フューチャー&パスト。
シリーズも7作目ですね。
話題のSAMURAIだけうっかり見逃してるので、いつかDVD借りてきて見なきゃ。
JapaneseYAKUZAはミュータントより強いらしいという噂はホントだろうか。
でもまずはDays of Future Past。
個人的な印象ですが、今までのX-MEN映画のいいとこどりって感じでした。
ファーストジェネレーションは萌えを凌駕する秀逸さだったのに対して、今度のはそれまでの情緒不安定な萌えも孕みつつ、集大成的にまとまっていてとても楽しかったです。
ちなみに僭越ながらストーリーを説明しますと、
「過去にタイムスリップしたら、現代ではラブラブなパパとママが、現段階でくっつく気配がないんだけど!なんとか二人をくっつけないと未来がたいへんなことになっちゃうよ!!」
っていう話でした。それ知ってる。なんか昔金曜ロードショーとかで見た。
レイトだったのでカップル多めでしたが、斜め後ろあたりにニッカリと同じタイミングでウケてるお姉さん方がいらして、きっとご同志なのねと思いながらいっしょに楽しませていただきました。
以下、はりきってネタバレ感想です。
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ずっと、やまじさんやらいそべんやらの声って渋すぎるよなあ、ひゅーってもうちょい若いよなあ、と思っていたのですが、久しぶりに聞いたひゅーというかローガンの声がやたらと渋くて、あれ?ってなりました。ようやく本人が吹き替えに追いついたようです。
……結果オーライ?
リアルな意味で歳月を感じたのは、アイスマン。
このヒゲのお兄さん、どっかで見たことあるなーと思っていたら、ローグに氷の薔薇をあげてたシャイボーイじゃないですか! あらあ、立派になっちゃって……
って思いながらプロフィールを見たら、役者さんが私と同い年でした。彼が学園で授業を受けていたころ、私もスキンヘッドのプロフェッサーXにときめく学生だったということですよ。ふー。
そんな14年くらいで私が動揺しているときに、どの時代でも色あせないっていうか時代を問わないローガン、の服装……アレはアメリカ人の永遠のスタンダードなんですね。
あとローガンがパンツ履いてるか否かでアルカリと軽く揉めました。
生装備の可能性は捨てきれない。
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薄々感づいてはいたんですけど、マグニートーって、形から入るタイプというか、形を作っちゃうとそこに入り込めるタイプというか、自分を演出するのが好きな人ですよね。
なんでいちいちコスプレするの? 毎回着替えなくてもいいところで服変えてくるんですけど。おもしろいんですけど。すごいのは、だれも見てなくても自分の気分を盛り上げるためだけにコスプレするところだと思います。スパイっぽいロングコート&帽子とかさ。
あのマントも正直いらないものな。どう考えても「世界でいちばんえらい俺」になりきってテレビカメラの前で演説するためのコスチュームだものな。
チャールズの、TPOに合わせればいいんでしょ的なちょっと雑なコーディネートも好きです。だらっとしてるやさぐれモードも意外性という点でありでした。
そういや未来の自分を見たチャールズはショックを受けなかったでしょうか。頭皮方面で。
ていうかリアルな話、まかぼいよりふぁすべんだのほうがやばい雰囲気でしたけど。どう考えても将来逆ですけど。ほら変なヘルメットかぶってるから頭皮に負担が……って思ってたら自分がハゲてたチャールズの衝撃やいかに。
髪型も能力の副作用だったんだっけ? ちがったっけ?
あの豊かな髪がごっそり抜ける瞬間のチャールズの気持ちを考えると胸が痛くてたまりません(どうでもいい)。エリックが先だと思ってたのに(しつこい)
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前回ヤングエリチャにいけなかったのは、まかぼいの演技や見た目が好みからちょこっと外れてるなーっていう最後の一歩だったんですが。今回のチャールズは、キャラ的にもビジュアル的になかなかよかったです。つまり自分的障害がなくなっちゃったわけです。やっほーい。まかぼいってああいう役が似合う人なのね。
てことで、もうなんのためらいもなく、チャールズとエリックでわっしょいわっしょいしてました。
もともとサーとパトリックでも萌えだったので両方美味しくいただけますし!
チャールズがエリックを殴るシーンが、個人的ハイライトです。
そうなの、私こういうBLが見たかった!(?) もうあの、直前からの「殴るでしょこれは」っていう気持ちいいお約束ムードで、直後の全員の表情がサイコーでした。なんだこれ。ウルヴァリンだってこんなの見に過去まで来たわけじゃない。
あと真顔で謝るエリック。すごいね、ホントに「I’m sorry」って言ったよ!
なんかもう「いつもは寛容なのに今だけすっごいむくれてる彼女に、危機感を覚えて珍しく本気で謝ったダメ彼氏」そのものでした。チャールズも人前であんまり捨てたの捨てられたのって騒がないで!(笑) あと痴話ゲンカで飛行機壊さないで迷惑!! ウルヴァリンだってこんなの見に過去まで(略)
ローガンがフラッシュバックに苦しんでる後ろで、つかみかかって取っ組み合いしてる二人もなかなかでした。いいから落ちつけ、どっちか大人になれ。そんなんだから毎回痴話ゲンカの果てに世界が危機に陥るんだよ。
前回の、グラスハートな空飛ぶトラウマことエリック・レーンシャーと、ナチュラル上から目線の世話焼きチャールズ・エグゼビア、っていうイマイチかみ合ってない関係が、ちょっとリバっぽくないなって思ってたんですが(※重要)。
今回は、チャールズがいろんな意味でダメダメだったんで、エリックがいろんな意味で「俺ががんばらなきゃ」モードになってた。まー結果的にいつもどおりあさっての方向でがんばりすぎちゃってたけど。
同レベルでぎゃんぎゃん騒いでる二人って新鮮で、そこも不意打ち萌えだったんだと思います。
一方「未来」のお二人は、なんか気持ち悪いレベルでラブラブでした……過去との対比にしてもやりすぎ感(笑)。
エリックが「若いころの我々は手ごわいぞ」って言うのが、めちゃくちゃ他人事っぽい。おまえが言うなと。しかもなんかちょっといい思い出になっちゃってんじゃないかってくらいのノリ。今はラブラブだからって!!
