会津パンク娘。

あのワイルドな軍装でひざをつく八重さんを見るたび、「尚之助さま! ヨメがナマ足出しておりやすよ!」と叫んでしまいます。お殿さまの前でもひざ出してたよあの子。パンクだよね。でも百発百中のスナイパーだから許す。
鶴ヶ城の開城で、やっと一段落ですね。
なんだかんだと鳥羽伏見のあたりから手に汗握って観ておりやした。
毎週泣きそうになりながら、でもやめようとは思わなかったんだよねえ。引力だよねえ。
最初のほうは、月イチくらいでなんとか追っかけてる感じだったんですけど。いつのまにか毎週必ずテレビの前に座るようになってました。清盛と同じパターン
噂によると去年に引きつづき視聴率が振るわないそうですが、個人的には好みのタイプの大河を二年連続で観られたのは幸運なことだと思います。
来年は……ナレーションがタニショーだったら観ようかな……
てことで総括的に感想書いてたら異常に長くなったので、夏休み中の方だけどうぞ(笑)。
とりあえず手放しに褒めてます。ゆえにあまりおもしろくはないです。


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萌え的には、
尚之助さま×あんつぁま(江戸~居候の頃)
斎藤×あんつぁま(京都守護職の頃)
容保公×修理(オールウェイズ死が二人を分かつまで)

あたりが推しでして、自分でもちょっとできないかなあと思ったこともあるのですが、いかんせん会津弁の壁が……orz
城下町同士で雰囲気に通ずるところがあるのか、どうしても盛岡弁と混ざってしまって脳内再生時にごっちゃになります。わだしも鉄砲さ撃ちてえのでぁんす。
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まだちゃんと観てなかったころ、「八重の桜」展の招待券をもらったので行ってきまして。
一年分のネタバレだ!(笑)と思いながらあれこれ予習してきました。
その中でいちばん気になったのが、「尚之助との別れは離縁であり、しかも時期や理由など詳細は不明」ということ。我々の言語で言うと「捏造妄想自由!」というやつです。
ほほう、コレは制作陣の腕の見せどころですな……とかなり楽しみにしていたのですが。
二人のラブラブっぷりは戦場に於いてさえ周囲など気にしないレベルで(煤まみれで仲良く軍略練ってる夫婦はあいつらくらいです)、いやムリでしょ別れられないでしょ、まさか尚之助さま史実ぶっちぎって死亡フラグ……?とかあれこれ気を揉んでおりました。
それなのにもう……ずるいわ尚之助さま……
頭のいい尚之助さまのことですから、八重さんを置いていく策略なんか前の晩までにいくらでも考えついたはずなんです。でも尚之助さまは最後まで八重さんの気持ちを尊重して、妻ではなく同志として見ようとしていたんですよね。
それなのに、土壇場で祝言のことを思い出して(八重が自分で言ったんだけど)、ギリギリのところで揺らいでたのがやっぱり八重さんは私の妻です!って振り切れたのかと思うと……もうキュン死にどころじゃない。
大蔵さまも秋月さまもわかってる表情が切なかった。みんな八重の働きを認めてはいたけど、それとは別の感情で置いていきたかっただろうしね。
冷静に考えると、あの方法で八重さんを救えるかという疑問もなくはないのですが、まあ新政府軍の人格を信じて、尚之助さまのパッション重視ということで……
はー、わかってたとはいえ、ちょっとツライなあ……
尚之助さまにプロポーズされて「いやでごぜえやす!」って逃げる八重さんがすごいツボで。そんで祝言の時に酔い潰れて(潰されて)ふにゃふにゃになってる尚之助さまもかわいくて。
あと八重が何かやらかすたびにヒヤヒヤを隠さない顔で見つめる尚之助さまとか、八重さんがおとっつぁまに怒られておとなしくしてるのに気づいて「私は鉄砲撃ちまくるパンクな八重さんが好きなんですよ!」とキレる尚之助さまとか、二人きりで抱き合ってると若干「あやせはるかぐへへ」みたいな顔してる尚之助さまとか、とにかくこの夫婦が大好きなので!(後半おかしい)
うまくジョーに気持ちを切り替えられるような展開を期待します。
ところで、うっかり尚之助v八重のドキドキ二人旅☆の回を見逃しておりましてね……会津戦争に向けてかなりの伏線が張られた話のようなので、あとでなんとか補完したいと思っておりやす。
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ところでたぶん関東ローカルだと思うんだけど、エネファームのCMがツボです。
→ttp://home.tokyo-gas.co.jp/enefarm_special/cm/guitar.html
かなり尚之助さま寄りなハセガワさんが、なぜか「デンキ」ウナギイヌとラブラブ同居しているという謎のシチュ。
