マクベス!
ヤザキの。
行ってきましたよ! おされな原宿に!! 出かける前は昼間なのに暗くて雷とか鳴ってて「なにこれマクベス日和!」とかテンション上げてました(笑)。
今回は、物販で「兄さん」のCDとDVDを買うのがもうひとつの目的でもあったんですが。
後ろで若い女の子たちが「あ、コレ見た?」「いや、さすがにコレは見てない(笑)」っていうやりとりをしてて、「さすがにってどういうことだよ! しかも買ってる私の後ろで!」って笑いをこらえるのに必死でした。いやいや、兄さんナメたら鍋&るひま界隈じゃ乗り遅れるぜ。
てことで、マクベスです!
なぜ25歳のヤザキがマクベスなのか、なぜ脇はこの布陣なのか、なぜラフォーレなのか、そもそもなぜ今、るひまで直球シェイクスピアなのか。
見る前も見てる最中も見終わってからも、どっか腑に落ちてない部分がありまして。
結論から言うと、「あいわかった。そういうことならとことんおつき合いいたしましょうぞ」っていう感じなんだけど、そこにいくまでちょっとかかりました。
感想とかいろいろ思ったことは以下に。ムダに長いです。
ネタバレは……ネタバレっていうか、どストレートにマクベスだからね……
あ、予習はちゃんとしていきましたよ(笑)。
どうして今回に限って予習をきちんとしようと考えたかというと、このメンツだからきっとパロディまでいかなくてもちょっとひねってくるんだろうな、だったら原典知ってたほうが違いがわかって楽しめるよね、と思ったからなのでした。
いやいやストレートにシェイクスピアだったよ、というのを先に行ったお友だちから聞いて、逆にどんなだろう?と思って劇場に行ったら、劇場がもうしっかり劇場で(笑)。いや、天正や兄さんのときは、「ファッションショーをやる場所で芝居をしてるお遊び感」があったけど、今回は壁もしっかりあってセットもちゃんと組まれてて、まさに小屋に入ったような感覚でした。
で、芝居が始まった瞬間から、予習とか関係なく(笑)、ああ直球シェイクスピアでやる気だ、というのがわかって。そこからは2時間ひたすら本格芝居の世界で。最近コミックシアターとかなんちゃってミュージカルとか観てたから、久々すぎて新鮮でした。
おいしかったのはコバカツね。
いつもならサト兄さんあたりが持っていく「客席に絡んで笑いを取る」ポジションは文字通りの独壇場でしたよ。あの役、今回のキャスト陣ではたしかにコバカツにしかできなかったと思う。あの長身でダンカン王の迫力もあったし、お医者さんのときはマクベスに絡まれてお触りされてて(笑)、出番も見せ場も多めでした。
ていうか、WeLove兄さんの悪ムライのときも思ったけど、コバカツが着た衣装を小さな子に着せるのやめて! 必要以上にぶかぶかに見えちゃうから!!(ムライ→ロングコートがくるぶし丈に、ヤザキ→王のマントが引きずってた)
コケシは……コケシでした。いつも名前忘れる。でも好き(笑)。
公式ブログで「今回はコケシじゃない」って書いてあったのに、コケシのまんまでしたよ! おまえどんだけ前髪攻めてんだよ28歳!!
あ、さすがというか魔女はお上手でした。いっそコケシがマクベス夫人やればよかったのに。
大江戸のときから仲良しさんなコバカツとコケシに萌えてます。コケシ×コバカツです
とか言いつつ、うわー巧いわーって思ったのはマクベス夫人のまぶちさん。
夫人はたぶんダブル主役くらいの存在感なわけで、しかもこの舞台ではとくに二人の関係を軸にしてるわけで、迂闊な女優さんは連れてこられないと思うんですが、文句なしの怖くて美しくて哀しい、魅力的なマクベス夫人でした。
連日の公演でお疲れだったのか、ラストのご挨拶でにこりともしていただけなかったのが残念でしたが(笑)。
まつむらさんはさすがの貫禄で。
立ち振る舞いがいちいちきれいで決まってるしセリフも説得力あるし、これくらいの人がやるとシェークスピアって感じだよね。ラストをながくらくん(バンクォーの息子)でなく彼に持ってきたのは正解だと思います。ま、予言外れてるけどね(笑)。
ながくらくんは、大江戸鍋でも吉良の息子よりお岩さんのほうが長かったけど、今回もバンクォーの息子よりメイドのほうが長かったです。ははは、がんばれ。ファンというほどじゃないんだけど実は地味に応援してるんだなぜか。
あとこれだけは言っちゃいけないかもしれないけど我慢できないから言う!!(笑)
マルカム王子の人が、石井ちゃんにしか見えなかったー!!(絶叫)
体型も顔立ちも声も「あーダメだわ」ってくらい雰囲気同じでした。マルカムとマクダフの関係も、萌え~vってなりそうな雰囲気だったのに、石井ちゃんなもんだからそれどころじゃなくて!
