平ジェネForever。

もう公開もだいたい終わったかな……ってことで。
平成最後の仮面ライダー映画。
初日初回に行ったため、ネタバレなしのまっさらな気持ちで観られた幸運なファンのニッケルです。

個人的にネタバレNGなんで、されるだけじゃなく自分がするのも嫌だし、自分がネタバレOKなときってどうでもいい作品や興味が薄い作品なのでOKってことはあんまり興味ないのかなと自分基準で思ってしまうから(周囲からOK派の言い分も聞いてはいるけど)、とりあえず公共マナーとしてネタバレはやめておこう!?って思っています。

パンフもネタバレを避けて鑑賞後に開くんですけど、今回なぜかクレジットがなくて。ミス?大人の事情?間に合わなかった?とかいろいろネガティブなことを考えてしまったんですけど。
ネタバレ防止のためと知って衝撃を受けました。クレジット丸ごと抜いちゃうレベル!? しかも試写会なかったとか、該当シーンは台本にもスケジュールにも載せなかったとか、徹底してるなあと。
それでもまあwebであっという間に拡散されてしまったし、本当に一部の人しかまっさらな状態でのサプライズを楽しめなかったのかもしれないけど、それでもこの時代にそこまで驚かせようとしてくれたことに感服です。
自分本位ながら、その「一部の人」になれてよかったです。

——————————–

観た直後はとにかくテンションがおかしかったので、少しクールダウンした状態で二回目行ってきました。
映画館でライダーたちがお見送りしてくれるよ!っていうイベントがあったのでそれに便乗して。撮影OKだったけど、後ろのほうだったからなあ。まあ記念写真は心の中にということで、いい笑顔で握手だけして帰ってきました。

始まる前に後ろから大きいお友達の会話が漏れ聞こえてきて、「子供が生まれた年に平成ライダーが始まって」「最初はイケメン目当てだったけど今は作品として好き」「クロノスの中の人が24年追っかけてたアーティストで」などなど、聞いてるだけで歴史の重みに押しつぶされそう。
隣の席の兄ちゃんが、暗くなっても東映マーク出てもスマホ開いてるし変なとこで笑うし撮影会も後ろから割り込んでくるような迷惑キモヲタの典型だったんですが、スクリーンでクウガがサムズアップしたとき手元でこっそり一緒にやってて、こんなやつでもキラキラとクウガを応援してたころがあったのかもと思ったら逆に切なくなりました。
そして好き勝手に「仮面ライダー!」と叫ぶ子供たちよ。シンゴやアタルが襲われるとこで泣き出しかけた子が、ライダーが登場すると黙ったり。わかってないのに「おもしろい話だったね」って言ってる子とか。
もうねー、そういうの全部含めて仮面ライダーだから! とポストライダー世代のおばちゃんは一人でしみじみしてました。

そういや、docomoコラボのコスモフたち見つけられなかったなあ、っていうかそれどころじゃなく完全に忘れてたし。

てことで前段が長くなりましたが、今さらの感想です。ネタバレです。

——————————–

仮面ライダーがテレビの中のフィクションで、ソウゴも戦兎も実在しないという久中アタルの世界。
初回は、これが兄弟の話だってわかった瞬間にぶわってきたんですが、2回目は知ってるからもう二人が登場するだけで泣ける。今思い出すだけで涙出てくるからまだぜんぜん語れない。
先月たまたま観た(笑)プリキュアオールスターズがとにかくもうすごくて、プリキュアほとんど知らないくせに序盤からずっと涙腺決壊だったんですけど。こういうのって思い入れじゃないね。私が泣いたのは、クウガのサムズアップでも本物の良太郎でもなくて、久中兄弟のドラマでした。

大東くん演じるラスボスのティード、ちょっと若くないかと思ってたんです。平成ライダーを否定して若い世代に倒されるのは、藤岡弘やもっとおっさんじゃなきゃいけないんじゃないかって。
でもそれってディケイドの「呪い」ですよね。ディケイドは完全に「昭和vs平成」だった。でもジオウの世界にはもう平成ライダーしかいないから、世代間闘争をする必要がない。どんだけ囚われてんだ私……
平成生まれのシンゴの世界に「昭和ライダー」なんて存在しないし、孤独なアタルを18年間支えてきたのが平成ライダー「たち」なんだから、そこに立ちはだかるのはメタでも象徴でもなく、純粋な「仮面ライダーの敵」でなければならない。
今回必要だったのは乗り越える壁としての貫禄ではなく、理解不能な非人間さ、理屈が通じないクレイジーさだったんですよね。
ティード、最高の悪役でした。大東くんも来てくれて本当にありがとう。出たころはイケメンとしてまとめて並べられてたけど、最初から他の子とはちょっと毛色がちがう感じがあって、以来ずっと目の端で追ってるような存在でした。今さらだけどいい俳優さんだよねえ。

