ニチアサ(たんプリ→ゼッツ→ギャバン)について考える。

アニメ・マンガ,特撮R25ゼッツ

「テレ朝ニチアサ枠」がなかなか興味深いことになっていて、毎週ちょこちょこ思うところを吐き出しているけれども、ちょっと「今」の状況をまとめてみようかなと。すごいどうでもいいので、お時間ある方のみどうぞ。
まあ「ゼッツつまんないよね」という話ではありますが。


2月末時点、いちおうテレ朝系列ではこういう感じになっています。

8:30~名探偵プリキュア:4話
9:00~仮面ライダーゼッツ:23話
9:30~ギャバンインフィニティ:2話


名探偵プリキュア
初めに言ってしまうと、絵柄はなんか苦手なほう。あとビジュアル段階で大人気のアルカナシャドウも全くわからない。なんかそういうテンプレ的なキャラなの?
でも、「ミステリー」という部分でちゃんと観ようと決めていました。
東映アニメーションは「おしりたんてい」を作っていて(しかもプリキュアスタッフが多い)、殺人が起きない子供向けクイズ本みたいな展開は本領なとこある。
あといちおうホームズ意識でアンティーク&レトロがデザインに入ってるっぽいのも期待。
縦軸というかゴール(あんなを元の時代へ戻す)があるのも、プリキュアではあまり見ない気がする。
2027年から1999年にタイムスリップということは、一年後の終盤まであんなは元の時代に帰れないわけです。みくるがあんなの母親であることもわりと明示されていて、二人の関係性の変化も楽しみ。
でも子供番組のフォーマットとして一話完結の「事件の謎を解く→ファントム団とのバトルに繋げる」がしっかりできてるから許されるんですよね。ミステリー好きな人なら「最初に情報をすべて開示しておく」描写を丁寧にやってるのがわかると思います。

平成を生きてきた人間としては、「1999年にチョベリバは古い」など時代考証(?)がしっかりしているのが好感度高いです。


ギャバンインフィニティ。
私はメタルヒーロー(ジライヤ~カブタック)育ちのオタクだけど宇宙刑事のあたりは知らないので、そしてゴーカイジャーやデカレンジャーでゴリ押しコラボしてきたことを根に持っているので、「ギャバン」というブランドへの好感度はマイナスでした。
でも知らないからこそ、純粋に新作として見られてると思います。そういや私、メタルヒーロー好きだったわ!って。
「戦隊を終わらせてまでやることか」という特オタの意見に対しては「やるべきだった」と答えられる内容だと思います。
戦隊の枠に縛られてできなかった展開、そして戦隊の枠を引き継いだからこそできる展開、そういうのがプラスに作用している。
久慈&冨岡はブンブンジャーコンビだけど、やっぱり戦隊の枠やコラボの制約に縛られて、やりたいことをちゃんとできていたのか?っていう雰囲気があったんですよね。私はキングオからの「実家に帰ってきた味」が嫌いじゃなかったから、そのへんが悔しかった。
今回はもう、水を得た魚だもん。熟練の技が存分に発揮されてます。
1話で、「極秘任務であるため窓際部署を装っている」「マルチバースにおけるギャバンという存在」「彼が何に怒り、何を守るために戦うのか」を説明し、2話で二人のギャバンのあいだに友情さえ築いてみせたんですよ。そして次回は3人目のギャバン。予告だけでどんなキャラかわくわくしちゃう。
一年かけていくらでもブンブンジャーの仇を討っていただきたい。


で、仮面ライダーゼッツ。
上記「テッパン」作品に挟まれて、「大人っぽさ」を売りにしてがんばっています。
半年ズレのため、そろそろ中盤のクライマックス、のはず。なんだけど……

なんかもう「無」。
ゼロワンみたいにビジュアルインパクトもない、リバイスみたいに強烈なヘイトを集めるでもない、ギーツみたいに話題性でしのいでるわけでもない。すごく魅力的なキャラクターや俳優がいるわけでもない(個人の感想です)。全部が薄味。ずっとおもしろくない。家事しながら観てる。
でも枠の真ん中だからテレビ消せないんだなあ。

