るろ剣トーク。

微妙に時期を外した気もしますが……(笑)
続編決まったそうで、蒼紫も出るそうで、とりあえず素直にばんざーいしておきます。
イロイロ言おうと思えば言えるけどキリないですからね。
佐藤健心はすごいツボったし、他のキャストも画面の感じも好きなので、なんにも起きなかったらまた思いっきり楽しめるんじゃないかなあと。
志々雄はほら、顏見えないから(笑)。また「演りすぎ」てくれることを期待してます。
そんなタイミングで、たまたま本屋で見つけてそのまま連れ帰ったキネマ版。
映画公開時に連載始まったのは知ってたんだけど、単行本になってるのは知らなかった。
るろうに剣心─特筆版─ 上巻 (ジャンプコミックス)
るろうに剣心─特筆版─ 上巻 (ジャンプコミックス)
るろうに剣心─特筆版─ 下巻 (ジャンプコミックス)
るろうに剣心─特筆版─ 下巻 (ジャンプコミックス)
ということで、キネマ版の感想。
実写映画の話も混じるんでカテゴリどうしよう……と思ったけどまあマンガの話ってことで。


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Amazonのレビューがあまりに評価低くて「そこまで!?」と思ってしまいました。
いや……私はけっこうありだと思ったけどな。
個人的には、びっくりするくらい「マンガ」が巧くなってて、「正しいマンガの作り方」を見せられた感じっていうか。「るろうに剣心の正解答」とでもいうべきか。
つまりオリジナルってものすごい荒削りな作品だったんだと再認識したんですが、その勢いとか熱量とかが多くのファンを惹きつけていたんでしょうね。私も、こんなにスマートなマンガだったらあんなに盛り上がらなかったかも。
たしかに勢いはないし見ようによってはダイジェストっぽいんだけど、でも下巻まで通して読むとものすごくきちんと再構成してあって、当時気が回らなかったであろうところまでフォローしてあって、作者の言う「パラレル」以上の作品になってると思います。
私がオリジナルを100%愛してるわけでもなくて、アニメに至っては完全スルーしたくせに、実写映画バンザイ!というわりとふまじめなファンだからかもしれませんが(まあ私がマジメなファンだったことは作品問わず一度たりともないのですが)。
こんなのるろ剣じゃない、という意見もおかしくはないと思います。別物なのは事実なので。
でも、あちこちに散りばめられてる相当量のフリートークを隅々まで読んで、変わってないなこの人……とちょっと安心しました(笑)。良くも悪くも几帳面なんだよ。メディア展開でパチンコだけ許可出さなかったってあたりに性格出てるもの。
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全体的な印象は「実写映画のコミカライズ」に近いです。実写シナリオの没案がベースだそうなのでこれは納得。でもキャラも、なんとなく実写キャストの雰囲気に寄ってる気がする。
剣心は断然かっこよくなりました。
抜刀斎とのオンオフが自然になってて、凄みが増したぶん言ってることも説得力がある。実写映画で使われてた斎藤さんのかっこいいセリフもこっそり織り交ぜられたりしてて。この剣心なら惚れるわー(笑)。
薫もこっちのほうがかわいくて好み。ストーリーもだけど、うまいこと軌道修正したなって感じがしました。ま、オリジナルの薫があんまり好きじゃなかったからですけどね(笑)。
弥彦・佐之助・燕ちゃん・妙さんは、設定が変わってもキャラが変わってないのでそこまでの違和感もなく。
悪役の観流・刃衛・外印あたりは、うまいことキャラを変えてて純粋に作者が培ってきた「技巧」を楽しめました。蒼紫を入れなかったのは映画の関係もあるかもしれないけど、ちょっと手に余りそうだから成功だと思います。
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でまあ、しつこいようですが私はるろ剣ファンというより斎藤さんファンでして(笑)。
キャラはともかくビジュアルが、なんとなく描きづらそうっていうか、でも連載時も終盤はこうだったよね……あの鋭利なタッチをもう再現できないんだなっていう歯がゆさは未だにあります。そこだけファンとして残念といえば残念。
でもキャラ的には、基本ベースを変えずに細部を掘り下げてくれた感じで、そこはありがとう!と思いました。
回想の新選組時代ではちゃんと若造っぽくなってる! そこに感動!(笑)
オリジナルの斎藤さんには、なにもかも超越したキャラっていうイメージがあって、だから当時は斎藤絡みのやおいが好き嫌いじゃなくイメージに合わなくて、なーんか萌えを昇華しきれずにいたんですけど、この斎藤さんならイケる(笑)。
こっちの斎藤さんは、もちろん渋さはそのままだけど、ちゃんと血が通って歳を重ねて大人になった感じの渋さで、しかも余計な寄り道しないぶん剣心のことだけ考えてて(笑)、そこも実写の影響かなってちょっと思いました。
で、タバコとマッチが箱までしっかり描いてあって本人も舶来物とか言ってて、感無量(笑)。
リアルタイム当時、明治初期に日本で出回ったタバコとマッチの銘柄をすっごい調べまくったのもいい思い出です。たしかにね、資料が全くなくてね……えらいぞ和月(上から)。
でもまあたしかにね、最初から絵柄もキャラもこっちだったら、どうでもいいことを必死に調べるほどはハマらなかったと思いますよ。大人になると、クオリティ重視とかえらそうなこと言っちゃうけど、最終的判断は恋に落ちるのとおんなじで技巧や理屈じゃないのだね……
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前日譚にもなってる第零幕は、ものすごく「るろうに剣心」でした。
リアルタイムで読み切りデビュー読んで「なにこれすっごいおもしろい!」って騒いだ中学生の自分を思い出すくらいには(笑)。
そっかあ、あれからそんなに経ったかあ(じっと手を見る)