今回のキーはアナザーダブル、そしてフータロス。風都+タロス?
ストーリー的には電王がメインだったので、ちょっと二番手な感じはありましたが、まさかの地球の本棚に入るのがウォズさん……でもたしかにシルエット似てる……これはこれでコラボ感あったのでよしとします。

でもメインはやっぱり電王でしょう。監修で靖子様入ってるし(笑)。
電王はイマジンのわいわい感よりも「誰かに記憶されている限り存在しつづける」っていう設定がすごく好きで、そこに今回の「仮面ライダーがフィクションだったら」ってストーリーを絡めてくるのがなるほどなーと。
イマジンの杜撰さがいい具合に出てて、ストーリーとしてもっと単純にシリアスになっちゃうところをうまく混乱させてましたね。たくさんあるスピンオフやコラボの中でもかなり電王だったのではと。

それになんといっても「U良太郎」の登場。
顔が出てくるまで本当に本人だと思わなくて、リアルに息をのんでしまいました。
直前まで、「モモじゃなくておまえが倒すのかよウラwww」みたいな気分で見てたんですけど(モモの見せ場は全員集合の時ってことなんでしょうね)。
嘘つきのウラが、虚構と現実の捉え方について電王の概念で解釈し、そしてそれを本物の良太郎の声で語るっていうのがなんかなーズルイよなー。
なんでウラのくせに出張ってんだwwwとは思いましたけど、たしかに素の良太郎の「今」って想像しにくいし、他3人よりもパーツが少なくてアレンジしやすいから、今の佐藤健が演じるにはベストなのかも。
最後、モモとU良太郎が見つめ合うとこ……悪いけど良モモなのかウラモモなのか真剣に悩んでしまったよね大きいお友達は!! ウラは「センパイ」と呼びかけるけど、モモは「良太郎」と呼ぶ。良太郎は聞いているけど表情で応えるのはウラ。なんなんだろうなコレは! もやもやするぞ、萌や萌やするぞ!(?)

平成ライダー全員集合はなんかありがとうって感じでね。
あの連中、今までは殺し合うときにしか集まらなかったから、お互い戦ってないだけでうれしくてね。士くんがちゃんと中にいるのがうれしくてね。ホントに、もう呪わなくていいんだよ、ただ祝っていいんだよ。
テレビのOPでも流れてるけど、トドメ後のウィザードの「ばさあっ」が最高にかっこよくて、バイク停めたときのカブトが決まりすぎて、クウガのバイクアクションがキレまくってて、何度見てもにこにこしてしまいます。
アンクがいるオーズ、ベルトさんがいるドライブ、っていう組み合わせはよかったな。あとキバとウィザードの奇跡的な相性の良さ(ビジュアル的に)。
でもバイク集団はやっぱり改造車が暴走してるようにしか見えないので難しいなと思いました。龍騎はさすがにピザ屋のスクーターでは来られなかったらしい。そして今までもこれからも、4号ライダーなのに必ず平ジェネや大戦に参加できるキリヤさんってすごいなと思います。

エンドロールは愛しかなかったよね。
キバの2号ライダーは名護さんか兄さんのはずなのに、あえての音也。
孤独なヒーロー・クウガは一条さんといっしょで。
カブトはあんなにたくさんいたのに二人に絞ってくれて。
ダブルは笑顔の二人のアナザーカット。
この調子で20作全部語れる。私はたしかに平成ライダーと生きてきたし、これからもつき合っていくんだろうなあといろんな気持ちを噛みしめました。

あと戦兎と万丈が、私が最終回直後に書いたSSと近いことを言ってて、答え合わせをしたような気分になりました。万丈はやっぱり「俺たちだけが覚えてる」世界に納得してないし、戦兎は万丈が名前を呼んでくれれば新世界でも生きていけるってこと。
私の中ではもうビルドは新世界ができた時点で終わってて、クローズなんか全くの蛇足なんだけど、まあ仕方ないから観にいきます。進藤学のために。
(そしてクローズの感想に続く……?)