単純に今、半年で「何があったか?」というと。
夢が現実に影響する事件が起き、莫がエージェントになって華麗に解決していくと思いきや、いつのまにか「全体像もわからない秘密組織」の内輪もめが人助けに先行している、という状況です。

せめてカプセム売れてるといいけど……
前年度のゴチゾウがヒットしすぎたのと、ギャバンのエモルギアがすでに子供たちに人気というのを聞くと、相対的に厳しいだろうなと思っちゃう。
コレクションアイテムにも「かわいげ」って大事なんだな。

前半は対抗が、良くも悪くも場内も場外も話題騒然のゴジュウジャーだったため、難を隠せていたところもあった。キミプリも縦軸が弱かったし。
でもここにきて、すごく正統の「全50話の子供番組」としてたんプリとギャバンが同時に来ちゃったので、いろんな「難」が一気に露呈しちゃった感じ。いや、見えてはいたんだけども、誰の目にもわかりやすくなっちゃった。

ゼッツの「やらなきゃいけない(のにやれてない)こと」を、前後の作品が「普通にやっちゃってる」んですよね。
莫ことセブンは、夢の中のエージェント。探偵にも刑事にも近めのポジションです。
現実で夢主(困ってる人)の事件が起こり、夢の中で謎を解き、現実世界でナイトメアとの戦いに持ち込む、という流れだったようなんだけど。
ブラフが多すぎて構成がややこしかったり、知らない情報が急に出てきたり、あさって方向のwhydunitで視聴者をぽかんとさせたり、現実と夢の関係性があやふやなままナイトメアを倒したり内輪もめに入ったりして、もうミステリーどころじゃない。何が謎か視聴者がわかってない。

そこへやってきたのがたんプリ。対象年齢の差とはいえ、依頼主(困ってる人)の状況がわかりやすい。おしり仕込み(…)のhowdunitとwhodunitがしっかりしてる。whydunitをファントム団に回すことで、いわゆる「町の治安が悪すぎ笑」状態を回避しているのもワザ。

ゼッツがパイロット版に3話もかけてしまったの、けっこう全体の流れに響いちゃってる気がします。
うまくやれるなら1話、引っぱって2話までなのよ。3話もかけたら、よほど壮大な展開を予感させないといけないんだけどそれもなかった。
あー、間延びした話なんだな、という印象になってしまったし、実際その通りになってるんだよ。

莫の、ふだんは気弱で不運な無職の好青年(自称)という「二面性」設定もかぶっちゃったね。
ちょっとニュアンスは違うけど、表向きはうだつが上がらなくて裏では世界を救うかっこいいヒーローっていう図式は、ギャバンの「窓際部署の資料課」が背景も含めてちゃんと見せてる。アレは相棒の特命係っぽい感じだけど。

何より、ヒーローに必要な「どういう動機で」「何を守るために」「何と戦う」っていう命題が見えなかったんですよゼッツって。
それを、たんプリもギャバンも開始早々ばーんと見せつけてきた。自分は多少苦労しても理不尽な目に遭っても、「みんなの笑顔」や「宇宙の平和」を守るために!ってはっきり口にしてくれたから、安心感が違います。
ダメでしょ、あと半年たんプリとギャバンと比較されるのつらいでしょ。

もちろん今、莫がCODEの疑惑やら何やらで揺れてる最中というのはあるんだけどもさ。今やるのかよ! それを! という気持ちが強い……
そもそも「味方組織の内部崩壊/内輪もめ」がライダーでうまくいってるの、見たことないからねー!!(大きな声で)
秘密組織とか上層部とか元老院とか出すのはいいけど、それでずっと引っぱるの、正直ストレス要素でしかないからね。最初から悪の組織として描いたほうが、わかりやすくて人気も出るんだよ。ガヴすごいってこと。