いやいや、昔はヤンチャしたよな~ってレベルじゃないから。けっこうアレなことしてきたから。未来を変えてもスタジアムをホワイトハウスまで持ってきた過去は消せないから。エリック派手好きだからああゆうこと平気でやっちゃうけどさ、だれが片づけると思ってんの! いちいちやることが壮大に迷惑なんですよ!
どんなに世界規模で取り返しのつかない大迷惑をやらかしても、どんなに年とってからでも、人はぜったいにやりなおせる!という強烈なメッセージなんですかね。マグニートーの存在自体が。
ミスティークがエリックぶっ飛ばして「あんたのよ、チャールズ」って吐き捨てたのもよかったね。
そうだよね、チャールズがしっかりエリックを管理してたら世界はこんなに危機に晒されなかったよね。二人がケンカさえしなければだいたいの騒動は起きなかったよね。
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まあそんな感じで、チャールズとエリックの痴話ゲンカにつき合わされるウルヴァリンの気持ちを、存分に味わえる映画でしたが。ウルヴァリンだってこんなの見に(略)
でもちょっと違うことも思ってました。
個人的感想なので同意は求めません。
昔から、チャールズとローガンの関係がけっこう好きなんです。
年齢的にはローガンのほうが上、でも見た目はチャールズのほうが上。記憶を失ったローガンを導くのはチャールズ、でもチャールズがピンチになったら助けに来るのはローガン。この逆転に逆転を重ねた絶妙な均衡がすごく好き。
そして今回、未来の老いたチャールズに導かれ、過去の若いチャールズを導くことになり、最終的に「現在の」チャールズのところへ帰ってきたローガンという図。いろいろあったんだろうけど、この世界でもローガンはチャールズの理念実現を手助けすることを選んでる。チャールズはまたローガンの記憶の空白を埋めて、二人は平和な世界の教師としてともに歩んでいくんでしょうなあ。いいですなあ。
新しい未来のローガンが、歴史の先生っていうのがいいね。最初は「教えられるの!?」って思ったけど(笑)、よく考えたら適役でした。歴史をリアルタイムで生きてきた人だもの。
どの映画でもエリックはずっと敵だったし、孤高の聖人チャールズを包み込んであげられるのはローガンなんじゃないの。そういう組み合わせもありなんじゃないの。
まあなんだかんだ言っても、チャールズとエリックのあいだにはだれも入れないので……きっと法律までいかなくてもそういう条例くらいはあると思うので。いいよねって語るだけにしておくくらいの良識は14年間で身につけました(笑)。
単純な興味だけど、チャールズとハンクはあるのかな。やっぱり条例で禁じられてるのかな。
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ハンクもがんばってたし、クイックシルバーもかわいかった。
みんな自分の役目をきちんと果たしてたのに、あの二人の世界の前ではどうしても影が薄くなってしまう他の人々……
カメオは「よく出てくださった!」という方ばかりでしたね。私は本人かどうかわからなかったんだけど、ローグもちゃんと本人が出てたのね。顏ほとんど見えないのに!
でもスタン・リーだけ見当たらなかった(笑)。
そういえば、X-MEN映画ってぜったい「スコ……ッ!!」てなるじゃないですか。
もうお約束じゃないですか。ウルヴァリンが脱ぐくらいの。
今回も、最後の最後でね、来ましたよね。
なんかすっごくかっこよくなってた。メガネが。メガネかっこよすぎて、一瞬本人かわからなかったくらい。というか今他のシリーズでもメガネしか思い出せない。メガネは拘束中の目隠しも含めて全パターン思い出せるんだけど。メガネ掛けの顔がすでに曖昧。
毎度スコットばかりが心に残っているような気がしていましたが、実はメガネだったようです。
14年越しの真実。
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で、まあストレートに萌えたし久々になんかしたいなって思わなくもなかったんですが……
どこから手をつけたらいいか、皆目見当もつきません。
だって、「未来」の二人は、1973年から2023年までのあいだ、センチネルとの戦いで共闘するようになってもう今はべったり仲良しさんになってるんでしょ? そのだれも知らない50年を妄想するってどえらいことですよ。
一方、1973年に歴史が変わったあとの二人も、ローガンが目覚めるまでの50年間、やっぱり我々が知らない関係性を築いてることになりますよね。今までのラインと同じくケンカ別れしたまんまって可能性もあるけど、新しい未来で目覚めたローガンがチャールズと話してたら「ただいまー」ってエリックが帰ってくるかもしれない。ローガンの目の前でおかえりのちゅーなんかしてるかもしれない。……あ、ちょっとイラッとした(笑)。
ロースコだって、ジーンが生きてて三角関係もどうやら有効らしいけど死ななかった時点でだいぶルートが変わってると思うと、ヘタなことできません。
ともかく、その無数の「if」からどこをどうやって切り取ればいいんだろう??ってなっちゃう。
うっかりアメコミに糸口を求めちゃうと際限がなさそうで余計に混乱しそうなので、もうちょっとお手軽に、食べやすいところだけ切り分けて出してほしいなと贅沢なことを思いました。
はあ……しみじみ思うけど、エリチャ/チャエリでやってる人たちってすごいなあ……あんな複層的なユニバースを乗りこなしてるんだものなあ……