変に性格ねじれてない。あんな闇落ちしそうな設定なのにちゃんとマジメで強い。今のライバルキャラって素直ですよね。ツンデレ仕草とかなくて、普通に友だち思い。
野薔薇は、はねっ返りのおてんばやあばずれ、なんていうレベルでなくガチで「自立した女性」なのがすごい。クソガキなのに筋が通ってる。かつての主人公クラスだよ。

数年前に異常ヒットした鬼滅の刃、無限列車編だけテレビで観たんですけど。
劇場公開時はPG-12っていうのを知らなかったのもあって、主人公の炭次郎くんが、敵の幻惑から逃れるために何度もためらわず自分の首を斬るシーンがあって、ちょっと引いてしまったんですよね。
いや煉獄さんは確かにみんな好きになっちゃうなと思ったけど、年若い主人公に「無垢な滅私」を持ってくる怖さのほうが先に立ってしまった。今コレ流行ってんの!?って。

虎杖くんもなんかヤバい子なのかなと思ったら、五条先生が「あいつはイカレてる」って早めに断言してくれて、ここは「全員が呪術師になる前からヤバい世界」だと自覚があるな、と確認できたので、安心した部分はある。
子供が命張ってヤバい存在と戦わなきゃいけないシチュエーションてのは、能力以上にメンタルがおかしくないといけない。そういうとこわかってるマンガなんですねたぶん。端々にそういう現代的な配慮を感じる。

パンダ・真希さん・トゲちゃんも、かわいくて好き。
自立した女性を目ざす(というかそうでない女を拒絶する)野薔薇が、真希さんに憧れて懐くのは正しいよね。
パンダは、そうか学長が毎年ちくちくフェルト刺しつづけてあの大きさになったんだなとちょい感動(?)しました。フェルト製だからけっこうゴワゴワするんじゃないかな。腕が取れたり綿がはみ出たりしても、ちくちく修復してくれるんだよね。

京都校はあんまり性格よさそうな子がいないけど(キャラがほぼBLEACHだけど)、まあみんな学生なんだよな……と思っている。
高専ってことは全員未成年だよね? 都立だからそこは普通の高専と同じでいいんだよね?


シーズン2、渋谷事変。
うーん、個人的にはちょっとノレなかったかなあ。
解説ナレーションが多すぎない? ここまではアニメでうまく調整してた原作の煩雑さを、再構成しても吸収しきれなくなったってことなのか。

いきなり五条先生の過去バナで、えええ虎杖くんたちに会いたいのに~!って5話ずっと思ってた。渋谷事変の前に必要な情報というのはわかるんですが。
なんか五条先生が飲み込めないうちに夏油まで口に突っ込まれた感じで……その前までのスピード感も影響してたかもしれない。完全に今の学生たちを応援する気持ちになってたのに、勢いを削がれた感。

アクションはめちゃくちゃすごいし、作画も美しい。予算と気合いのこもったアニメだとは思います。
でも主軸が「救助・救済」ではなく「事態の収束」になってて、ただひたすら消耗しただけの印象。物語の途中といえばそうなんだろうけど。
真人戦がちょっと、全体的に長いっていうか、真人が出てくるたびにコレいつ終わるんだろう……ってうんざりした気分になるのはしんどかった。島崎信長はすごいよ、すごいけども。

夏油はあの、仙水忍ですよね?
虎杖の同級生も、「身長伸びて体重変わらず」は領域編のネタだし。もちろん幽白より洗練されてて絶望も深いんだけども。ブラッシュアップされた領域編を観てる感じはあったんだけども。
それはそれとして、戦闘シーン長いんだよな、見せ場なのは承知の上でさ。

ナナミンが死んじゃったのは残念だけど、見せ場がシーズン1で完結してると思うと、まあ仕方ないのかもしれない。ナナミンと虎杖くんの関係はわりと好き。片方が未成年だから具体的にどうというわけではないですが。
野薔薇は、生きてると思います。ストーリー構成的に。野薔薇はまだ強くなる途中だったし、虎杖&伏黒には野薔薇が必要なので。場合によっては死ぬより大変な展開かもしれないけど、再登場を信じたい。


渋谷事変以降はマンガで読ませていただきました。
名前や用語が特殊な漢字の熟語だから、やっぱり文字で読むほうが理解はしやすい。アニメではさっぱり漢字変換できなかったから。