これは完全にプロデューサーのハンドリングだと思うんですよ。SHTにあまり関わってきてない人なのか。
キャラクターの薄さ(愛着の持ちにくさ)に関しては、私はエグゼイドからゼロワンもギーツもずっと批判してるんですけど、高橋悠也の苦手科目だと思ってます。
アテ書きもしないし、深掘りもしない。辻褄合わせと細部の設定にこだわるあまり、セリフ回しや性格設計に気を遣えない。結果、好きも嫌いもないほど薄い、立ち絵重視or裏設定重視のキャラだけができる。ゲームとは相性いいだろうね。
ずっとドカメンやらせてればよかったのに

今回は(も?)俳優陣の堅実さが裏目に出てしまった感じ。
なすかさん、ツッコミポジなんだろうけどそもそもの富士見のボケがおもしろくないから、結果的にガチめの暴力をふるう怖い人なんだよね。暴力ヒロインにもなってない。「凛々しい顔つきでスタイルがよくてアクション得意」という彼女の魅力が、全部マイナスに振れてる。
で、蹴られる富士見さんがかわいそうかというと、これまたそうでもない……小汚さと無能さがダメなほうにリアルで、せっかく「かわいいヒゲのおじさん」なのに愛嬌よりもウザさが先立ちます。昔の「探偵役を目の敵にするオトボケ刑事」なんだろうけど、時代錯誤だし世界観に合ってないんだよなあ。
ねむちゃん、衣装デザイナーの愛情は一身に受けているのだろうけれど、そのわりに脚本演出からは冷遇されていて、持て余し気味なのを感じてしまう。ただ置いとくには、良くも悪くも普通の美少女なので。尖った個性の外見でないといけなかったね。
そして莫に新人を持ってくるなら、せめて妹は子役上がりのベテランでないとコントもドラマも難しいな、と思います。

上の人たちは芝居がちゃんとできているから、雰囲気だけは作ってくれるんですけどね。
ノクス、ゼロ、レディ、スリーは自分たちでキャラを立ててきましたが、ストーリー的には外側にいるというか、何をしたいのかずっとわからない。ファイブ、シックスを有効活用できずにすぐ退場させたのも痛かったです。

余談だけど深夜アニメの『鎧真伝サムライトルーパー』、アニメとしてサンライズがすごいのは大前提としてね。
ビルドの武藤将吾脚本、展開が雑だし暴力ヒロインもダメおじもミステリアスな敵も出てくるのに、テンポいい掛け合いと勢い「だけ」で心を動かしていく技術がすごいです。同じPでも武藤脚本ならゼッツはハネるポテンシャルがあったんじゃないかな……


私が最初に躓いたのは、「あの月が出てるのが夢の中ってことだな」と思っていたら現実でも出てきたこと。
それは回り続けるコマ(※2010年『インセプション』)と同じ位置づけじゃないのか!? じゃあ夢と現実の区別はどうやってつけたらいいんだ! 莫の寝ぐせ!? 英語の発音!? ゼロの存在!?
っていきなり混乱してしまって。
鏡の世界も、過去と現在も、並行宇宙も描いてきた東映特撮が、二つの世界を描き分けられないなんてことある?と思うのだけど、今回は早々にわからなくなってしまいました。
理解したいからちゃんとマジメに観よう、って気にもならなくて。理解が難しいなら、じゃあいいや……って離脱していく人の気持ちがわかった。そこでは考え込みたくないんだよ。


ただね、ゼロのジェイさんが落ちついた紳士役なのはレアで高得点だし、スリーの玉ちゃんがとにかくビジュ最高なので、なんとかしてほしいとは思ってます。

夏映画、たぶんギャバンと同時上映じゃないと思う、そのために戦隊を終わらせたんだろうから。単品でゼッツ映画観たいと思わせてほしいんだよな。どうぞよろしくお願いします。