ふぁんたび。
引っ越しに伴い最寄りの映画館が変わりまして、「なにかのついでに行く」のではなく「わざわざ行く」感じになってしまいまして、そういう場合は一日2本見てなんとなく交通費の元を取った気になる小細工をするのが常でして。
そんな理由で、時間的にちょうどよかった「ファンタスティックビーストと魔法使いの旅」を観てみました。あらすじとかの前情報もなし、だから期待値もぜんぜんなし。
すっごいよかった。
わたしハリーポッターシリーズがどうも肌に合わなくて(原作5巻、映画3作までつき合った)、私が求める英国ファンタジーではないなと視界から外す方向で過ごしてきたのですが、この映画はとても好みでした。脚本製作が原作者ということで、もうホント正直な話、今まで「学園モノから卒業できないラノベ作家」だと侮っててごめんなさい(酷いな)。今後は全力でリスペクトします。
以下、ネタバレ感想。
あ、時間の関係で2D吹替でした。あと最近目がお疲れ気味で字幕を追える自信がなかったというのもある(笑)。
1920年代のアメリカが舞台というのさえ知らずに見はじめたんですが、オールドアメリカンの映像が美しくて、「闇祓い」の魔法使いたちは上品なメン・イン・ブラックという感じ。映像的な売りはもちろん「ファンタスティックビースト」なんだけど、人間の日常生活とさりげなく組み合わされている「魔法」がオサレでした。ラスト、降り注ぐ雨と、壊された町が魔法使いたちの手でゆっくりと元に戻っていく場面はうっとりだったよ!
イングリッシュマンのニュートと、その他全員のニューヨーカーとの対比が、定番なようで、でも魔法使い特有でもあり、っていう配分が飽きなかった。トランクの取り違えも含め、こういう図式ってパターンだから、出てきた瞬間に「またか」ってなるときあるよね(笑)。
ホグワーツ退学になって世界中を旅してる異端者のニュートでさえ、愛国心と愛校心はあるってのがイギリスっぽいなと。彼のマフラーはきっと寮別のアレだな、と思ったんだけど色分けまでは知らないので後で確認したら、ハッフルパフ寮でした。うむ、納得(笑)。
人間を指す「ノーマジ(No-Maj=NoMagic)」という語が、イギリス側からするとたぶんそっけない語感なんだろうとか、「マグル」がアメリカ的には古めかしくて野暮ったく聞こえるんだろうとか、雰囲気だけでも楽しい。
流れは頭に入れたから、次は字幕で見たらクイーンズとオールドアメリカンの差ぐらいは楽しめるんじゃないだろうか。
とにかくニュートがかわいくてかっこいい。トータルですごく好きなタイプ。
見た目かわいくない(笑)ファンタスティックビーストと、全身全霊愛情込めてつき合ってるのに対して、対人関係はそっけないというか興味がなさそうというか、ティナも女性として認識したの別れの瞬間じゃないのってとこがたいへんよろしかったです。ムリヤリくっつけようとしないのも好感度大。続編ではわかんないけど。
そしてヒロインが小太りのおじさんという新鮮さ……(笑) アメリカ美女が二人もいるのに、いきなりニュートとジェイコブがくっつきそうになってたのは何事かと思いましたが。人間と魔法使いの「いいやつ」代表で、ほのぼの和み系ってのがまたアメリカらしくなくイギリスっぽくもなく、その外し方がよかったのかもしれない。
きれいに終わったから続編とかはとくにいらない気がしましたが、これも三部作なのかな? ニュートが再登場するなら見てもいい。
今までハリポタに興味がなかったので多少の引っかかりもスルーしてきたのですが。
いい機会だし、最も気になってた4つの寮のカラーというかポリシーを英語で再確認してみました。十年以上前にみんなやってたであろうことを今やるという乗り遅れ感がいっそすがすがしい(笑)。
Gryffindor: bravery, daring, nerve, and chivalry.
Hufflepuff: hard work, dedication, patience, loyalty, and fair play.
Ravenclaw: intelligence, knowledge, and wit.
Slytherin: cunning, resourcefulness, and ambition.
英語版のハリポタwikiから持ってきたので合ってるよねたぶん……
「cunning」が「狡猾」というのは訳としては合ってるんだろうけど、たとえば「巧妙」だったら「resourcefulness」と繋がってスリザリンのイメージも少しは変わったんだろうなと思う……ていうか映画とかドラマとか見てるとイギリス人の大半はスリザリンに区分される気がするんですが偏見ですか。人数のバランス悪そうだ。