ちょっとSっぽくデンキウナギイヌを調教しているハセガワさんと、そんなハセガワさんにメロメロでされるがままのデンキウナギイヌ……なんだ、なにがどうしてそうなった。ギター弾きながらテキトー極まりない歌を歌うハセガワさんもステキです。
ずっと言ってるんですが、デンキウナギ八重が「尚之助さま、わだすのココにコンセント差してくなんしょ…あんっv」っていう薄い本(18禁)が読みたいです。ハセガワさんにはステキ総攻めの匂いがする。くんかくんか。
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言いたいことは山ほどあるけどとりあえず、会津からいこうかな。
もうね……元凶は松平容保公ですよ。
だって愛らしいもの! ちっちゃくてかわいくて、なのに男前で優しくて、みんながみんな、この人についていこうって、この人のためなら死ねるって思っちゃうもの!! なんかいつもぷるぷるしてて(状況的に)目がうるうるしてて(状況的に)、小動物みたいでほっとけません。
でかくていつも横に控えてる修理がいなくなってからはとくに……殿を一人にしちゃなんねえ!って思わせるオーラが出てます。容保公ヤバイ。
開城のとき殿が、自分は死んでもみんなは生きろって言う。それに対して八重が、お殿さまも生きてほしい!ってみんなを代弁して言う。もうね、あの瞬間私も、殿が生きてくれるなら私も命を賭けやす!ていう気分になったものね。
今回の籠城戦は約一ヶ月で、放映期間も一ヶ月だったそうですね。
会津のみんなと同じ期間、こっちもおつき合いしたってことなんだ。なんとなく白虎隊が腹切って終わり、みたいなイメージしかなかったので、どこの戦いもひとつひとつ重くて、会津の苦しさとか新政府軍の怖さとか、とても丁寧に説明してもらった感じです。
白虎隊に関してはヘタに美しく散られてもやだなあって思ってたんですけど。みんなで泣きながら、死ぬなって言えないまま、集団トランス状態で死んでいった少年たちの悲痛さが、苦しいけどよくやってくれたと思いました。どういう理由であれ、彼らは死ぬ必要なんかなかったんですよ、っていうメッセージはぶれちゃいかんと思うのでね。
ドラマ全体のスタンスとして、一介の武家の娘でしかない八重がむりやり話に絡んでこないのも好感度高いのです。
最初は、八重出てないパートのほうがおもしろいなあとか思ってたんですが、ドラマが動いてるのはそっちだから当然なんですよね。
でもちゃんと観てると、維新前後の大きな動きとなんの力もない一個人の対比がちゃんと描かれてる。大河って、偉人がやってきたことを追うものなのに、なにもできない状態をあえてフォーカスしていくってすごく思いきったなと思う。
これで八重が京都や長崎に顏出してたら台なしだったでしょう。「江」は見てないけど、それで失敗したみたいな話は聞いてるので。
「ならぬことはならぬ」「おなごが銃など……」って言われつづけてきたから、非常時の最終兵器八重が活きてくるわけで。いろんな伏線を丁寧に張ってきたから、三郎の服を着て鉄砲隊の指揮を執り、容保公に直接もの申すくだりが唐突じゃないわけで。
(三郎の服を着て鉄砲で戦い、三郎として男たちと謹慎しようとした、容保公の前で砲弾の仕組みを説明したのは史実だそうです)
ただし、いっこだけ引っかかってるのが頼母さま。
頼母さまってホントは、修理やあんつぁまと同世代なんだそうです。でもドラマの中では最古参の家老ということになってる。この意図がどうにもわからなくてね……
明治まで生き残る方なので、いったいどうするつもりでにしださんをキャスティングしたのか、未だにわかりません。もちろん福島の人を入れたかったのはわかるんだけど、他にも年齢的に合いそうな役はあったはずだし。
大したことじゃないのかもしれないけど、今後整合性がとれなくなるんじゃないかと、そのへんが不安でね……ヒストリアで言い訳したからいいって話じゃないんですけど。
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会津といえば、新選組。
いや、なんといっても斎藤一ですよ。
ていうかちっさ! もちろん近藤さん(ドクター真木!)が大きいのもあるけど、だれよりもちっさい斎藤! そのミニ斎藤が「ひゅんっ」て感じで皆の横をすり抜けて後ろの敵を一太刀で倒すのが、マンガみたいでおもしろい。抜刀斎か。
ドラゴンアッシュは世代的にストライクなので「うん降矢くんね、かっこいいよね」とか思っていたのですが、こんなにちっちゃかったっけ?とびっくりしてしまいました。でもあのキツイ目つきとかすごいハマってる。役者初挑戦だそうですがぜんぜんそんなの感じないですね。キャスティングの人は神か。
感情の前に事実だけをぼーんと突きつけてくるセリフがぶっきらぼうでいいよね。それが会津で戦ってるうちに、だんだん気遣いができる顔になってくるんだよ。
