キングオージャー第二章感想(進行形)
とまあ、毎週テンション高くめちゃくちゃ褒めまくっていたキングオージャーですけれども……
現在41話。
正直、第二章に入った9月から、ものすごい勢いで下方修正しています。
待って、あんなに楽しんでたのに? こんな目に見えてテンション下がることある??
盛り上がっている人はごめんなさい。自分でも驚きながら後半感想です。
あと2,3か月ほどあるので、また逆転もあるかもしれない……そのときは土下座しますので、吐き出させて。
まず前提としてね、こちらの的外れな期待もあったんだと思うのよ。
真の六王国が完成するまでが第一章で、第二章は今までやらなかった日常回とか「定番の戦隊」ネタも入れていくんだろうなあって。
その上で新しい世界が見られるんだろうって、勝手に期待しちゃってたから。
まさか別の大河ドラマが始まるとは思わなかった。
実際は2年経過……チキューはギラとジェラミーの新米王コンビが国づくりに励んでおりました、とさ。
だったわけですが。
誤解を恐れずにいえば、「急にカップリングが変わってる」ことに戸惑いました。
前週までは、ギラの面倒を見てるのはヤンマだったわけで。
そしてすでに王である5人と、新王ジェラミーという対比だったわけで。
いきなり「投獄」という理由で、4人が強制的にギラから引き離され、先輩の指導もないまま新人のギラとジェラミーだけが王になって2年、という展開に振り落とされたそうになった。
そりゃまあ、リアルな人間関係ってそういうものだけどさあ。けどさあ……
まあこれは、ギラヤン目線が入ってるから、私がギラジェラじゃなかったという確認でしかないんですけど。
なんか毎週コンスタントに与えられていたものを急に取り上げられた気がして、ぽかんとしてしまった。
ダグデドが……本当に申し訳ないけど、登場した回でテンション急直下したくらい合わなかった。さすがに第二章開始早々で判断早いと思ったから、飲み込んだけど。
こういう完全無制限の万能チートな敵って、なんかおもしろくないんだよなあ……ひねり潰せるならなんでやらないの?って気持ちになっちゃうからかなあ。なんか制限があるとかタイミングがあるとかでもないし。
五道化も何がいいのかさっぱりわからなかった。
好みなんだろうけど悪役でも「こいつ悪いな~好き!」「こいつ憎めないな~好き!」「こいつカッコイイな~好き!」っていうの、あるじゃないですか。愛着だったり。デズナラクはそっちだった。
五道化、だれ一人そういう気持ちにならない……なんか、強いわりに悪役として格が低いというか……ダグデドがチートなせいか、噛ませ感がある……
そういうささくれ立った気持ちで、イロキさまとグローディの夫婦共演!とかお出しされても逆効果なんでね……私あの俳優さんミュートしてるくらいには好ましく思っていないのでね……
わかってる、これは個人的な好みの問題。
刺さる人には刺さるだろうし、ファンからすれば小粋なサービスなんだろう。
正当性がないのは承知しています。
「ゲスト怪人がいない」「ロボ戦がない」というのが販促的にどうなのか、という意見が11月あたりから噴き上がるようになってきましたが、それも古参の好みかなって……
それよりも、後味がよくない話が多くなっていくのが気になるかも。
連ドラのストレスバランス、という考え方を他のドラマ感想で知ったんですが、たしかに勝利の痛快さよりも、鬱展開やストレスのほうにウエイトが置かれている印象なんですよね。
仮面ライダーではよくあるけど、楽しくはない。
大逆転の爽快感のために溜めるっていうには、一年間は長すぎるのでは?と思っています。
せいぜい前後編、映画の前半と後半くらいがちょうどいいんだろうね。
子供番組として本当に純粋な「日常回」がないのも不安の一因です。
あくまでギャグパートであって、ギャグ回ではない。このへんのバランスも好みといえばそうなんだけどさ。
つい先日の41話、溜めに溜めたラクレスの秘密が解放されたわけですが……
溜めすぎなのよ。
まあそうでしょうよっていうかむしろそうじゃなかったら困るわ、と思いながら観ちゃってたから、なんかスカッとするまでいかなかった……
