零/ジャック
戦闘妖精雪風:深井零/ジェイムズ・ブッカー
THE FUCK
手加減も愛撫もなく、ただ乱暴に突き上げられる。
受け入れる側としては痛みのほうが大きいが、それでも欲は刺激されていた。黒く柔らかな髪を乱して切なげに喘ぐ、美しい白皙を眺めるだけで。
その表情に、ひときわ艶めかしく淫らな色が差したとき、彼はその熱を弾けさせる。
「ぁあ……っ!」
身体がのけぞり、離れていく。しがみつくひますらなかった。
こちらが見上げる視線も気にする様子はなく、彼は余韻に身を任せて放心している。
「零……」
名を呼ぶと、初めてこちらの存在に気づいたように目の焦点が合った。真っ黒な瞳の奥を覗き込み、苦笑いを浮かべてみても、その表情は変わらない。
「……おれを置いていくなよ」
彼は首を動かし、放置されている熱の中心に目を留める。
「わかった」
笑みを浮かべるわけでもなく、なにかしら羞恥の態度をとるわけでもなく、彼はただうなずいた。
指令を受ける兵士のようだ、と思いかけ、それが逆だと初めて気づく。たとえ制服を着ていても、彼は軍人用の顔を作ることなどない。どんな場でも、どんな相手でも、彼の顔は常にひとつ。ただ、その表情のバリエーションを知っているのが自分だけだという、それだけのことだ。
彼は見下ろした屹立に、濡れたままの自身を押しつけた。
「…………っ」
一定のリズムで濡れた音が上がるたび、二人の唇からこぼれる吐息が重なって、彼のそれが再び硬さを取りもどしはじめる。
ゆるやかな、だが確実な快感に身を委ねていたのだが、彼は唐突に身を離した。そして、たった今犯したばかりの後ろへ、新たな熱をねじ込もうと押し当ててくる。二度目にはもう、ろくな準備などしない男だ。
「おいっ、零……」
抗議は、まっすぐな視線で遮られた。
「あんたの中で、イきたい」
呟いた声は無表情ではなく、苛立ちと懇願が込められていて。
他のだれにも見せないその顔は、これから抱かれるかのような不安と期待をたたえていた。
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