時尾さんと同じ画面にいるともうキュンキュンしてたまらないので、早く結婚してしまえばいいと思います。ちっこくてかわいい夫婦じゃのう。
今回の新撰組は微妙な立ち位置でおもしろい。最初、会津藩にとっては言うこと聞かなくて頭痛の種なんだけど、終盤ではいっしょに戦う同志になってる。近藤も土方も、ちょっと会津に反抗的ではあったけど見せ場もちゃんとあったし。
別れ際の土方と斎藤の、「惚れた女でもできたのか」「はい。女ではなくてこの国です」のやりとりが好きです。斎藤ってさあ、ズバズバ言うけどそのぶん素直なんだよ……土方さんもたぶんそういうとこがかわいかったんだと思うよ……(余計なこと言った)
そういえば、もう出ないけどあの新選組の羽織の色が好きでした。
きれいとかじゃなく「野暮ったい浅葱色」ってこんな感じだったのかなって色で。田舎者の会津藩と新選組が都会人にバカにされながらも悪あがきして、そんで田舎者のまま追い出されていくっていう物語を感じさせる色でした。
と思ったら、龍馬伝で柘植さんが作られた衣装なんだそうですね。清盛一年見てきただけあってこちらも柘植色に慣らされちゃったということでしょうか(笑)。
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尊攘~新政府軍の皆さんは……
あのへんごっちゃになるので、幕×JAPANの曲を歌ってあらすじを確認。
サツマ・ハン・シエルがTOSHIとTAKA。公武合体。今回はきっかわの兄貴がいるほう。
サイコル・チョーシューがKOGOROとSUGI。攘夷 to the world。今回はミッチーがいるほう。
竜馬は今回いないから考えなくていい。
よし、ばっちり(なにが!?)。
会津もイケメン多いけど、長州は美形で薩摩と土佐は男前ばっかでズルイ……(笑)
とくに久坂と桂なんか「美しすぎる尊攘志士」でしょうアレ!
久坂は日ごろ路線バスで全国放浪してる姿しか見せてもらえないものですから(NHK的に)、役者としての実力を久々に再確認したし(笑)。
あとは「逃げの小五郎」がひたすら逃げまくったあげく、そのへんの女の子といっしょに泣いちゃうシーンがすごく好き。なんか、顔のわりに悪く見えないんだよなあ桂さん。
今回の西郷さん、ちょっと今までに見なかったレベルでかっこいいですよね。
勝先生が「とんでもない男を動かしちまった」っていうくらい不気味で頭脳派で、でもちゃんと義は通すんだ。だって武士だもの。のっそりもっさりしてるように見えて、行動は迅速で容赦なくて、服もいちばんオシャレだし(笑)。
維新後もあんつぁまとイロイロご縁があるようなので、今後の活躍も期待です。
会津攻めの大山と退助も、侵略者側なのに武士だよねえ。
もうちょっと悪く描かれても仕方ない立ち位置なのに。
もちろん新政府軍が丸腰の秋月さまをボッコにしたり、悪いことだっていっぱいしてます。さすがにいい人ばかりじゃない。だって戦争だからね。ただ、相対的に何かを貶める美化ではなく、双方の「人間」を美しく描こうとしてる気はする。
娘子隊と戦った新政府軍も、いちおう「女だから殺すのは忍びない、生け捕りにしろ」っていうスタンスだったし。そんで捕まった雪さまに対しても、武家の妻のプライドを尊重して自害を許すし。実際そんなきれいなもんじゃなかったとは思うんですが、雪が死ぬまでの流れの中に直接的な悪役は登場しないんですよ。
お城を明け渡すとき会津の女たちがぴっかぴかに磨いた廊下に、新政府軍は汚れた靴で上がりましたよね。でも、すぐに自分たちの足跡に気づく。新政府軍は確かに会津を土足で踏みにじったけど、ちゃんとその行為を自覚してるということですよ。
負けた会津の誇りも、勝った新政府の葛藤も、たったワンシーンでこんなにきれいに描けるのかと感心してしまいました。
イケメン枠ではないけど(笑)、岩倉具視のしたたかさが気になっております。
小汚い登場から大逆転して新政府のブレーンとして暗躍するって流れはぞくぞくする。会津には犠牲になってもらうと言いながら、失明したあんつぁまのところに興味本位で来てしまう身軽さとかも含め、今後もなにかやらかしそう。
このドラマでは、頭のいい人はものすごく客観的にというか合理的に動いていて、そのおかげで完全な悪役になり得ないんじゃないですかね。
そういえば、龍馬をあえて出さなかったのも巧い。後ろ姿で背中の家紋だけを見せて、薩長同盟成立しました、っていうのはすごくスマート。後藤象二郎や伊藤博文なんかも、本筋をぼやけさせてしまいそうな人はキャラを立てないっていう潔さが各所に見られます。
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忘れちゃいけない幕府側も。
とにかくかっこよかったのが勝先生!
