刑部無双再び。

大谷刑部が重りを外して身軽になったら、ニッカリのスカウターが壊れました。
N「きっと今まで大谷さんが歩いた後は地面めり込んでたよね」
A「いや周囲に気づかれないようちょっと浮いてたと思う」
舞空術も使えることになっている大谷吉継……少年漫画のチートキャラ化が止まらない。御文庫は大谷さんの霊圧を封じる海楼石で作られていたのかもしれぬ(いろいろ混じってる)
ごめん、大谷さんマジかっこいいんだけど、一人でぶっちぎりなんだけど、すごい萌えるのに相手がいないのすごい悔しい。大谷さんと対になる相手がいれば今年下半期を大谷さんに捧げてもいいと思ってるのだけど。
というわけで、上杉主従が出なくても意外に続いている真田丸感想、大谷刑部編です。
いろいろあったけど今回は刑部周辺の話しかしないよ! うちわどころか光る棒振っちゃう勢いだよ! 同じこと何回かくり返してるかもしれないけど愛ゆえだよ!


初登場からもう5回くらい印象変わってるのに、ぜんぜん支離滅裂じゃない治部刑部まじすごい。
大阪城にいたときは、治部と刑部が対になってるんだと思ってましたが、小田原攻めのあたりからアレ?ってなって、今回で確信しました。
三成と大谷さんって、ぜんぜん同等じゃない。格が違うというかステージが違う。たぶん、地球人とサイヤ人くらい違う。人間の霊能者と護廷十三隊隊長格くらい違う。海兵と悪魔の実の能力者くらい違う(いちいちWJ通るのやめてください)。
なんかいっしょにしてごめんって三成にも思いました。大谷さんは三成の手に余るわ。
そういう差だから、大谷さんが汚くてズルイ真っ黒な大人で、三成が心のきれいな純白天使(笑)とは思えないのよな。だいたい真田丸にそんな人いないしね。今まで出てきたいろんな戦国武将たちと同じ、「目線・視野が異なっている」っていうだけなんじゃないかと。
今の設定年齢がよくわからないんでそのへん曖昧でいきますけど。
なんとなく大谷さんのほうがちょっと上かな?っていうくらい。
大谷さんの来歴は語られてないから史実無視して作中の情報だけで見ると、戦の経験もあって、敵の首を取ったこともある、策謀のなんたるかを知ってる。行政方面も強いけど、普段は多少サボってもいっか~くらいの感じで御文庫にこもってる(笑)。義には厚く基本的には親切だけど、必要とあれば手を汚すことにためらいはない。自分の役割と信念と、動くべきタイミングの緩急をわかってる人。かっこいい!(うるさい)
利休切腹は誰の責任?ってアオリだったけど、ミスリードも何もなく大谷さんでしたよね。源次郎が鉛持ってこなくても、茶々さまがフィギュア返品しなくても、三成が反対しても、大谷さんは最初からそのつもりだったよね。思い出してみると、堺の商人や利休のことを目の敵にしてたのは「治部刑部の総意」という体を装って、いつも大谷さんだった気がする。三成は誘導されていただけで、そもそも駒ですらなかった。
一方、三成のほうは、理想主義の子供のまま今のポジションを得てしまった感じ。
景勝さまに似てるけど、立場上なのか性格なのか、「オレすごいクールでリアリストで目的のためなら悪いことだってやっちゃうもん」って思うだけ思ってるタイプ。
でも実際は、酔いつぶれた清正を追い返せないし、秀吉の暴走を止める策もなく正面から食ってかかっちゃうし、忍城は昌幸パパが勝ち取ったし、利休問題は完全に大谷さん主導で、実はなんにも悪いこと(=汚れ仕事)できてない。
その「自分主体では物事を成し遂げられない男」が、初めて自分で能動的に大きな戦を起こしたときの、「実力が伴わない理想主義が崩れていく」さまを三谷さんは容赦なく描き出すつもりなんじゃないかな。
古畑任三郎で、藤原竜也演じる子供っぽい青年が自分では気づかずに殺人へ誘導されていく話があったけどアレに近い。あの生々しい浅はかさ・神経質さは、単純化して語られる純粋さや繊細さではないんですよね。そういう暴き方はホントに上手い脚本家だと思う。
大谷さんは、三成のことを好きなほうだとは思うけど、邪魔なら迷わず脇へ押しのけてますね。しかも角が立たないように。
小田原では完全に厄介払いだった。あまりに合理的でスマートで気遣い完璧なやり口だったから、あの場で気づけたのは徳川殿くらいだったんじゃないか。
