ホムワトチッス

すみません……SSつける前にカウンタ100超えちゃって……あの参照数はべつに好きでつけたわけではなくてね、外し方がわからなかったの(笑)。なんかイロイロ意識しちゃってダメだね。
そんなわけで企画のホムワト更新しましたが、春の大量更新でもずっとちゅっちゅしてたからやりづらかったです(笑)。
そーいやこの二人ではまだリバ書いてないんですよ意外に。1回はやっとかないとな~と思うのですが(なんでだ)、ネタが降ってきません。
映画のホームズって、わざわざ逆転しておかわりするほどの性欲はないような気がするんだよね。ワトソンとくっついていられれば極端な話セックスしなくてもいいし、ワトソンが決めた上下にもとくに異論はなさそうだから、今夜は下ってなったら上になることは考えないと思う。ヤク入ってたらわかんないけど(笑)。
そういうテンションはワトソンのほうがあると思うのですが、自制とかそういうものがはたらいて「いやそれはさすがに……」とか考えるからひっくり返すまではいかないんじゃないかな。上下決まってないのにリバができない不思議。
ところで、実は感想出してなくない?ということに気づきましたよ。
リアルタイムは二次創作に忙しかったし、DVD見たときもアンソロ原稿やってたからそんなヒマなかったし。いや、書いてはいたんだけどね、出しそびれてたんだよね。
てことで続きにやたら長い感想文です。あえてDVD視聴前のを出しときます(笑)。
あのときのテンションを思い出したい方はどうぞ。


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プライミーバルを見たとき、英国人に抱いた偏見ってどんなだっけ。
◎意地が悪い。
◎口が悪い。
◎性格が悪い。
◎そのわりに身持ちがゆるい。
◎つまり総ツンデレ。
◎ゲイネタに動じない。
さすが、Mr.ビーンとホームズの国……!(?)

うん、ほぼそういう感じだった。まあ時代のせいなのか作風のせいなのか身持ちは意外に固かったですけども。あとはほぼそのまま。英国への偏見がより深まったかたちとなりました。さすが、ホームズの国。
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アルカリは、あのへんの時代とこの手の宗教モノが好きで(「天使と悪魔」的な)、あとメイン俳優二人も大ファンで、軽くお子様ランチ状態だったらしいです。「わかりやすく四大元素絡んでるのにスルーしちゃうとこがすごいよね」と目を輝かせながら言ってました。
ニッケルは「新解釈で焼きなおす」「神秘を科学や論理で解き明かす」ていうのが病的に好きなので、もうどストライクでした。シャーロキアンに文句言われてもかまわない、私はこっちのホームズを採用する!って勢いです。
なぜかオーケンがパンフに解説書いてまして。私もオタクだから(笑)彼はそれなりに好きなんだけど、事象を言葉だけで理解しようとこは変わってないよね……「腐女子」とか「中二病」とか言っとけば本質を突いたような気になるとこは相変わらずだなあ、と微笑ましい気持ちになりながら、でも解説としてはビミョーだなと思いました。バリツへのこだわりはおもしろかったけど(笑)。
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んー……
ロンドンを巡る大陰謀を、ホームズとワトソンの関係を軸にして描いたサスペンスアクション、なんだけども。
「ホームズとワトソンの関係」が曲者だよね。
ええと、
「このままじゃ俺たちダメになると言って出ていくことを決意した世話焼き男と、彼を引きとめようと必死になるけど全部裏目に出てしまうダメ男の、最後の数日間」
ていう感じでした。あれ、そんな感じのゲイムービーどっかで見たことあるよ。ブエノスアイレスとかもわりとそういう系統じゃなかったっけ(ちがうよ)。
パンフのあらすじには「最強コンビがそろわないと事件解決ができない、さあどうする!」的に書いてありましたが、ちがうよね、ただホームズがワトソンいないと死んじゃう病なだけで、仕事自体は一人で全部できるよね? まあ数回死んでたかもしれないけど。
ワトソンの婚約に荒れたホームズが憂さ晴らしに夜の街へ繰り出して他の男と……のあたりが非常に本物くさかったです。
どっちも大好きなんだけど別れなきゃ、っていう展開が切ないっていうより、そんなにラブラブで今さらなに悪あがきしてんの?ってちょっと呆れちゃいました。本人たちは必死なんだけど、かなりラブコメ。
ワトソンを来させるためにわざと銃を置いていくホームズもアレだが、それを見抜いてうれしそうな顔で追っかけるワトソンも相当アレだと思う。自分があんなんだから別れなきゃって思うんだろうな。
本筋のほうは、「ビクトリア朝のロンドン」で「強大な敵」と「頭脳合戦」をくり広げる「名探偵シャーロック・ホームズの冒険」ってところからブレてなくて(多少アクションメインではあったけども)、だから余計になんでそんなサイドストーリー入れたんだ……って気分になります。
散りばめられてる小ネタにはにやにやできましたけど。
