零/ジャック
戦闘妖精雪風:深井零/ジェイムズ・ブッカー
KISS KISS
キスをする。
何度も何度も、キスをする。
頬に、肩に、首に。
声こそ立てないが、彼は身をよじらせてその唇に応える。楽しんでいるのだろう、と筋肉の動きから感じる。頭を抱え込まれているから、表情は見えない。見ても仕方がない。
「はぁ……っ」
小さな吐息が耳をくすぐった。
熱い。無表情な白皙に、ほんのりと赤みが差しているころだ。
気をよくして、たった今、舌先でつついた場所……胸の突起を、強く吸い上げる。
抱きすくめた腕の下で、細い背中や腰がくねるのがわかる。
彼はもう一度、今度は苛立たしげに息を吐き出して、腰を押しつけてきた。ジーンズ越しに当たるそれは互いにまだ硬さを持ってはいないが、じんわりと疼きはじめている。
「……零?」
顔を上げて、彼の腕の中からその表情を窺えば、不機嫌そのものといったしかめ面がこちらを見下ろす。だがこの行為がいやなわけではない、と知っているから気にはならない。強いて言えば、この緩慢な戯れがじれったいだけなのだ。
「もっと……ほしい」
その漠然とした要求に応えられるのは自分だけなのだというかすかな優越感を無視して、彼をソファに押し倒す。
胸や腹に口づけながら、ジーンズの前を開けてやると、ねだるように腰が揺れた。
彼が望むままに、望む場所に、キスをする。
唇で触れ、舌を這わせ、唾液で濡らし、優しく歯を立て……何度も、何度も。
「ぁ……」
細い指でブロンドをかきまわし、彼は息だけで喘いだ。
「っ、ジャック……ッ!」
そろそろ限界だと訴えてくるから、もうかなり濡れている先端を吸い上げようとした。だがまさにその瞬間、ぐいっと頭を押されて口が離れる。
「うわ……っ」
のっそりと起き上がった彼は、正面から精液を浴びた顔を見て、一瞬噴き出しそうな表情で口元をゆがめた。満足げに見えるのが腹立たしい。
「おまえは……」
睨みつけてやると、自分の袖口で乱暴に拭いはじめる。きれいにする気があるのかどうかは疑問だったが。
「どうしてこんな……」
「だって、キスが不味くなるじゃないか」
彼は平然とそう言いきって、唇を重ねてきた。
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