セイバー(まだ)観てます。

ゼンカイジャー、基本ギャグなんだけど根底シビアなのがじわじわくる。
ジュランの、ちょっとバブル引きずったキムタクぶってるアラフィフおじさんっぽさがすごくよく出てて、それでいて修羅場もくぐってますよ的な感じと若い子に対して反射的に世話を焼いてしまう性格のコンボが非常にズルい、好きにならないわけがない。
香村さんって絶妙にピンポイントな「属性」を感じさせるセリフ回しを選ぶなあと前々から思ってます(マジーヌのヲタ口調とか初美花の健全JKとか)。ベタな設定でもキャラがテンプレになりにくいなあと。
今回はとくに、アフレコが最初からプロなので違和感も齟齬もなくスッと入ってきて気持ちいいです。

逆にいえば、ゼンカイジャーへのコメントはそれくらいなんですよね。
毎回フツーに不条理とメタと王道を楽しんでる。45戦隊全部のオマージュが瞬時にわかるわけでもないので(25くらいはわかるけど)、ゆるゆると見てます。ゴーカイやジオウみたいな、「いつだれがゲストで来るのか」というヒリヒリした緊張感が良くも悪くもないせいかもしれない。


対して、言いたいことは多すぎるセイバー……笑
だから自分はこっちをメインで楽しんでるのかもと思ってしまうんですよ!

だっていろいろ大丈夫なのか。悪い意味で先が見えないけど、来週最終回ですっていつ言われてもおかしくないアグレッシブな展開でホント……大丈夫なのか。
とりあえず毎週なにか派手に打ち上げとけばインパクトあるよねってノリで、全く話の進まない回と、数話かけてじっくりやってほしい内容を圧縮してる回とのギャップが激しすぎて、むしろいつも同じに思える! どういうことなの!?

重要な情報を全部棒立ちの説明ゼリフで済ませるのも相変わらずだし……説明にしてもこなれたダイアローグとか明かすシチュエーションとかもっとこう、あるでしょ!
とヤジを飛ばすことに楽しみを見いだしてしまっているのか……つらいな……

それと、ライダー同士が戦うシーンってディケイドでかなりトラウマになったんで今でもあんまり見たくないんですけど、なぜか怪人を倒すよりライダー同士で必殺技の御披露目大会になるのがスタンダードになっちゃいましたね……
メギドどこいったよ。ストリウスはマスターロゴスの愛人やってるし、デザストは蓮と仲良くなってるし、ぜんぜん悪役の仕事してない。
一人わかりやすく悪役ライダーがどーんっていうのは百歩譲って許すにしても、どうしても内輪揉めになってしまうのでアレよくないと思うんですよ……聞こえてますか、夏映画さん……(嫌な予感しかないスパヒロ戦記)


まあそれでも精いっぱい好意的に受け止めるとして。
なんか最近、全体的なテイストがBLEACHっぽいなって思いました。ライターかPに影響受けた人がいるのかな。
剣(刀)に仰々しい名前がついてたり、属性が個人と紐付いてたりするのって死神的な設定だよね。

マスターロゴスの、崇高な一族に生まれながら身内を怠惰と断じシステム自体を破壊しようとする行動原理が、なんとなくブリキャラっぽい。美形からくり出される下衆な言動も。賢神とやらが控えてる権力構造とか、それをさっくり亡き者にしちゃうマッドさとか、雑な尸魂界って感じ。
狂犬バハトが、実は楽しんで暴れてるんじゃなく愚かな人類に絶望してるっていう意外なピュアさも、近しいものを感じる。というか今回の谷口おじさん自身に久保帯人キャラデザ感ある。
神代妹のクールキャラからの極端なブラコンっぷりと、神代兄のどこまでも使命を貫こうとする生真面目さも、たしか破面あたりにそういうキャラいたなって錯覚するレベルです。
変身後の強さとトリッキーさがインフレ起こしてる状況も、卍解対決っぽいし。これはまあ多頭でライダー同士戦わせるとどうしてもそうなるんだけど。

BLEACHは連載中はいろいろ言われてたけどなんだかんだと徹底的に練り込まれたすごい作品だ(と私は思ってる)から、要素だけ似てるともっとうまくやってほしいな……と思ってしまいます。勝手な妄想だけど。


いちおうポジティブに今の展開を捉えた上で組み合わせを考えると、
◎倫太郎×飛羽真(新婚)
◎ユーリ×タッセル(熟年)
◎マスターロゴス×ストリウス(愛人ごっこ)
◎マスターロゴス×バハト(愛犬ごっこ)
◎マスターロゴス×凌牙(愛憎主従)
◎大秦寺×ユーリ(岡暴走)
◎蓮×デザスト(公式)
あたりでお願いしたい。
賢人方面はちょっと今どうしていいのか……そろそろ決着つくかな?

