スペースバトルシップ
ヤマトはいさおしか知りませんが、見てきました!
感想は後ほどこの記事に追記するとして(と自分を追い込んでみる)、とりあえず思ったこと。
すでにガンダム実写化は充分射程圏内。
このまま和製実写SFが流行って低コストでマニアックな作品とかばんばん作れるようになったら、そのときはぜひ戦闘妖精雪風の実写化を……!!
深井少尉はニノかマツジュンでも当てとけばみんなだまされて満員御礼アルよ。
※12/22ネタバレ感想追記しました。
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まず最初に。
ひとつ文句を言わせていただけるなら、エンドロールはいさおに朗々と歌い上げてほしかった。それがダメでもせめてオーケストラとか、とにかくあの曲の中でフィナーレを迎えたかった。
だってヤマトの半分はあの曲でできてんだからさ、そこは外しちゃいかんというよりそこさえ押さえとけば、ほぼ大団円で終わるよ。現に映画館出て帰る途中も家に帰ってからも翌日もずっとあのテーマ口ずさんでたくらいだから、やっぱりヤマトといえばあの曲なんだよ。
エアロは好きだけどコレ邦画だし。話含めて思いきりアルマゲドンのパクリみたいになっちゃってたのが残念。つか邦画に洋楽タイアップすんのそろそろやめなよなんかカッコよさげにしてる風なのが逆にカッコ悪いよ。
テーマ曲のセレクトが全てを象徴してる気がする。
という振りで始まる感想。褒めたりけなしたりですが全て個人の主観です。
前半は「スペースバトルシップ」ヤマトというSF。
後半は「宇宙戦艦」ヤマトという昭和アニメのダイジェスト。
ていう感じでした。二部構成。
ワープを繰り返してたら三丁目の昭和に飛んじゃった、みたいな? ドラマもキャラも、雪がデレる前後でころっと変わっちゃってるし。斉藤とか結局なんだったのさ。
頭空っぽの足手まといな前時代的バカ女がヒロインとか、全員が神風特攻隊のごとく突っ込んで散っていくとか、ヤマト世代のロマンってこんな失笑モノですか、いやわかってたけどわざわざやりますか、ていう感じで。
そういう意味で、新時代の「スペースバトルシップ」ではなく、あの世代の「宇宙戦艦ヤマト」だったと思います。
「スペースバトルシップ」でいくなら、徹底的に現代アレンジでキャラとかも容赦なく変えちゃってよかったし、そこまで振り切れないならちゃんと「宇宙戦艦」でいけばよかったのに。ラストテーマをいさおにすればよかったのに。
古代が雪をオトすくだりは、「それ、命令出したのが加藤でも同じことしたか? したよな? 艦長代理の義務だよな?」と、強制的にきむら×なみおかを妄想してなんとかしのぎました。
めいさもきむたくも悪くないのはわかってる。わかってますって。
脚本がK-20の監督さんだったんですね。前半の雪や佐渡先生のかっこよさはそういうことだったのかなと勝手に納得。そして彼女の力をもってしても昭和の呪縛からは逃れられなかったというかまあ訴求する先を考えると仕方がないんですけど。
前半の雪だったら、後半でも2、3回は古代を殴ってたと思う。ラストは古代を止めようと肉弾戦になってパルスガンのレベル2で撃たれればよかったと思う。
きむたくに関しては完全に個人の好みの問題なので私の感想は差し控えます。ダメな人は理屈抜きでダメだし、気にならない人は気にならないと思う。きむたくを生理的に受け付けないって人は、まあほぼ出ずっぱりなのでやめたほうがいいです。ただ彼はいつもどおり、きむたくとして求められた仕事をきちんとこなしたとは思うよ。
いろいろ理屈っぽい感想もなくはないですが。
でも燃えた。
ヤマト登場のとこはテンションマックスだったし、そこからの波動砲はもう変な興奮で手に汗びっしょりでした。だから最初の30分くらいで体力使い果たした(笑)。イスカンダルのオチも定番ではあるけど逆に古典SFっぽくて盛り上がった。
小型機の戦闘シーンはもっと長くてもよかったくらい。古代の伝説のエースっぷりを見せてよ!
機関長の汚れた手袋とか、へんなディテールへのこだわりも楽しかったし(笑)。あと一部キャストの、ヤマトやれてうれしい!っていうテンションがスクリーンからあふれてました。いいと思う。少なくとも空回る人はあの中にはいないし。
惜しむらくは、外側(CG)と内側(セット)のスケール感が一致してなかったこと。
巨大戦艦なのに、内部の広い空間や大勢のクルーの存在を感じさせる場面がなくて、そのへんが残念だった。セットがダメならCGでいいじゃない。潜水艦モノの閉塞感を出したかったのかもしれないけど、それなら細かく場所を出していけばいいじゃない。
艦のあちこちで同時に事態が進行するとかいう場面がほぼ皆無で、せいぜいブリッジと機関室くらいしかやりとりがなくて、そのへんもうちょっとなんとかできただろうと思う。切り離された部分もちょっとは描いてほしかった。
ドラマはカス、アクションも特殊効果も仮面ライダーのほうがまだ上。
映画としての評価は★★☆☆☆くらいかもしれませんが、今後への期待を込めてもうひとつ★を増やしたい。そんな気持ちでエンドロール眺めてました。
SF好きならスタトレ見てればいいんじゃない?って思う人には用のない映画です。やっぱアニメが最高だわ~っていうヤマトファンにも用なしだと思います。でも期待したいんだよ。
正直、目新しいことはなにひとつないのです。
アニメでもマンガでも特撮でも、テレビゲームでもアーケードゲームでも、すでにどこかで見てきた画ばかりなのです。
でもそれらの技術を集結させて、わざわざ実写で生身の役者さん(オール日本人!)でやったことに意義があるのです。
アニメやゲームに持っていかれてた和製スペースオペラを、実写に落とし込んで大々的な興行を打ったことに意味があるのです。
スタートレックやスターウォーズにちょっと感じていた心理的距離というか、あくまでアメリカ的に展開される世界観へのわずかな抵抗というか、そういうものが気持ちよく突き抜けた瞬間が、ところどころありました。ま、それ以上に昭和メロドラマへの心理的距離があったけどな(笑)。
日本でこれだけ大がかりな実写SFをやろうというスタートとして、ヤマトというセレクトは正しかったと思います。みんな知ってるし。登場人物が全員日本人だし。みんなの実写化したいイメージも共有できてるし。メインがキャラじゃなく「ヤマト」だったから成立したんだろうなあと。
だいたいのことは白組に予算を与えればできるということが証明されましたし(笑)、あれを見て「俺ならもっと!」って奮起するクリエイターもいるはずです(実写トランスフォーマー効果)。そんな感じでガンガン盛り上がっていけばいいじゃない!と思うのです。
だから次は、とりあえずガンダムを……!!
あ、萌えですが。
断然アナライザーでした。
古代が唯一心を許せる家族同然の相手がアナライザーという関係にぎゅんぎゅんしました。あれだけ万人に慕われてて主役肌でイケメン自負!みたいなキャラのくせして、人工知能と仲良しというギャップ萌えなのかも。
しかしこれはどこかで……と思ったら。
トニー・スタークとジャービスの関係ですね。あちゃー。