気になる治部。

もちろん例の結婚についてはまだ許していませんが、それはそれとして(※堀北ファン)。
先日「服装の歴史的変遷がよくわからない」と友人諸氏に相談(?)したところ、「染織ならわかるんだけど」「仏像とその周辺なら」「火薬は任せとけ」などと非常に心強い返事をいただき、今回はなんにも全く役立てることができませんがいつかなにか成し遂げられるのではないかと漠然とした期待感だけを胸に抱きつつ、戦国エロに関する問題は解決していないままです。
とりあえず自分で整理したのもあって、肩衣なしの小袖姿が「ジャケットを脱いだYシャツ姿のリーマン」に見えてくるくらいには馴染んでまいりました。普段かっちりしてる人がやると萌えるよね。
あとこの時代の月代はたぶんまだ定番ではなくて「洗練された」「垢抜けている」イメージのような気がするんだけど、個人的には古い人間なので(百年単位で流行遅れ)総髪のほうが好きなのですよ。だから山奥の真田家がみんな剃らずにいるのは好感度高いです。


ミレディ叔父上:
てことで非常に遺憾なのでありますが、叔父上が月代に……あああ、もうスタイリッシュな徳川の家臣になってしまわれたのですね。牢屋から出されてヒゲといっしょに頭頂部も剃られてしまったのですね。
それでも心は兄上の弟なので(?)、兄上が「この城を攻めるには」とかどんなにバカなこと言っててもにこにこ笑って話を合わせてあげるんですね叔父上マジ優しい。
熱い佐吉:
うおおおおお佐吉ぃいいい!!(号泣)
みっちゃんはね! 三成っていうんだほんとはね! だけど殿下の前では自分のこと佐吉って呼ぶんだよ! 萌えるよね! みっちゃん!
……変な替え歌を熱唱するくらいに気持ちが入ってしまいました、三成覚悟の諫言シーン。しかも結局彼は事態を収拾できなかったっていう悲しい結末。
この人はずーっと、秀吉由来の無益な死が増えないように、なくすことは不可能だとしても自分ができる範囲で精いっぱい減らすために、だれに嫌われてもかまわず黙々と仕事をしてたんだってやっとわかってきました。権三のときだって実は清正を止められなかっただけなんだよね。秀吉に進言しようとする大谷さんを必死で止めたのも、源次郎が先走りそうになるたび叱るのも、二人を斬られたくなかっただけでさ。
その三成が、完全に手詰まりでもうどうしようもない、でも止めなきゃ!ってキレたのが「佐吉は正気でございます!」だったわけで。「石田治部ではなく秀吉さまにずっとお仕えしてきた佐吉」としての感情が噴き出しちゃったんだけど、よりによって素の自分の言葉は届かないって現実を突きつけられただけなのがすごい辛い。
これからずーっと、三成はこのポジションを自ら負っていくんだよねえきっと。わああ辛い。
対比として。
直江は本来の性格上、おやかたさまのためなら侵略だってどんな極悪非道なことだって良心の呵責もなくやってのけるんだけど、おやかたさまがそれを望まないから義に則った行動規範に自分を合わせつつ、無防備なおやかたさまを世界から守ろうとしてるんだと思う。
三成はたぶん心から太平の世を望んでいて、自分が仕えている秀吉がそれを成し遂げようとしていることに誇りを持ってるんだけど、秀吉のダークサイドにまで染まってはいないから、せめてダーク秀吉から秀吉自身を含めた世界を守るためにがんばってる。
無私隷属の精神は共通なのに結果としてどっちも本領発揮はできてないわけで、よく考えると切ないですねえ。
どんと大谷さん:
今回は書庫に生えてるだけじゃなかった! みっちゃんと経理の相談したりみんなで推理ごっこしたり平気な顔で首斬りを引き受けたり、機会さえあれば仕事できる人です大谷さん。
なんかなー、この人はきっちり大人だよなー。にこにこやり過ごしてるだけでもなくて間違ってることに対しては「ちょっと言ってくる!」って秀吉のとこ行こうとするし。秀吉のやばさをわかってないわけじゃないはずなのに、そこは黙ってられないんだね。
じゃあどんな不正も許さぬ潔癖キャラなのかといえば、潔癖なのは三成のほうで、大谷さんは大義のためなら多少のごまかしはむしろ進んでやるタイプだった。そりゃ源次郎と気が合うよね。そして年齢と経験の面で源次郎にはない度胸と冷静さがあるよね。
だからこそ、三成のことはめちゃくちゃ気にしてると思う。余裕がある大谷さんから見たらすごく危うい感じだもの。言わなくていいこと言って敵ばっかり作って、そんなんじゃ正しいことしてても報われないぞって思ってるし言ったこともあるかもしれない。スルーされただろうけど。
あの、ちょっとでいいんで、お仕事中でいいんで、時々みっちゃんのことぎゅっとしてよしよしってしてあげてください……見張りは源次郎がやりますんで!
