ぼくとしょ。

弦ちゃんが渋谷にいるというのでわざわざ見にいってきましたよ。
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……嘘です。
渋谷パルコのびればん周辺が、ワンピショップはいいとしてホクロのバスケとかそういうショップが出ててそういう女子がたくさんいて、渋谷っていうか池袋でした。
ちがう、私の知ってる渋谷はもっとオシャレでオタクを寄せつけない街だったはず……ッ!
などと久々の渋谷にキョドりながら、行ってきましたぼくとしょ!!


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『僕等の図書室~みんなで読書会~(ぼくとしょ2)』
1は大阪公演なので、関東公演は初体験です。
大江戸鍋でアワレンジャーを演じた5人が、国語の先生になって朗読の授業をするというシチュエーション。でも今回はスケジュール的に出られないミカミの代わりに、おーやまとイザワが入って6人で授業をします。ま、大江戸鍋つながりですね。
メンバーの印象はこんな感じ↓
むらい:押しも押されもせぬもはや安定すぎるベテラン/先生の演技が妙にリアル
りゅうくん:正統もイロモノも素も自在に乗りこなす便利屋さん/先生だけどピアス
いぶか:徹底的にキャラを極めた永遠の女子/たぶん女教師と思えばいい
たきぐち:自分でもどこへ行くかわからない暴発系飛び道具/もはや先生でもない
おーやま:ミュージカル界からの重量系刺客/どう見ても体育の先生、実質は音楽の先生
いざわ:ただのアイドルじゃなかったハイスペック・ダークホース/お気遣いの教育実習生
ちなみにこの人たちを歳の順で並べると、
(みかみ>)りゅう>たきぐち>いぶか>むらい>おーやま>いざわ
なんですな。……いろいろとこみ上げてくるものがあります(笑)。
トークのネタで「ゆーきはクビ」みたいな流れになってムライもそれに乗ったとき、が「ムライ先生に言われるとなんかダメージ大きいんでやめてください」みたいなことを言ってて、彼の中ではそういう序列になってるんだなと思いました。いやタキグチに言われてもきちんと後輩キャラで返してたじゃん! なんでムライは別格!?
あと、おーやまが比較的おとなしかったというか、遠慮がちというか、ちっちゃいムライの横でおっきい肩すくめてちょっとおろおろしてるのがおもしろかったです。
ていうかどんだけ大御所なのムライ。一人だけ三十路とかそういうあつかいだよコレ。
はりきって6作品全部観ちゃいましたー!(笑)
全体的にはすごく楽しんだんだけど、自分がすごくもの申したい領域ってこともあって、ちょっと感想がこじれてます(笑)。長いしネタバレです。覚悟のある方だけどうぞ。

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観た順に。
1公演3作品で120分、あいだにいろいろ挟まってるから、一人あたり30分弱でしょうか。
見終わったあとアルカリと数時間感想を語ってたので(笑)、もうどっちの感想だかわからなくなってます。よかった作品は絶賛、そうでないのはフルボッコですのでご了承ください(笑)。
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6人が出てきて「起立・礼」をお客さん全員でやったあと(ムライに突然号令されるとつい立っちゃうんだコレが)、これから国語の授業を始めます、という形式。
着替えもあるので、準備のための場つなぎに、先生の一人が舞台に残って寸劇をやります。
最初はおーやまこと、まぁくん先生。
自信が持てない生徒の悩み相談に乗るという体で、自身の「体重100kgの老け顔デブキャラから、夢だった役者への華麗なる転身を遂げる」までの実話を語ってくれました。いやホント……役者になってよかったよね(笑)。
準備が手間取ってちょっと時間が余ってしまい、困った先生はなにか歌うのでリクエストをくださいと客席に振ります。ここで指されて「松廊」って言ったおねーさんすごい。ニッケルだったら思いつかずに童謡のタイトルとか口走っちゃう。アルカリはフツーに洋楽リクエストしちゃうって言ってました。まあがっちり鍋ファンだったお客さんのおかげで、アカペラのキラキラキラーズも聴けまして盛り上がりまして、準備もできまして、最初の授業の始まりです。
(D)かっちの沖田総司
かっち+りゅう・むらい