えーつまり、とてもよく通る声で長ゼリフを流暢に情感込めて演じられる、すばらしい安定感のある役者さんだったということです! 代役だったそうですが、シェイクスピアの乗りこなし具合は全キャスト中で五指に入るレベルでしたよ。
ヤザキは、とにかくしっかり演じてました。あそこまでガチに演じてるヤザキを初めて見たので、ほほう、っていう感じ。
他のマクベスは観たことないけど、図書館で公演まとめみたいなのを見つけたとき、「こんなベテランたちが演ってるのかー」って思ったんですよ。でもアレ、実際オッサンがあんな情緒不安定なキャラだったらイラッとしますよね?(笑) もちろん演技の厚みとかそういうのはおいといて。
マクベスのキャラクターという点から見て、25歳の若手俳優に演らせた意図はなんとなくわかりました。今後オッサンのマクベス観たらイラッとしちゃいそう(笑)。
でも、じゃあなんでヤザキなの? 出せばチケット即完のムライさまや、青いほうのマサシくんや、もっと華のある他の子でもよかったんじゃないの? あえてヤザキを持ってきたのはなぜ?
……と、思いながら観てました。
観てないけど、「桜の森の満開の下」をヒラノがやるって聞いたときも思ったことなのです。
今ここで、おそらくは鍋流れの客メインとして「ヤザキの直球マクベス」をやるなら、もっと「おなじみの」顔を脇にそろえたほうが受けたはず。マクベス夫人も男優にして、それこそコケシとかにして。シェイクスピアの時代に合わせましたって言えば通りますし。でもそういう遊びはいっさい許さない感じでした。
なんかもやっとしたものを抱えたまま帰ってきて、パンフを読んだんですよ。
主演×演出の対談で、「ヤザキありきのマクベス」だったことが語られてました。
さらに、前回の「愛される浅野内匠頭」を演じたヤザキを見ていて今度は「堕ちていく孤高の人」を見たいと思ったプロデューサーが、今回の話を持ってきた、というようなことが書かれておりまして。
あああ、そういうことかあ!!(ガッテン×3)
やるやる、よくやる!!
すっごい好きな役者ができたとき、今はこういう役やってるけど、せっかくだから今度はこういう役やってほしいよねーっていう妄想ね!! ナマ萌えの基本だよね!!
……なーんだ、コレって「ヤザキ萌えを突き詰めた舞台」なんだ!!
華があるキャストをもう一人……とか、トータルでのおもしろさを考えてマクベス夫人を男に……とか小細工はいらなかったんです。だってヤザキに萌えるための芝居なんだもの。こんなヤザキって萌えるでしょ!?って出してきてるんだもの。
うん、マクベス夫人と抱き合ってるヤザキ、エロかった。萌えた。
医者に国を治してくれって迫ってくっついてるヤザキ、攻めっぽかった。萌えた。
苦悩して錯乱してひざを折るヤザキ、受けっぽかった。マジ萌えた。
白シャツのヤザキ、萌えた! 黒シャツのヤザキ、萌えた!!
そこまで真剣にヤザキファンでないはずの私でさえ、萌えどころがわかります!(笑)
「こんなヤザキ観たことない」って思った私の感想は、ある意味狙いどおりだったんですね。
たしかに、「こころ」を演ったムライが今マクベスやっても、客は呼べるかもしれないけどたぶんおもしろくはない。どっかで見たことあるムライになるだろうし、きっとファンだって大満足ってわけにはいかないと思う。今回ばかりは、「ヤザキのマクベス」でなければならなかったんだな、と気づきました。
るひまさんのイケメン捌き(?)って、「腐女子(笑)ってこういうの好きなんでしょ?」「こうすれば売れるんでしょ?」っていう感じがぜんぜんなくて、BLっぽいネタも男子のお笑いネタにギリギリ収まる範囲か「ガチ芝居ですから!」っていう開きなおりが通じるようになってて、けっこうスレスレなとこやってるのにイヤな感じがしないんですよ。
なんか目線が同じだなあとは思ってたんですけど、予想以上に同じだったみたいで(笑)。
たぶん「自分たちが萌えるものを作ってる」人たちなんでしょうね。パンフ見たらメインのスタッフは全員女の人みたいだし(笑)。
基本姿勢がそこだとすれば、役者の好みさえ一致すればこちらが見たいモノを現実にしてくださるということではありませんか。なにそれ、同人屋の夢?
そんなわけで、まさかヤザキの舞台で気づかされるとは思いませんでしたが(笑)、萌えが合致するかぎり、るひまさんには徹底的におつき合いしようと決意しました。
これからもさらに洗練を重ね、役者もファンも満足できるような萌え公演を企画してください!
洗練第一弾として、パンフレットが同人誌ライクじゃなくなったのはうれしいです。
あとはたまに使ってる同人イラストみたいなのをやめてくれたらもっとうれしいです。
……とりあえず、心からノーテンキそうなオーヤマをどん底まで苦悩させたくありませんか?(笑)