真田丸!(パスあり)
終わった……
ホントに一年間丸ごとおつき合いしてしまった……
戦国キャバクラのレイナさんよりはちょっと上、程度の知識のわたくしが、脱落せずこんなに能動的に一年間ハマれたことをまず感謝したい。関ケ原と大坂の陣ってどっちが先?ていうレベルでしたから。
たぶん年が明けたら流れとか地理的関係はどんどん忘れていくとは思いますが(笑)、数々の個性的な武将たちのことはマイナーな人ほど覚えていると思います。板部岡江雪斎とか。
信繁。
真田幸村っていうより源次郎信繁ですねやっぱり。幸村への転身はいろいろさすが!って思ったけど。
あんなに立ち方も歩き方も馬の乗り方も美しい人って他にいる? 顔立ちを美々しく表現するのには抵抗がありますが(笑)、佇まいはとにかくだれよりも美しかったです。切腹までいかないのもよかった。組!もだったけど、最後は笑顔で終わってほしいものね。
家康に向かっていく途中でなんもしてないのに馬の横で歩兵が倒れたので、ああこの人覇気使えるんだと思いました。まあ使えそうだよね、戦国武将の大半はね。真田に覇王色はいなさそうだけどね。
最後の二丁拳銃の場面なんか思わず「なにそれかっこいい」って呟いてました。だってもうかっこいいとしか言いようがないものあんなの。真田紐とか六文銭マークとか誰が細工したんだろうと思いましたが、あの場にそんな器用な人いなさそうなので自分でやったんじゃないかと思います。夜なべして。
三十郎。
信繁側からの矢印が薄かったので、そんなに重要じゃなかったのかな……と思うことも何度かありましたが。最後に直接会うことができて、もうホントにありがとう。信繁の心残りがないように三十郎にまでお別れの機会をくれてありがとう。
三十郎ハイライトは多すぎて絞り込めないのですけれど、「鉄火起請のときに顔色も変えずさくさくと支度をする」「自分の代わりにきりがついていくことになって嫉妬の嵐」「兄上につけと言われて涙の別れ」「久々の再会にしかめつらでいくつもりが満面の笑顔」あたりでしょうか。
気はきくんだけど頭はあんまりよくなくて、たまに調子に乗っちゃうこともあり、源次郎が冷たく接しても許される数少ない相手の一人ですからね。他にきりちゃんくらいしかいませんからね。
今後は源次郎さまの思い出を胸に、聞き分けのない真田の後継ぎたちをびしびし教育していただきたいと思います。
きりちゃん。
あの色気のないキスシーンは歴史に残ると思いました。うめちゃんもはるちゃんもぶっちぎっちゃって大逆転。49話でやっと気づくって鈍感主人公の中でも群を抜いてますよ。それまで一瞬たりともそういう対象で見たことなかったくせに。
こっちもずーっと「いつ結婚するんだ」って親戚のおじさんみたいなこと言いつづけてたけど、しないことこそが肝だったのかもと思わなくもない。そんなヒロインいなかった。
終盤、だれよりも忍者っぽい活躍してたのはきりちゃんでしたね。ラストで大阪城に戻るってのもありだけど、そのままどっか行っちゃったでもいいな。上田でも沼田でもなく、大阪の町やもしかしたら江戸まで行っちゃって、ババアになっても都会を生き抜いてるかもしれない。がんばれきり。
真田家。
ていうか兄上ね。最後まで貧乏くじだけどかっこいい兄上でございました。
序盤、真田太平記?かなんかのファンが「あんなの信幸と認めない」とか言ってるのをちらほら見かけてうるさいなーと思ってたんですが、今後別のドラマでただイケメンなだけの真田信幸を見かけたら私も「あんなの認めない」と言ってしまうかもしれない(笑)。
次の世代は弟がちょっと不安だけど、お兄ちゃんがしっかりしてるので大丈夫かな? それともやっぱり不安要素なのかな? まあお松姉ちゃんもいることだし、藩は幕末までつづくらしいし、大丈夫だと信じたいです。
そういえば作兵衛が弁慶の立ち往生みたいになってうわーんってなりかけたんですけど、城まで生きて戻ってて驚きのあまり涙が引っ込みました。
豊臣家。
終盤評判散々だった大蔵卿局、前半の茶々に寄り添う姿がちょいちょい思い出されて、そこまで嫌いになれなかったんだよなあ……凛々しい秀頼、絶対権力者じゃない淀殿、史上最もイケてる大野治長、事務の木村くん、みんなみんな心に残りました。
とりあえず豊臣軍の敗北から学んだことは、組織全体での情報共有の重要さですね。炎上案件の要素全部盛りでした。あと間者は見つけたらその場で始末すること。リアルに炎上するから。
徳川家。
よかった、家康さまは伊賀越えのころからなんにも変わってない。「もう死のう」のシーンがちゃんとあってよかった。
遠い昔にライバルの北条家が滅びてしまわないように奔走した家康さまは、豊臣家もやっぱり滅ぼしたくなかったんだなあ……豊臣を滅ぼしたのは(直接的には自滅だったにしても)、空気と父の気持ちが読めない秀忠のほうだったのかもしれない。
さんざんいやらしい手で真田や豊臣を追い詰めた正信が、領民に慕われてる描写が最後にぽろっと入るのはずるすぎると思いました。あのじいさんも嫌いになれなかったね。