まんま新選組コスで登場。うん、イブカ脚長いから袴似合わないね(笑)。
最初にコレって実はけっこうきつかった。まずホンが「?」っていうクオリティだったのと、そしてメンバー中最も滑舌のよろしくない男でしたから(笑)。サイドの二人がいなかったら、相当しんどかったと思います。
ムライの、拷問大好き土方さんが最高にキャラ立っててよかった。二言目には「拷問するぞ!」ってうれしそうに言うの(笑)。べらんめえの土方と鴨を演じ分けるとこはさすがです。
りゅうくんは、かっこいい近藤さん。「組!」の近藤くらいかっこよかった。あと力士すごかったな。数人やってたもんな。ちゃんと力士だったもんな。
ただホントに、テキストが……沖田の幼少期から死ぬまで+土方の最期っていう長い期間を、あちこちの新選組小説から抜き書きしてつなぎ合わせたみたいな、冗漫だし盛り上がらないしまとまってもいないし、なにより声に出して読ませるための日本語じゃなかったよ。時代劇でもない歴史物でもない、沖田総司の人生をイメージでダイジェストにしましたって感じで、これを朗読劇にした意味が全くわからない。せめてなにかの小説を下敷きにすればよかったのに。
それを、沖田総司になりきってもいないイブカがたどたどしく読み上げるから、「なんで? なんでお姫さまじゃダメだったの??」って残念感ばかりが残る作品でした。
コレはね、イブカの実力もあるけどテキストが悪い。イブカ、がんばったよね、よしよし、っていう感じで、サッカーボールぶつけるのは勘弁しておきます。うん、もっと発声勉強しようね。
イブカとりゅうくんが退場し、残ったムライが場つなぎの寸劇を始めます。
自販機のジュースが出てこないとかお金も返ってこないとか、相変わらず小芝居が効いてます。
いじめの現場に遭遇し、いじめられている生徒を気遣って親身に……かと思いきや、生徒のイケメンっぷりにドキドキしながらまさかのBLネタ、しかも妄想オチというナナメ上をいく展開でした。ちなみに妄想イケメン生徒の名前は「こじろう」(笑)。
でもねムライ先生……生徒の肩に手を置いたとき、ナチュラルに見上げてたよ……妄想の中でも背が低いキャラなんだね……先生、見下ろしたことないもんね……死角なしの鉄壁ムライ、初めて弱点を見つけた気がしました。
(C)りゅうのピーターパン  
りゅう+ゆーき・まぁくん