生瀬さんなんか大河の常連なのに、毎回ちがうキャラで何度でもはっとさせてくれます。初登場とか惚れ惚れするような江戸弁で、もっさり西郷との対比がすばらしかった。でもそのあと西郷がもっさりじゃないことに気づいて後悔するんだけどね。開城までずっと、直接対立でもないのに勝vs西郷は緊張感がありました。
歯切れの良さで知性派を演出というのは、尚之助さまと同じパターンですね。
春嶽さまもかっこよかったなあ。きりっと正義!って感じで。また岩倉になんか言いに出てきてくれるのかしら。
そしてなんといっても慶喜公。
今後、彼以上の慶喜公を演じられる人は現れるのでしょうか。というくらいハマり役でした。
この役者さんってさわやか系の役がちょっとうさんくさくて好きじゃないなと思ってて、でも彼の本領はここだったんだと気づかされました。そうだよ、慶喜を演るために彼は政治家の家に生まれたんだよ!
生まれながらのエリートで、ボンボンかと思えばものすごく頭がいい。頭がよすぎて周りのバカさ加減にイライラしてるとこなんかすごくよかった(笑)。あれだけ頭がよくても動かせないのが幕末の政治だったのですね。
で、だれがどう見ても容保公をいじめてるんだけど、本人的にはたぶんいじめてる自覚もない。
「はぁ? この忙しい時に城下が火事になったから帰省したいとかなに言ってんの? 日本がヤバイんだよ、城下とかどうでもいいでしょ。いや帰らないよね、そんな無責任ありえないよね? だってオレが仕事してたら、おまえも仕事するのは当然だし」
っていうエリートおれさまルールで容保公をいびり抜く姿は、最低だし上司にもしたくないけど彼だから説得力だけはあるんです(笑)。
で、その頭の回転の速さで次々に変節して、いろんな責任を人になすりつけて、とくに未練もない江戸城を出ていくとき、最後にちょっとだけ会津の心配をしちゃうんだよね。でも今さらどうにもならないし、自分のキャラじゃないし、ってすぐに振り払うんだけど。
私、この慶喜すっごい好きです。たぶんこの先ずっと忘れないと思います(笑)。
容保をいじめ抜いた慶喜に対して、溺愛しちゃったのが孝明天皇。
だってお気に入りっぷりハンパないもの。最初の謁見なんか「イケメン……!」って感じの一目惚れにしか見えなかったし、禁門の変だって「容保が守ってくれるから動かないもん!」って感じだったし。容保公がお一人で夜の御所にお呼ばれしたときは、あああついに、いやそんな、それはいくらなんでも!みたいな気分になったし(バカ)。
自分の服の他に秘密のお手紙を送ったり形見分けまでしちゃって、どんだけ気に入ったのかと。まあそのおかげで容保公も恩義や責任感に縛りつけられて抜けられなくなっちゃって、会津の悲劇にもつながっていくので、どっちもどっちなんですが……
慶喜と孝明天皇に愛され(目をつけられ)ちゃった容保公が不幸だったのかもしれない。そんないらんことまで考えさせられる三角関係(違)でした。
ちなみに。
会津の降伏で終わった感じになってますが、この段階では庄内藩と盛岡藩はまだ戦ってるはずです。土方さんたちは仙台から箱館に向かってるはずです。会津だけじゃなくみんながんばってたんです。
でもそこにまでフォーカスしちゃったら会津がブレちゃうのはわかりきってることで、まあそのへんはご当地の方も目をつぶっていただきたいなと(笑)。
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大河含め、歴史モノってそんなに得意じゃありません。
でも清盛はちゃんと観てたし、八重も同じくらい盛り上がってる。なにが苦手なんだろう、というのが最近やっと見えてきました(遅)。
だれが主役でも、一方への贔屓が露骨に見えたときに引いちゃうみたいです。
竜馬伝は、観たらキャスト的にぜったいハマるから!と言い訳してあんまり観なかったんだけど、実はあまり視聴意欲がわかなかったというのが正直なところで。
フクヤマ龍馬が悪いのではなくて(フクヤマは好きですよ念のため)、構図がわかりやすすぎたというか、「こっちを良く描こうとしたらあっちが貶められた」パターンをちょいちょい見かけて、真剣に向き合う気がしなかったんですよね。
