テン・ゴーカイジャー(感想+SS)
ハトプリがトロプリ映画に登場し、オーズの新作公開も発表され、10年という歳月をギッチギチに噛みしめています。奥歯がすり減りそう。
最初住んでるとこの上映情報が出てなくて、勢いで舞台挨拶のライビュに行ったんですけど……(※ちゃんと上映されました)
キャストたちはなんだかんだあちこちで見るから10年ぶりだね!という気もしなくて。
動いてる中澤監督がいっちばんかわいかったです!! 小動物みがある。10年前はサングラスかけてたってキャストがパンフで言ってて、精いっぱい怖く見せてたんだね……としみじみしました。
内容は各メディアに出てるとおりです。舞台挨拶とかってその日のうちに記事になるからレポの必要性を感じないよね。
あ、劇場であきらかに10歳未満のボーイがマベの格好してるの見かけて(たぶんフルコーデ)、英才教育でここまで来た子がいるんだ……!と感動しました。
EDが「スーパー戦隊ヒーローゲッター」のここ10年追加バージョンだったんですけど。
「忍びなれどもニンニンジャー」とか言うのかな、コンセプトとストーリーとどっちかな、とか楽しく予想してたんですが。実際は全部見終わった段階で曲なんか聴いてる余裕なかった精神的に!
2回目で気づいたんですが、従来パートはバックが過去映像で、追加部分が今回の新録映像なんですよね。視覚情報だけでもキャパやばいのに、耳までついていかないよ!
ちなみに「親子三代ニンニンジャー」でした。「ソウルをひとつにリュウソウジャー」くらいしか入ってこなかった……
ということで、本編感想と、記念SS。
もちろん感想のほうが長いです。
どっちも思いきりネタバレなので、観る予定の人は観たあとでどうぞ!!
ホントに!! まっさらな気持ちで観てほしい!!
テン・ゴーカイジャー。
めちゃくちゃ「シン」を意識したロゴだけど無関係です念のため。
10年後、今は解散して個別に活動している海賊たちの話。
なんですが……
時系列がわからない!!
4年前に鎧が地球に帰り、そのあと国防省に協力する、というのはわかった。
そしてわりとそのあとすぐにガレオンが沈んで5人がバラバラになってるはず。でないと敵の計画と整合が取れない。
てことは、6人はホントに4年間会ってなかったということになる。
ガレオンが沈んだときにはマベしかいないけど、その時点で解散はしてない。4人はナビィ連れて買い出しにでも行ってたのかな?
……という、「このあと私は二次創作をしなければならないので」系オタクとしては明示してほしい点がたくさんあったんですけど、まあ端的に言えば最高でしたよ。最&高でしたよ。
見た目の話をしてしまうと、全員童顔なのでそんなに老けた人はいないんですよね。まあまだアラサーだし、というのもあるし。いろんな要素が重なって、目に見えるほど残念な変化はなかった。
鎧はね、5年前に「大きくなる瞬間」を目撃していたにも関わらず(西田シャトナーに改造された回)、大きくなったなあ……って思いましたけど。池田純矢じゃなく鎧として見るとやっぱりぎょっとする笑
あと真央ちゃん。昔はかわいかったのに、今はめちゃくちゃ美人になってますね。昔のルカが好きだったので2年くらい前にルカとして出たときにすごく痩せてたのが違和感だったんだけど、10年経って大人の女になったのよ、ってお出しされると受け入れてしまう……
んでまあ、あの世界でも10年生きてきた6人が、全く変わらずにやってくるわけですよ。
さすがに6人全員まんべんなく絡むってことはできなかったので、マーベラス主体ではあったけど。それ以外だとハカセと鎧で、ルカとアイムは戦闘シーンくらいかな。
鎧はずっと騒がしいし、ハカセはヤラレつつも頭脳派だし、ルカはどこまでも態度でかいし、アイムはおっとりちゃっかりだし、ジョーはマベ一筋だし、マベはずっとニヤニヤしてるし、ナビィも適当なことばっかり言ってるし。
ゴーカイジャーってマーベラスのハーレムなんだよなと改めて思いました。ルカに踏まれて、アイムにかわいがられて、鎧に縋られて、ハカセに文句言われて、ジョーに全肯定されて、ナビィに懐かれて、「悪い気しねえな」って顔のマベを観てるのがこっちもすごく幸せ笑
そうそう、これがゴーカイジャーなんだよ、というのをこれでもかと見せられて、参りましたという感じで。