緑のジャージでだるーく登場。
冒険心を失ってしまったピーターパンが、彼を信じている下町の木下さんちの兄弟ケンタとショウタのところにやってきて、二人とネバーランドで遊んだりフック船長と戦ったりして元のピーターパンに戻るんだけど、結局は大人になりたい二人と別れてしまう、というちょっとひねってはあるけど基本ラインは押さえてるお話。
りゅうくんはホントすごいね! どこまでアドリブなんだかわからないけだるーいヤンキーのピーターパンから、勇気を取りもどしてヒーローになるまでの変化を自然に演じてて、下町のうるさいおとうちゃんとおかあちゃん、オカマの人魚、極悪なフック船長までさらりとこなしちゃうんですよ。彼はどこいってもやっていけるよ。彼がここにとどまってる幸せに感謝しなくては。
イザワの弟キャラが胸キュンでした。「兄ちゃん!」ってキラキラしてるのがホントにかわいい。ちょっとワガママ言っちゃうとこなんか、ぎゅってしたくなるくらいかわいい。実際、ストーリー上おーやまにぎゅっとされてましたが(笑)。
おーやまは……兄ちゃんっていくつだよ兄ちゃん、とは思いましたが、イザワのかわいさにも救われて(笑)、頼れる兄ちゃんしてました。
ていうかホントに歌要員だな! ネバーランドに飛んでいく途中は、席を立って3人でゆーみんの「やさしさに包まれたなら」を歌いながら駆け回るんだけど、歌はほぼおーやましか歌ってませんでした。彼はこのために呼ばれたんだと思います。
おーやまのくどい芝居が、りゅうくんやイザワのテンションとちょっと合わないかなという部分はありましたが、トータルでクオリティの高い作品だったことはまちがいないです。ハズレなし。
りゅうくんの「ミカミとリョータがよかった……」っていうぼやきがすごいツボでした。そっか、前回はその二人が兄弟だったのね。どっちが兄だろう……(真剣に悩む)
場つなぎはタキグチ。
GTO、「グレート・タキグチ・おかげさま」の登場です。コレがいちばんウケた。
寸劇というかトークで、どこへいくかわからない展開に自分でも戸惑いつつ、お客さんに振ったりいろいろがんばってはいました。うまいこといくとおもしろいんですけどね。しっかり出てきたと思ったら後半持てあまし気味の空振り気味で、でもまあお客さんの反応を見ると、そんなところも愛されてるようです。オイシイな。
(A)三銃士ムライ
むらい+かっち・ゆーき

いちおう銃士の格好で登場したのですが、銃剣・帽子・上着を全部最初に外してしまったので、わりと軽装でした。まあね、ムライの発汗量を考えたらね。
ダルタニアンから始まり、お父さん、威厳のある国王、陰険なはんなり王妃、小悪党リシュリュー、イケメン伯爵バッキンガム……と癖のあるキャラクターをくるくると演じ分ける手腕はもうさすが以外の感想が出ません。
ここで、イザワのハイスペックが明らかになります。最初の「羊の鳴き真似」がわりと本格的だったところから「!?」って思ったのですが、かっこいいアトスと、訛りきつすぎてなに言ってるかわからないポルトスを同時に、会話までするのですよ。見えたもの、凛々しいアトスと横に大きいポルトスが。モブも自在にこなしてて、軽く衝撃。たぶんアドリブも入れてて、ムライが思わず笑っちゃうほどで、それに対してイザワがちょっと照れる、みたいなのが若さを感じさせて非常に微笑ましかったです(笑)。
イブカは、弱そうな悪役ロシュフォールと、アラミス……が夏風邪をひいて寝込んでいるので代理でやってきた「母です!」という超展開で、うまくキャラを出してました。お母さん、けっこう役に立ってたよ(笑)。
お話は、剣を抜かずに人を使って状況を切り抜けるというスタンスのダルタニアンが、王妃の首飾り事件を通して腐った国政の裏側を知り、最終的には国王・王妃・枢機卿を手玉に取るところまで上りつめ、フランスを平和な国にしたのでした、めでたし、という流れ。長い話の1エピソードだけを抜き出すのは正解だし、キャラの改変もよくまとまってて、小賢しいだけじゃない、かっこいいダルタニアンでした。
こういう「計算高いけど信念貫いてる多層構造の男」みたいなのをやらせたらムライは天下一品だと思います。このムライすげえ好き(笑)。
どうでもいいけど、情景描写力は萌えも生み出せるんですね。
シャンデリアから落ちたダルタニアンを危機一髪のところでアトスが助けるという、読まれたのはただ一文だけなのですが、スマートでかっこいいアトスが小柄なダルタニアンを横抱きにさらう光景が、私には見えましたよ!! イザワ×ムライ
この公演はここまで。
最後にホームルームでピアノ伴奏(&作曲)の人の紹介と、「下校の歌」としてなぜか海援隊「スタートライン」を歌って踊ります。そこは全員できるからね。あ、約一名ちょっと不安だけどね(笑)。
最後はまた起立して、「先生さようなら、皆さんさようなら」と隣のお客さんにも(笑)礼をして終わります。「知らない人に挨拶するの恥ずかしいですけどね」ってにやにや言ったムライが、いいドS顔でキュンとしました。わたしどんだけムライ好きなのよ。
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2公演目。
準備までの場つなぎはイブカ、かっち先生。
超文化系(女子)なのにルールも知らないサッカー部の顧問になってしまって困った先生。でも部員が足りなくて廃部になるらしい、やったー!と思っていたら、部員たちが泣きながら訴えてきたので、思わず先生が部員を集めるから!と言ってしまう先生。かわいい生徒に向かって満面の笑顔で「いっしょに行こうね、甲子園!」!
……こういうネタを自分のキャラでできてしまうイブカってやっぱりすごいと思いました。
(F)ゆーきのピノキオ
ゆーき+むらい・たっきー