水垢離だって、三成がデスクで行きたそうにしてたから行っといでって優しく言ったと思う。でもそれは今の揺れてる三成があんまり役に立たないなってわかってるからで、だったら清正たちと水かぶっててくれるほうが自分の仕事が進むよね、っていうだけ。
ホントに無駄が嫌いなのは大谷さんだよね? 結果が決まってる沼田の評定に出てこなかったし。リアルに冷静で現実主義で合理的な大谷さんは、三成が思い込みでクールぶってんの、どう思ってたんだろう。少なくとも今回の汚れ仕事に対する覚悟について「わかってない!」ってぴしゃっと言っちゃったときには、ちょっとイラッとしてたのかもしれない(笑)。だっていつもの大谷さんなら「うんうんそうだね」で流すもの。今回真剣に利休(堺商人)を排除したかったから、余裕がなくて思わず本音が出ちゃったのか。
こうしてみると大谷吉継って、三成が「自分はそういう人間なのだ」と思い込みたい理想像そのものではありませんか。
ここで三成が内心そういう大谷さんにあこがれてるとかだったらまた違うんだけど、少なくとも今回までは、三成は大谷さんがそういう人だって全く知らなかったっぽい。自分と同じ目線だと思ってたのに、実はそうじゃなかった現実に戸惑ってる感じ。
そこでショック受けて引いちゃうのが三成の限界なのかも。もちろん彼なりに消化して昌幸パパに頭下げたみたいに受け入れるんだろうけど、気持ちの面ではずっと引っかかってて戸惑いつづけるんだと思う。
三成の自覚はさておき、実際の心理的距離は清正や正則のほうが大谷さんよりは近いはず。大谷さんと死んでない子供の葬儀手配をするより、清正たちと祈願の水垢離するほうを選ぶってそういうことだと思う。
あの脳筋どもは「佐吉はそんな冷たいやつじゃねえ」って野性的直感でわかってんでしょうね。彼らの言動から、秀吉がのし上がる前から仲間だったことは伝わってくる。
でも大谷さんは三成含めみんなから役職で呼ばれてるし、脳筋連中は大谷さんをほぼ勘定に入れてない。刑部のせいで三成との距離ができた、とも思ってない。大谷さんイマジナリィフレンド説や御文庫の妖精さん説が出たのは(笑)、豊臣家で大谷さん単体を相手にする人がいなかったからでしょうね。
わたしこのドラマで初めて大谷さんを認識したレベルなんだけど、この人、秀吉ファミリーじゃないんだよね? 距離感がぜんぜん違うもの。
三成の失敗や手落ちのフォローをしてやるだけの関係性や親愛の情はあるみたいだけど、自分の目的よりも優先されるべき存在ではないっぽいですね。
かといって三成を利用しているというほどでもなさそう。もちろん「汚れ仕事から遠ざけて守ろうとしている」ようにも見えない(そうする理由がない)。しいて言うなら、秀吉ファミリーでない自分が豊臣家の中で最大限に動けるよう、三成を自分とみんなのあいだに立ててるのかも。
だから他の武将たちみたいに、主従や戦友みたいな強固な絆は今んとこ感じられないなあ。仲のいい同僚って感じ。
ていうか大谷さんの目的ってなんなんだろうね? 秀吉個人への忠義ではなくて豊臣政権を持続させたいのはわかるんだけど。
大谷さんに今いちばん近いタイプは、源次郎なんでしょうね。
目ざとい、頭の回転が速い、気遣いができる、気持ちの割り切りや切り替えも三成よりはできる。実際なんか事件が起きたときは大谷さんと信繁がメインで動いてるもの。あの二人の会話って無駄がなくてホント気持ちいいです(笑)。
でも年下だし身分も下だから対等には話せない。そこが残念。さすがに信繁×大谷さんとかやったら娘に怒られるよね……きりちゃんにもね……(えっ)
先走って治部×刑部なんて書いちゃったけど、なんか萌えの方向まちがってた気がする。申し訳ないから下げようかとか思っていますがそっちのほうが失礼なのかしら。
あ、治部が景気よく脱いだシーンでは、脳筋コンビも脱げよと思いました。パンツ一丁で水かぶるくらいじゃないとみっちゃんに勝てないだろうがよ。ていうか文官のみっちゃんがいちばん体厚いってどういうことだよ。清正則も鍛えなおしてこいよ細ぇよ。
大谷さんだって脱いだらすごいと思う。あの厚みがぶつかるのを想像してるぶんには楽しいんですけどね。じゃあそっちの方向で考えなおしてみます! ぶつかり稽古!