他の戦隊よりも「全員で食って全員で寝てる」印象が強いんですが、オチをムリヤリでもそこに持ってきてくれたのもうれしかったです。同居戦隊でもなかなか全員で寝こけないよ? そんで赤青・黄桃・銀緑の組み合わせでくつろぐんだよやつらは。
うん……いろいろ前置きしてきたけど、インパクトとしてはさ……
ジョーがびっくりするほどマーベラス本位なままだった。
知ってたけど。知ってたけどー!!(海に向かって)
燃えるガレオンの前から番犬のように離れず、迷う鎧に「俺の知っているマーベラスはもっと大きな男だ」と語り、眼帯のマーベラスに「俺がおまえの左目になる」と言ってのけ、最後のちゃんちゃん♪的なオチでも全部を受け入れてマベの隣でカレー食ってる、って行動原理が一貫しすぎててすごい。
ジョーはずーっと「俺の理想」をマーベラスに押しつけたまま生きてきて、マーベラスもそれを否定せずニヤニヤ受け止めてるっていう図式がもうさ……「変わらない」という事実を新規エピソードとして提供していただけるなんて、なんていうか本当にありがとうございます、ありがとうございます 。
ガレオンの前にいる場面は時系列的に4年前と考えるのが妥当なんだろうけど、全員が去っても最後まで船の前に残るのはたしかにジョーだよね。マベがいないとなったらマベの代わりにガレオンの最期を見届ける。
あの場面にどういう意味があるのかはいろいろ意見分かれると思うけど(船の後始末を任されたとか)、ジョーなりの執着の表現なのかなって。他のメンバーだって名残りは惜しいけど切り替えて次いこう!ってタイプだから、あそこはジョー以外ではありえないんだろうな。
わたくし公には認めてないんですけどONE-PIECEはたぶんゾロルなんです(なんだよ公って)
普段ゾロはノーマークだから油断してると、ここぞというところでルフィ第一主義を見せてくるので侮れない。おまえいつから……!?ってもうそれこそ10年くらい言ってる。
ゾロもルフィに「俺の船長はこうあるべき」って言ってくるタイプで、その押しつけがルフィを動かすのを見ると何度でもヒィッてなります。あとゾロのルフィ至上主義ってルフィ本人の知らないところで発揮されるの、ホントどうかと思う。
でも公にはキッド海賊団推しだから(公ってどこだよ)
船長側には押しつけられてるとか動かされてるって自覚がないとこがさあ……ジョーにもゾロにも自覚はないんだけど……だれも不幸にならないすれ違い、大好きです!!
こっからは個人的な妄想なので、的外れ上等なんですが。
荒川さんって、ものすごい光属性だからいつもちゃんとハッピーエンドなんだけど、今回の話で「肉体の欠損(損傷)を以て絆を表現する」人なのかもって思ったんですよ。敵味方男女問わず。現場の演出じゃなくちゃんとストーリーや台詞に入れ込んでくる印象。
ルパパトのゲスト脚本で強烈に覚えてるのが、魁透話の「自分もろとも相手を撃つ」場面と、うみつか話の「腕一本なくしても恨みっこなし」っていう台詞。香村さんがわりとメンタル方面でじわじわ削ってくるのに対して、いきなり肉体を削る方向。
バスコとの最終決戦でも、マベは自分ごとバスコの足を貫くわけで。そもそもマベがジョーの首輪を外すとき、ONE-PIECEみたいにひょいっといくんじゃなく、二人で同じダメージ受けてなんとか外してる。マベバスもマベジョも、言葉で語られるより強烈に関係性は伝わった、たしかに。
眼帯はPの希望だったのかな? でもパンフの脚本家インタで「最初は義足を提案した」って言ってて、ビジュアルはどうあれマベの欠損をジョーに補わせるって流れは、この人の中で確定だったんだな……って思いました。勝手に。
発想がね、比翼連理なのよね……私の中にはない要素なので、これを機に見習っていきたいです。
トータルの作戦を立てたのはハカセとルカなんでしょうね。ルカが全部仕切ってる感あるけど。
ルカの「うっさいバーカ!」は「派手にいくぜ!」並みの決めゼリフだし、マベとハカセは要所要所でちゃんとどつかれてほしい。そういうニーズを完全に理解したルカさまでした。
カプというよりは単純に好きな組み合わせがマベとルカでね……2年前に二人で来たときの、他戦隊の「なんであのレッド、イエローに踏まれてるの」みたいな視線をものともしないルカさまやりたい放題に、ものすごくテンション上がったクチなので。