ピノキオといえば!ということで、半ズボン&ニーハイという二十歳過ぎの長身には厳しいスタイルなのに、イザワがやるとフツーにかわいいから腹立つなあ!(にこにこ)
ていうか、終始かわいい。イザワの実力もかわいさもすでにわかってるので、ひたっすらにこにこしながら見てました。和むわ~。
ネタ的には、ディズニー映画のストーリーかな?に現代的なパロディネタを織り込みつつっていう感じだと思う。断片的にしか知らないのでごめんなさい(笑)。童話風は崩さずに、きつめのギャグもさらっと乗りこなすイザワの語りはすばらしいと思いました。
ムライのおじいさんは……あいつもうおじいさんだけやってればいいよ。年寄りやってるときいきいきしてるらしいって本人も言ってたし。とはいえ、アルファロメオに乗ってるキツネもイケてました。悪役は文句なしに巧いよね。
タキグチは、美人じゃない青い妖精と、ワイルドなコオロギのジムニー。どっちもエセガイジン口調だけどうまくキャラ分けしてました。イザワにムチャ振りしたのに逆に乗りこなされてしまって墓穴、みたいな場面もありつつ……
あんなぶっ飛んだ話なのに、キャラもイロモノばっかりなのに、ちょっとほろりとしちゃうのは、まちがいなくイザワの表現力でしょう。これからが楽しみです。
場つなぎはりゅうくん。
前回はヤンキーキャラだったの? そこから、今回のマジメキャラになった経緯が語られます。
校舎にラクガキをしていた生徒のミカミマサシ(笑)に、趣味は?園芸って言えよ……などと絡みながら、ラクガキのお手本を示していたら校長に見つかって給料カットを言い渡され、ついカッとなって拳銃(笑)に手が! そこで止めに入ったミカミを殺してしまいそうに……ということで反省してマジメになったのでした。ツッコミどころ多すぎる。
ピーターパンでも思ったけどりゅうくんミカミ好きだな!ていうより、不在のミカミに対するお気遣いがハンパねえな、と思いました。全方向のフォローありがとう、フォロ方りゅうくん。
(E)まぁくんの走れメロス  
まぁくん+かっち・たっきー