わかりやすかったのは、壁に「VR」と撃ち込む場面。そうだよねえ、実際にやったらうるさいレベルの話じゃないよねえ。暇つぶしじゃなく、サイレンサーのテストってのがもっともらしい言い訳でよかった。
初期ワトソンの「ブルドッグの小犬を飼っている」発言を拾って、ホームズとワトソンのケミストリー(笑)を表現するのはなかなか高等技術です。
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そんなメイン二人。
だうにホームズ。
明らかにちがう!って思ったのは身長くらいかな。ホームズは長身痩躯が売りですからね。それ以外は「え、こっちで正解じゃね?」って思ってました(笑)。
不健康で小汚いのは納得。ワトソンが出ていくことに拗ねて引きこもってたのも、そのワトソンにカーテン開けられて「やめて!」って情けなく懇願してたのも、不健康なホームズならではですよ。
あとアイリーン来てわたわたしてるのも、女慣れしてない感じでよかったです。部屋のものひっくり返しながらも変装して追っかけるあたりが、かっこ悪いだけじゃなくてステキ。
感心したのが、本人がぺらぺらと自慢げにしゃべらなきゃわからない推理を、ホームズのイメージトレーニング的に描写したとこ。この相手はこういう状態で、自分の戦闘力はこうだから、こうするとこうなる、っていうのをスローで「予測」したあとに、実際の速さ(数秒)でそれを実行する、ていう流れが頭脳と肉体双方の実力をむりなく見せてくれて、「ホームズって頭がいいから強いんだあ!」って感じになります。
ホームズの観察力と推理力を格闘技に活かしたら無敵じゃん?って思ったのがすごい。でもコレだうにだから、「どっかでトチるんじゃないの?」って思ったりもするんだけど(笑)。
あとメアリーの過去をほじくり返すことで嫌がらせしてみたり。ワトソンに占い師をけしかけてみたり。
ホームズって推理は趣味、みたいなとこがあるんだけど、このホームズはちゃんと推理を手段にして目的を果たそうとしてるのね。そのままだとムダとしか思えない推理力をわりと活用してるのが画期的でした。
じゅーどワトソン。
いや、もうコレがワトソンでいいです。
今までもワトソンのほうを立てて書く人はいたけど、ビジュアルでこんなきっちりと見せられるとうれしくなっちゃう。
英国紳士で、前線帰りの退役軍人で、高名な開業医で、変人のホームズにつき合える忍耐強さとタフさを備えた男、を正確に書き起こすとこんな感じなのかもしれない、と思わせてくれるかっこいいワトソン先生でした。
しかしまあヘタしたらホームズより戦ってましたよ。口より先に手や足や仕込杖が出てましたよ。軍人>医者でしたよ。劇中では確実に、助けた人間より死傷させた人間のほうが多かったです。やたら「私は医者だ」って言ってたけど、なんて信用できないドクター!
後半なんか大やけどしてるはずなのに巨人と格闘してたし。自分で手当てしたって言ってたけど、ドクター・ワトソンってそんなに有能なの!? BJレベルだよねそれ。未知のポテンシャルを秘めた男、ワトソン。しかしその能力は大半、ホームズのためだけに使われています……
ホームズに助けを求められてるのに窓しめちゃうのとか、ホームズを吊るしたまま推理を語らせるSっぷりが気持ちよかったです。原作だったらたぶんワトソンが吊るされてた。
二人のパートナーシップ。
え、べつに過剰じゃないよ?(笑)
ホームズがワトソンの結婚に不満だったのも嫁さん避けてたのも事実だし。逆にいえばそこをわざわざピックアップしなければ、ただの仲良しで済んだかもしれないのに(笑)。なんで「ワトソンがいないとさみしくて死んじゃうホームズ」部分を取り上げたのか、そこだけが謎です。
萌えメーターが振り切れるか「ああ腐女子狙いね……」って引くかの分岐点になりそうなのが、「ワトソンの肩にもたれて居眠りするホームズ」「ワトソンの胸を使ってスコープを覗くホームズ」あたりかと思うんですが、みんな大好きジェレミーホームズだってワトソンと腕組んで歩いてたし、二人が座ったり歩いたりの距離もあれくらいだったし。
こっちの二人が対等にぽんぽん言い合ってケンカして殴ったりもするのが、逆にまともなバディモノっぽくて健康的だったくらいですよ。
もともとワトソンって、ホームズにどんな無理難題を突きつけられても応えることが喜び、怪我してもホームズに心配されれば幸せ、みたいなドMなので、むしろツンデレくらいがバディっぽくてちょうどいいのかも。
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その他の人々。
アイリーン。
そんなに重要なキャラクターだと思ったことはないんだけど、女嫌いのホームズが唯一敬意を払っている女性ということで人気の高い人です。
今回はアクションもなんでもできる、いわゆる不二子ちゃんキャラとして登場。うん、ムダに脱いだり人質になったり銃も爆弾もお手の物で、リアルに不二子ちゃんだった。
しかし……クルミを片手でごりごりと割るのはどういう演出? そういう設定あったっけ。ていうかクルミの殻って女性が片手で握りつぶせるものだっけ?