龍馬はかっこよかったし、中岡かわいかったし、土佐の皆さんの熱演も文句なしではあったんですけど、なんつーか、龍馬が好きか嫌いかというのが物語の中での善悪を分ける基準になってた気がしてね。
いろいろ目新しい部分はあったのかもしれないけど、大筋としては結局いつもどおり「龍馬というスーパーヒーローを称える物語」だったからスルーしちゃったのかも。
新選組!は、けっこうきっちり観た記憶があります。
三谷節全開でつまらないわけがない。というのもあるんだけど、三谷節っていうのはつまり、「群像劇で全員にきっちりフォーカスできる」「どんな偉人も人間くさい」「その人のいいところも悪いところも描く」ってことで、時に悪く描かれる山南も伊東も武田も薩長の皆さんも生々しいただの人間として、かっこよかったり抜けてたりしてました。
敵対はしてるけど相手が悪いわけじゃないんだよ、おれたちだって必死だから悪いこともするよ、っていうのが、言い訳なしにまっすぐ描かれてたからおもしろかったんだと思います。
今回の八重は、ヒーロー礼讃じゃなく真剣に歴史ドラマを描こうという気持ちが伝わってきます。
もちろん今までよく知られてなかったところに光を当てるわけですから、会津の皆さんはたぶん割増で良く描かれているのでしょう。
でも尊攘派(新政府軍)の人も、幕府側の人も、新選組も、奥羽列藩同盟も、貶められている人はほとんどいないんです。コレってすごいことです。純粋に捨て駒の悪役だったのは今のところ、仙台藩に暗殺された世良修蔵くらいじゃないでしょうか。
陰険な策略家も、頭の良さは肯定的に描かれてると思います。とくに役名がついて重要な人になればなるほど、単純な悪役ではなくなります。
去年の清盛が個人的にヒットだったのは、「平氏もいいけど、源氏もかっこいいよね、朝廷も目が離せないよね、こっちが主役のドラマも見たいよね!」と思えるほどフラットだったこと。八重も、各キャラクターにそれくらいの魅力があります。
こういうのってマジメにやろうとすればするほどわかりにくくなるし、複雑すぎるとか感情移入しづらいとかなんとか言われちゃうんでしょうね。
私の場合、わかりやすい悪と戦う変身ヒーローモノばっかり見てるので、歴史モノでも同じことやられると「いいから変身しろよ」って思ってしまうのかもしれない……
なんか、今回新政府側は悪役だからノらない……みたいな意見をネットとかで見るにつけ、そもそも悪役と決めてかかってるからちゃんと見てもいないんだな、西郷さんも桂さんも板垣さんもみんなかっこいいじゃん、イケメンだし!
って勝手に残念がってたんだけど、会津目線で見てる友人から「でもこれは描き方に関わらず、薩摩や長州の人はつらいと思うよ」と諭されて、そこがわからなかった私は単に鈍感なだけなんだと思えてきました。
いちおう東北びいきはするけど、でもそれってたぶん東北の外にいるからだし(笑)、冷静に自分のルーツとか考えたら西日本由来の開拓民だし、一点を自分に引き寄せる理由があんまりないっていうかね。
応援する側を決めずに観戦をはじめちゃうから、そういう愛郷心的な部分に鈍感になっていくんでしょうね。いちばん無神経なタイプなんだろうと思います。フラットであることにこだわらず、他の地域の人の気持ちも汲めるように……なれたらいいなあと今さら思いました。難しいね。
まあそんなことはさておき。
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ついに、予告にジョーが現れました。
七五三太(しめた)改め、ジョセフです!
開城の時点でまだ八重は尚之助さまと離縁してないはずなので、ジョーと出会う前にそのへんの始末もどうするのか、とにかく目が離せません。
あんつぁまや、西郷さんや桂さんたちの今後も気になります。今年も結局ラストまで見てしまうパターン……(笑)
清盛は後半けっこう雑な部分も多かったけど、八重はたぶんだいじょうぶだと信じてる!