死滅回游編? ちょっとルールが複雑で、状況も複雑で、飲み込みにくいな……という印象。
これこそアニメで整理してもらわないと完全に理解できてる自信がない。カラーでサウンド付きで動いてくれたら、こういうことだったのか!ってなる気がする。
泳者の皆さんも全員は把握してない。生死と敵味方がはっきりしてなくて、再登場されても思い出せなかったりする。
このへんは、私がまだ流し読みしてるからなんでしょうけど。
そんな中で伏黒くんがちゃんと頭を使って話を進めてくれるの、助かります。虎杖だけじゃ何もわからなかった。

真希さん……なんか軀みたいになっちまって……というか伏黒父に似てきてるの、大丈夫? 河童と相撲取ってるあたりおかしいけど大丈夫? 真希さんだけ別ステージにいってる気がして不安になります。
東京校も京都校も、初登場時よりちゃんと感情が見えて、それぞれ若者らしく悩んだり立ち向かったりしていて好感度が上がってきました。

地味に学長が好きだったので、退場はそれなりにショックでした。あーここでこういう理由で死んじゃうのかー、っていう。つい必然性を考えちゃうんだけど、まあ強い人を減らしたかったんだろうな。
パンダもけっこう好き。かわいい。

伊地知は生きててよかった。あと五条先生に一番信用されてるって示してもらっててよかった。ただ、出番が少なすぎて全コマ顔が違うの、ちょっとかわいそうじゃないか笑
とはいえ五条×伊地知ってあまりにもパワハラ感が強いので、どちらかというと七海×伊地知のほうが安らぎます。その二択である必要はどこにもないんですが、なんとなく受動喫煙してしまっていたので伊地知に目がいってしまいます。先入観よくない。

ところで私は虎杖くんと伏黒くんのどっちも大好きなので、宿儺への好感度は五条先生くらいです。
現在進行形なので、アニメ化を待ちつつ楽しんでいきたいと思います。


……で、めちゃくちゃ東北。
聖地とかじゃなく、なんか東北民の魂を殴ってくるレベルの。

ハイキュー!!の「作者の出身地を舞台にしました!」っていう素朴さじゃなく、寒々しい風土や文化から「脱け出してきた」「しかしずっと囚われている」感が強すぎて圧倒されます。なんで令和に現行作品でこんな痛々しい気持ちにさせられるんだ。
ていうか虎杖と乙骨の特級を生み出してる仙台はどういう位置づけなんですか。東京・京都以上の霊場になってるよ。
しかもMAPPAは仙台スタジオがあるんでしょ。ロケハン楽勝でしょ。喜久福食べ放題でしょ。

そもそも手を出す最後の一押しになったのが、職場の人の「御朱印集めにハマってて、仙台の結界もコンプリしましたよ」っていう言葉でした。
いや、仙台の結界って何?って検索したら、伊達家が仙台城下を守護するため五芒星の形に寺社が配置され……っていう正解より先に、呪術廻戦の「仙台結界(コロニー)」が出てきて、本当に仙台の話なの??と興味をそそられまして。東京の話だと思ってたからさ。

岩手沿岸部出身の友人が、自分の映像作品にどうしても「南国の海」への強烈な憧れが出てしまうと言っていて。青い空、白い砂浜、ハイビスカス!みたいな。
陀艮の領域がビーチリゾートだったのが、わけもわからないうちから「あー」って思ってたし、五条たちが沖縄行っちゃうのも「あー」っていう感じで。そういう、理想化された南国イメージに対して、リアルな北国に「あー」ってなることが多かったです。
偶然の一致をこじつけてるだけかもだけど、心当たりがありすぎる。

野薔薇は言うまでもなく、寒村への憎悪で構成されてるよね。
青森が取り上げられるのは、恐山があるからってのはわかりますよ。イタコいるしね。でも田舎の嫌な部分の解像度が高すぎて怖い。なんなの、作者はホントに仙台育ちなの。それとも友人に野薔薇がいるの。

あと日車さん。なんで岩手だ。だって東京結界に来るのに。
知人が盛岡地裁で働いてたのもあり、距離の近さにぞわっとなりました。ジャンプのバトルアニメでそんなことあるかよ。
感想見てたら「岩手顔」ってあちこちで言われてて、そんなものあるわけないだろって思ったけど、まあわかる。妙に他キャラと系統が違う、アレは岩手顔……(ないってば)
出身かどうかはさておき、あの無表情で福田パンもっつもっつ食べてたのかと思うと怖いです。

ちょっとネタバレ踏んだのですが、本誌では御所湖に行ってるそうです。
田沢湖でもいいじゃん……