……ホームズのクルミは握りつぶされなくてほんとうによかったです。アレはたしかに「あの人」と敬称で呼ぶしかないよね。リスペクト対象だよね。
レストレード警部。
なんか小動物系の愛らしい顔したおじさんでした。でもかなりレストレード警部してた! ホームズにやり込められてるっていうよりは、やりたい放題なホームズのフォローをさせられてる気がしたよ。留置場に捕まったホームズを引き取りにきたりね。ワトソンがいないときの保護者なんじゃないかな。後半のちょっとした活躍はぐっときました。
警部の部下も含めて、このスコットランドヤードはわりとホームズ&ワトソンとうまくやってる気がしました。逮捕命令出ても逃がしてあげたりね。実は「ホームズ&ワトソンを愛でる会」状態で、微笑ましくつき合ってあげてるだけかもしれない。優しいなあ、スコットランドヤード。
ハドソンさん。
ホームズにもワトソンにもそれなりに寛容な下宿の大家さんですが、今回はホームズの奇行に手を焼くかわいそうな人です。このハドソンさんはホームズが頼んでも朝ごはんは出してくれないかもしれないなあ。
メアリー。
ホームズが手がけた事件の関係者としてワトソンと知り合って結婚する、が原作ですが、こちらは普通にホームズの知らないところで出会ったようですね。ホームズを尊敬する要素がないので、もう「私とワトソンのジャマをする陰険な男」認識です。まあまちがってない。
ホームズとワトソンの関係だけならそうでもなかったんだけど、彼女の存在がいちばんやおいっぽかった。あんまりそれっぽいキャラだったので、ワトソンが彼女ふってホームズのとこに帰ってきたらどうしようとか思っちゃいました。ちゃんと結婚できてよかった。
続編では出るのかなあ。それとも別れたあとって設定になるのかなあ。続編はそのへんの時系列がいちばん気になるかも。
ブラックウッド卿。
映画オリジナルキャラクター。こっちのほうがホームズのイメージに近いよね、というビジュアルにしたのは、わざとなのかもしれませんね。オリジナルのイメージをわかりやすく打ち消す手段としてはありだよなと思いました。
儀式のシーンでちょっと斜めに座ってるとこがなんか好きです(笑)。
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モリアーティ教授もちょこっと出てきて、続編への期待を煽ってました。教授がだれかってのは個人的にわりとどうでもいいんだけど、オーケンも言ってたとおりよく知ったハリウッド俳優だと笑っちゃうから、あんまりメジャーじゃないイギリス俳優がいいなあ。
でもまあ1にこれだけがっつ�ハマったので、2はいつもどおり「ああ、またあのホームズとワトソンが見られるのね」くらいのテンションであまり期待せずに待ちたいと思います。今回の期待度は異常だったからね! 裏切られなくてホンットよかった!(笑)
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余談。
そいえば、よそさまの感想でちらほらとホモソーシャルという単語を見かけたので私もちょっと便乗してみる。でもあんまり難しいことわかんないし長く書く気力もないから短めに。
乱暴に前説入れると、ホモセクシュアルってのは「男が男を愛すること」で、ホモソーシャルってのは「男が女を愛しているふりをしながらその向こうにいる男を愛すること」です。うん、まちがってると思う。
映画のワトソンは強固なホモソーシャリティを抱えた男であり、ホームズはホモソーシャリティから解き放たれているがゆえにワトソンの苦悩や選択が理解できないように見えたのね(私には)。
でも二人だけでいるときは、やっぱりホモセクシュアルな空気が流れるわけで。実際に肉体関係があるかどうかはどうでもいいんだけど、ワトソンがなんとかしてそこから逃れようとするのが、すごくホモソーシャルな感じがする。逆にワトソンを引きとめようと必死になるホームズは、内面的にも対外的にもホモセクシュアルと認識されてもむりないなあ、ていう感じ。
メアリとかアイリーンとかいるから一見ホモソーシャルな作品かと思ってしまうんだけど、実際に三角関係の真ん中に立ってるのはワトソンだから、関係性の中にホモソーシャリティは成立してない。
これ、キング・アーサーのときにも感じたんだよね。アーサーとランスとグウィネヴィアの関係で。なんだろーなーこの感じ。
まあぐだぐだに結論づけるとすると、なんのゲイ映画なのかと思ったよ、ってことです。実際ゲイのラブコメと紹介されても納得しちゃいそうだもの……(笑)
元からそういうギリギリのとこに立ってるホームズとワトソンをあそこまでしっかり描いちゃったリッチってやっぱすげえな、ってことです。