ルカに踏まれたり罵られたりしても、わりとまんざらでもないように見えるんですよねマーベラス……あれがルカの超ツンデレ愛情表現だと思うし、マベもそこに愛を感じてると思うので、今後も折に触れて踏まれてほしいです。
今回、アイムがいちばん海賊っぽいんだよなあ……宝路をたぶらかして、お宝盗んで、敵からキャプテン奪還して、レンジャーキー活用しての戦闘もがっつり多め。
全員がバラバラになったということはアイムも当然一人で4年過ごしてきたんだろうけど、もうぜんぜん不安じゃないもの。したたかにあの笑顔で銃ぶっ放して生き抜いてきたんだろうなあって思えるもの。
なんかこう、初期の「海賊たちに守られてるお姫さま」からいちばん遠くまで来たなってしみじみしました。
ハカセだけあんまりマベと絡んでなかったけど、今回は仕方ないかな。尺足りないもんな。
この世界って治安が悪いから、わりと軽率に「痛めつけられる」描写があるけど、ハカセだと重く見えないの本当にすごいなって……いや、時間経過考えるとけっこう長いこと軽くない暴行を受けてるはずなのに。普通ならあのガタイの敵を前にしたらもうダメだってこっちが思ってしまうのに、ハカセはそういう気配すらない。イメージってすごいな。
鎧があいかわらず懐いててニコニコしました。ハカセをドンさんと呼んで崇めてくれるのは鎧だけだから……
その鎧がね、地球に戻ってたってちょっと不思議だったんですけど。
そもそも最終回で、鎧が海賊として地球を離れるのが不思議だったんだそういえば。スーパー戦隊のいる地球に残る、ONE-PIECEでいうとビビ王女のポジションだと思ってたので意外だった。
そこから考えると、むしろ船を下りたのは自然な選択だったのかも。海賊団を抜けるというよりは里帰り的なノリで離れたんでしょう。
海賊たちはしばらく地球にいる流れになったので、鎧としては皆さんといっしょにいられてOKだけど、じゃあまた旅に出るぜってなったら選択を迫られるかも。今度こそ残るかな。
もうこれ以上のストーリーは提供されないしこちらもいらないので、今後の彼らについてはご想像にお任せしますってことなんだと思います。
6人以外のとこ。
とりあえず、メタルに依存しすぎだろう……吉田メタルという素材に頼りすぎてるだろう!とは思いましたよね。たしかにそのまま宇宙人できちゃうけど、ガワくらい作ってあげて。
松本親善大使と細貝氏は「ゴーカイジャー10周年の場にはいなければならないのであえて役を作りました」というやつですね。あとセキトモも。
たしかに、ここでバスコは出してほしくないんだわ。ゼンカイジャーとかならペロッと出てきても痛くもかゆくもないけど(なおテンションは上がらない)、ゴーカイジャーの続編には出ちゃいけないんだわ。そのへん、今回の制作陣はよくわかってる。
なので、この立ち位置でよかったと思います。
あとスーアクさん勢揃い。単純にレアですごいですよね。
ジュウオウレッドになったゴーカイレッドがものすごく逞しくて、そっか普通はそうなるね……ってなりました。あとマベ声の「よっしゃラッキー!」はアウトだなって。ラッキーだからかわいかったのであって、キャプテンがやるとなんかすごく違法なやつっぽくなる。
リュウソウレッドとルパンレッドの女子バージョンはキュンとしましたが、キラメイレッドがほとんどイメージ変わらなくて、充瑠の女子力……って思いました。
「この星に守る価値はあるのか」のくだりは単純にグッときました。たぶん本編知らなくてもエモいと思う、そういう脚本と演出と芝居。
10年経つと中学生も大人になるんだよ。そんでキャプテンの声もめちゃくちゃ低く野太くなるんだよ。
本編オマージュとかとにかくイロイロてんこ盛りだったんですけどキリがないのでこのへんで。
円盤、買うつもりなんだけどガレオンキーはかさばるからいらないんだよなあ……
次のページに、「蛇足ながら」的なマーベラスとジョーの話があります。
ホントね、二次創作なんかいらないと思うんだ。アレを見せつけられただけで成仏してるんだ実際は。
全部終わった後の二人を、奇をてらわずベタに。いつもどおり上下は決めてません。細かいことには、うっさいバーカ!の精神でいきたいですね。