伊達家。
今まで、これほどまでに伊達政宗とずんだもちを徹底的に紐づけた大河ドラマがあっただろうか、と最終回間際でしみじみ感じ入ってしまいました。今後、政宗キャラ見かけたらずんだもち食べたくなるし、ずんだもち見たら政宗公を思い出すよね。伊達藩限定の食べ物でもないので、まさに総取りです。やつはとんでもないものを盗んでいきました。各地のずんだブランドです。
片倉家と真田家のつながりは知識としてはあったんですが、まさかファーストコンタクトが「未来の義父にずんだもちを振る舞われる」だとは思わなかった。これから白石行くことがあっても温麺じゃなくずんだもち思い出しそう。
あんなに出番少なかったのに、したたかなんだけど妙に迂闊なとこがありそうな政宗、政宗のためなら確かになんでもやりそうな景綱、という印象を鮮烈に残していきました。あとZUMDA。
上杉家。
今後は当分、脳内wikiの「上杉景勝」「直江兼続」の画像部分にこの二人の顔がはまってると思います。それくらいのインパクト。
なんとなく、当初はこんなに出番多い予定じゃなかったのかもしれない。直江とかとくに。こんなに使う予定なら、もっと三谷近辺やえんけんさんに負けないネームバリューの人が来たと思う。最初から最後まで二人きりで、どの家にも一人はいるタフな女性もいなくて、なんだか最後まで儚い印象の主従でした。
実際上杉家はずーっと生き残るのにね。北条とか散っていった人のほうが元気だったね。
よく知らないからイメージもへったくれもないんだけど、武田とのつながりが強い真田家にあえて上杉家との関係性を軸に持ってきたのが今年のキモだったのかも。
すでに滅んだ最強の武田という幻影を追いつづけた昌幸、景勝の理想でしかない義という幻影を追いつづけた信繁、というのが、信長から家康への流れに乗りきれなかった真田のバッグボーンを説明しているような気がします。その両方に違和感を持ちつづけた信之だけが生き残るっていうのも含め。
忍者。
真田家というより小県が丸ごと忍者集団ってのがとてもおもしろかったです。忍者っていっても、実は大名じゃない戦国武将も含むし、その下はもう農民とかと同じレベルなんだよっていうね。正しい意味での役割や風貌なんかも見せつつ、佐助のアクションとかは派手にニンジャしてみせるメリハリも楽しかった。真田の忍者屋敷、どっかで再現してないかな。けっこうなアトラクションだよな。
でも最後に出てきた徳川の間者が、びっくりするほどニンジャだったんだけど、あれはなんかのサービスなんでしょうか。最後に本物のニンジャ見たいよね?的な。すごく重要なシーンなのにそこに驚いてしまった。
ま、一年間ありがとうございました。
書き残してることもいろいろあるんだろうけど、最終回翌日ではこれが精いっぱい!(笑)
次はクドカン大河か、楽しみだな!
メサイア原案の人が書いた原作をセレクトしてしまった来年や、冗談にしろBLと男色の区別もつかないような作家が書く再来年は、視聴者側にもしばらく休憩を促してるんでしょうねきっと。
以下、蛇足のおまけです。
作品そのものに満足しきったときって、ああ無意味なことしてるなあって思いながらこういうの書くんですが、自分の中でいつまでも浸っていたい部分にけじめをつける意味合いもあるので、まあ見逃してください。
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お忙しいえんけんさんが、撮影時むらかみさんに「今自分たちはどこの城にいるのか」と訊いたエピソードがなんか好きです。まあ私もよくわかってなかったけど。そういえば妖怪ウォッチの予告が劇場で流れたとき、子供たちにウケたり泣かれたりなかなかの手ごたえでした人面犬。ホントにお忙しいようで。
御屋形さまと直江 pass:final
思えば、戦国鍋TVでも謙信以外区別がつかず、「炎の蜃気楼」って直江兼続の話なんだよね~と天地人のとき勝手に思い込んでそのまま誤解を放置していた私が、兼続のSSなど書くことになろうとは、人生何が起きるかわからぬものですなあ……
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実はニッケル的にかなりの推し主従だったのですが伝わってました?(笑) 途中で離れ離れになっちゃって、再会できたと思ったらまた別れちゃって、って他の主従とちがっていっしょにいない期間が長めでしたが、ちゃんと主従だったと思うのです。なのでよろしくお願いします。
源次郎と三十郎 pass:final
史実の上では、三十郎は源次郎のずーっと上らしいのですが、たぶんこのドラマでは同世代だよね、年齢差は意識してないよね、というつもりでいきます。大河はわりかしそういう年齢操作あるし。
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あと治部と刑部も最後に一本書きたかったけど、一日ではSS2本と感想がギリギリだったよ……(感想外せばよかったのでは?)