古畑源次郎:
おまぬけ平野警部とのコンビが完全に探偵物のパロディで、狙ってやってんだろうなと思いました。最初は「戦国推理劇」とかで油断させておいて、いやこれは大河ドラマですよってひっくり返してくるのがズルイ。見事に術中にはまってる……
実は「真田幸村」のことを全くといっていいほど知らないので、この先がどうなるかっていうのは公式で最初から言ってる「豊臣側で兄と戦う」ってことしか認識してません。だから茶々とのことも含めて、今大坂でおっかない思いをしてる「だけ」の源次郎が、いったいどうやって自主的に真田丸を築いていくのか。気になるは気になるんですけど、他に目を奪われることが多すぎて、源次郎に気持ちを絞っていけない……(笑) ただ源次郎目線というのは徹底されているので、自然と源次郎を基準に敵味方を判別するようにはなってるよね。普通にやるとすごく単純になってしまう図式だから、ここでも技巧を感じます。
とりあえずは、きりちゃんが不足とは言わないけれど(満足とも言わないけれど)、三十郎に会えなくて地味に寂しいです。いつになったら源次郎と再会できるの。いつになったら主従でほっぺたぺちぺちできるの。
正社員佐助:
仮免の時はぜんぜんそんなことなかったのに、めずらしく感情を見せた免許皆伝忍者。
きっと昌幸パパが息子に全部の責任をなすりつけたことはわかってて、それに加えてパパに逆らえない信幸に対しても憤慨してたのかもしれない。佐助はいい子だよな……できればお兄ちゃんの側についていってほしいな……信繁には三十郎がいるから!
あんな人、こんな人:
大坂の陣でオフロスキーが参戦することが明らかになりましたね。わたくし彼がどんな役割の方を演じるのか全く存じ上げないのですが、たぶん「呼んだ?呼んだよね?」と歌い踊りながら信繁の前に現れ、「できないって?大丈夫できるできる!つもりだから!」と戦の仕方をつもりでレクチャーしてくれるのでしょう。ピンクのつなぎに裃つけて。……楽しみです。
それと、今回の門番にヨーロッパ企画がいたのですが、なんであんな過酷なポジションにあんな緊張感のない顔と声の役者連れてきたの……和みすぎるじゃないの。でも確かに本多が理由もなく磔にされる世界なんてあっちゃならないと思うので、秀吉の理不尽な恐怖を描くには適任……なのか……?
翌日「ことばドリル」で本多を見かけ、「おはなしのくに」で草刈パパを見かけ、なんともいえない気分になったことはちょっと脇に置いておくとしてもです。
上杉パートの時はおやかたさまをぎゅっとしたくなりましたが、今はみっちゃんをぎゅっとしてあげたいです。信幸の兄上はたぶん次回、義父上がぎゅっとしてくれると思います。娘じゃなくて。