引っぱるでも半年程度が限界じゃなかったか、と思ってしまう。
ラクレスってちゃんと悪いこともしてるから、7人目として仲間になるのは難しい。だから一度退場したんだろうし。ラクレスがどんなにかっこよくなっても、物語上ではギラがそれを上回らないといけない。
だから、40話溜めてやっと本当の見せ場が……っていうラクレスがストーリーの主軸になってるのは「?」ってなる。
ここからまた思いも寄らない展開があるんだろうけど、なんかピントがずれてる気がするんだよなあ。
リタ・ヒメノの話にはあんまり不満がないんだけど。
ヒメリタもリタモルも最高なんだけど。
何か盛り上がりきらないまま、不満ばかりが目についてしまうのよくないですね。
よくないとは思ってる。楽しくないし。
前半で絶賛していたアセット撮影なんだけど……
いや、挑戦としてはものすごいことだと思うんですよ。一年間それでやろうっていう覚悟も含めて。
でも見慣れてくると、背景がリッチすぎてちょっとうるさく感じるというか……情報量が多すぎるというか……合成画面をずっと見つづけていられるわけじゃないんだな人間って、と非常に主観的なことを思っています。難しいところですね。
キョウリュウコラボ回で、普通の背景にホッとしちゃった。こうやってちょいちょいこっちの地球に来てもいいよ、そのたびに別戦隊と出会ってさ。
視聴者の目も休められるし、みんなの衣装チェンジも見られるし! ヒメノさまステキ!!
キョウリュウジャーとのコラボは……
私怨になっちゃうけど、キョウリュウも後半脱落してたので、なんでよりによって……とは思いました。
せめて、コラボならコラボで切り離してくれればよかったのに。
変に本筋の流れに取り込んで、それっぽい理屈つけちゃうから、どっちも楽しめなかったなあ……って思いました。
ソウジくんはさらに顔が良くなっていたけれども。
いや、チキューを我々の地球と対の存在と設定して、他の戦隊と繋げるっていうアイデアがそんなに悪いとは思わないんですよ。でもドヤ顔で「1話から伏線張ってました!」ってお出しされるほど良いアイデアでもない……笑
むしろ単発ネタとして消化してくれたほうが、「なるほど、うまいことやったね!」って素直に驚けたかも。
余談ですが本編でも完全に忘れられていた「イアンは考古学者」という設定を活用してくれてありがとう脚本の金子さん。
このコラボから勝手に生まれてしまう文脈が、どうしても受けつけなかったんだよね。
2013年からずっと文句言ってる私。
キングは生まれから他のメンバーと別格で、つまり王者の血筋で、最終回でアミィを嫁にする。その子供が今回のプリンス。プリンスの師匠は、世襲で剣の師範になったソウジ。
これはそのまま、ギラがハスティー家の正統な王子で、ダグデドの力を与えられた特別な存在で……という「主人公の血統主義」に繋がりかねない。
ギラを血筋に約束された王とすることで、カグラギ(庶民)・ヤンマ(貧民)・ジェラミー(賤民)がイレギュラーな存在になってしまうのが一番よくない。主人公が「特別」なら、この3人のどれかをギラの設定にしたらよかったのに。
たぶん、というかまちがいなく、大森Pの趣味なんですよね……
今までチーフPやってきた作品を見ると、必ず主人公に「強くてかっこいいお父さん」の存在があって、彼が主人公なのは父親(先祖)がすごいからだ、みたいなことを言ってくるんですよ。
同じ思想の三条陸脚本とは相性がいいみたいけど、私は好きじゃない。
生まれをまちがえた者は主人公(ヒーロー)になれない、っていう受け取り方もできるわけで。
子供番組でくり返し伝えるメッセージではないと思うわけですよ。
結局Pと合わないというだけの話なのかもしれませんが。
前半で大好きになった王様たちが、もっと楽しく絆を深めていくところを観たかったなあ、もっと素直に王様たち全員を応援したかったなあ、という愚痴です。
今でもギラヤンとヒメリタを推してるし、ヤンジェラとヤンカグの夢も捨ててはいません。
ここまでおつき合いしたのでもう最終回まで見届けます。
「終わりよければすべてよし」の精神で、最後に拍手できたらこの記事は水に流す予定です。