蓮デザの唐突な公式感やばくない? 余り物の組み合わせにしてはなかなかの大穴だよ。こうなったら南極北極メギド全メンバーに組み合わせのチャンスがあるってことじゃないですか。夢ふくらむ~。
あと脚本家みんな忘れてるかもしれないけど岡くんだけはユーリに対する執着(というか自分が刀鍛冶であること)を忘れてなかったよ。セリフじゃない部分の本人解釈がいちばん深い気がする。
普段は天然総攻めみたいな顔してるユーリが、大秦寺さんにだけ引き気味なのもいいですよね。タッセルに対しては亭主関白だったと思う。

マスターロゴスはもうなんでもいいんですが、ストリウスの愛人ムーブがわざとらしすぎるので、二人ともその気はないんだけどお互いなんとなくそういう芝居をしてるんだと思うことにしました。バハトは、マスターロゴスに首輪つけられてわしゃわしゃされてればいいと思います。絵面が麗しい。
凌牙はそれを見てギリギリしててほしかったんですが、意外とあっさりマスターに見切りをつけてしまったので、これからはノーザンベースの壁際でたまに素っ頓狂なこと言う倫太郎ポジションを狙ってほしいと思います。あわよくば蓮デザみたいな番狂わせも起きるかもしれないし!

ていうか、凌牙がマスターロゴスのことを考えるときにちらちら見てる懐中時計的なやつ? アレなんかの伏線かと思ったけどぜんぜん触れられないし! それはBlu-ray特典でねってことになったらキレるから!!
いやマスターロゴスがああなった経緯がそっちの特典ドラマでねってなってるのが納得いかないんですけどね。「本編には必要ないエピソード」と「尺の都合で本編に入らなかったエピソード」てのは本質的に別物だからね!? 前者は「金を落とすファンだけに公開」でいいかもしれないけど、後者は単純に作り手の力不足だからね!?


そんなこんなで寿司屋がついに悪の仮面ライダーになりました。そのへんの展開はまあいいとして。以下ウェットな話。

東映公式で相馬の紹介してるとこ、重ねて「酸いも甘いも」とか「さまざまな経験を」とか書いてあって、いろいろあったという含みが込められすぎている……と思いました。込めずにはいられなかったのか。
彼について私が知っているのは、かつていくつかの公演を急病で降板していたこと、その後いつの間にか事務所を辞めてたことくらい。あと写真集持ってる程度で笑、正統なファンではないです。私も彼の芝居を生で観る機会が一度あったんだけど、そのときも病気で出演しなかったからお会いしてない。体力勝負のお仕事だし、若いうちにやめちゃうんじゃないかと思ってたから、フリーになってまで続けてることに失礼ながら驚いた。降板と治療をくり返しながらもずっとがんばってたんですね。
セイバーのキャストブログで、自分のブログと同じように「お相手は私、相馬圭祐でした。」とわざわざ書いてくれたのを目にして、なんか言葉にできない感慨がこみ上げました。うん、なにか書こうといろいろがんばったけどなにもしっくりこなかったから「言葉にできない」でいいわ。

マスターロゴス、正直なんかよくわかんないキャラだしカオス展開の中心ではあるけど、相馬が最初から全開で楽しんでるのは伝わってくるから、それでわりとどうでもよくなってる部分はあります。12年ぶりに変身できてよかったねって素直に思います。あとレギュラーとしてみんなと仲良くしてるのもうれしい。

三上真史や唐橋充みたいなアラフォー世代だと、とっくにスタンスも決まってるし家庭もあるしとくに心配することもないんですけど(本人の生活と精神が安定するという意味で推しの結婚は歓迎するほうです)、逆に20代でSNSや動画をフル活用して自己アピールできてる子たちも心配してないんだけど、一人で迷うことも多いだろうアラサーあたりは画面で見るとホントに安心する。とくに今舞台に立つ機会も減ってるだろうし。

いろいろあるけど、まずは相馬のために、それから懐かしい顔ぶれのために、そして今回出会った幾人もの有望な若手のために、セイバーは最終回までおつき合いします。
ま、最後だけでもちゃんとしてほしいけどね!! ゴーストやウィザードみたく映画で巻き返すという選択肢が消えたからね!!(おのれ50周年……)