ローマ風のスカートみたいな衣装で登場。直前のピノキオの愛らしさを忘れそうな、殺傷能力のあるぶっといナマ足です。立ってるだけで笑いが起きるのに、キャラもおかしくてそれでいきなり歌い出すんだからダメだわ、反則だわ。
「リーディングミュージカル」ってなにかと思ってたんですけど、ホントにガチでセリフを歌うのね。ど直球でミュージカルでした。なので、お客さんのほうも歌い終わるたびに拍手。しまいには手拍子。その流れでか、最後の拍手もヤケクソ気味にいちばん大きかった気がするのはたぶん贔屓目じゃない(笑)。
内容は、自分大好きなポジティブバカで嘘がつけなくてついでにシスコンのメロスが、自己愛を歌い上げつつ、とにかく自分の思うままに行動して、でも最終的には親友を助けて王とも仲良く歌い踊るという、勢いとテンションの作品でした。
最も感情移入できるのは、タキグチの暴君ディオニスです。「歌うのをやめろ!」「その(変)顔をやめろ!」ってお客さんもみんな思ってた。とにかくメロスが暑苦しくてウザい!(褒め言葉)
萌え系妹&よくできた友人セリヌンティウスのイブカもよかった。ラストで二人が「ぼくを殴れ!」っていう場面で、おーやまメロスが「ぱんっ」って張られた程度なのに対して、いぶかセリヌンティウスが「どごぉっ」って殴られて沈んだとき、会場全体が「ああそうだよね」的な笑いに包まれたのが、気持ちのいい一体感でした(笑)。
あとで暴露してましたが、セリフを歌う場面はかっちり曲があったわけじゃなく、おーやまがほぼノリでメロディを乗せてたそうで……根っからのミュージカル俳優だね。
ちなみに、実はいちばん原作そのままのストーリーラインでした。脚本は毛利さん。完全におーやまありきで、演出もなにもかも全てのピースがうまくハマった作品だったと思います。
メロスは二度ほど全裸になるわけですが、なんかもう脳内では終始全裸のおーやまが歌って踊って走ってました。ううん、すごい破壊力……じゃなく、説得力のある演技でしたよ。情景が浮かぶってこういうこと……だよね……
場つなぎのイザワが出てきたとき、舞台の真ん中を見て「ここだけ水がこぼれてる……」と呟くくらい、汗だくだったようです。拭いてやれ、だれか拭いてやれ。
イザワは教育実習生なので、これから先生になる夢を語ります。3年B組の担任になりたい「ゆんぱち先生」と、赤いジャージ着たい「ユンクミ」はガチでおもしろかったです。そうこうしているうちに靴箱の中にラブレターが入っていてわーどうしよう!!という話。おーやまは困ったら歌ですが、イザワは困ったらダンスでした。いっぱい見られて眼福でござった。
ネタに出てきたイングリッシュの「ミカ」ティーチャーは……やっぱ不在のあの人かな……
(B)ユキヒロの智恵子抄
たっきー+まぁくん・りゅう

正統な書生姿で登場。登場した瞬間、客席から「かっこいい……」とため息混じりの声が洩れたのが印象的でした。私らは遠かったせいかよくわからなかったけど(笑)
光太郎の日記風ストーリーと、サイドの二人が読む詩を織り交ぜた、唯一のガチ「朗読」。今まであんまりタキグチの「いい芝居」を見たことがないので(歌・ダンス・アクションがメインだった)、今回はけっこう期待してました。見なおしたわーって言うつもりで来ました。
まず、おーやまの朗読がとてもよかった。直前にバカメロスやった人間とは思えないほど(笑)、抑えたトーンの中にも情感がこもる、まさに「役者の朗読」という感じ。でもコレ全編おーやまだったら、気持ちよすぎて寝るわ(笑)。
りゅうくんの声は本来朗読向きではないんだろうなと個人的には思うんですが、それでも淡々と堅実に読み上げて、しっかり雰囲気を作り出していました。
タキグチは、声はそんなに悪くないと思います。こういう声質の声優さんたしかにいるよね、という感じで。でも、結局だれに似てるのか朗読中に辿りつかなかったのは、やっぱ実力かなと……
役者としての表現力がどうこうの前に、単純に「読む」技術が足りてなかった。滑舌とかスピードとか。聞きづらい=入り込めないんですよね。後半は気持ちだけが先走っちゃった感じもあって、芝居ならともかく朗読ではNGでした。逆に言えば、読む技術さえしっかりしてれば、ファンの子がうっとりするビジュアルなわけですから、ちゃんと光太郎になれたと思う。
あえてひどいことを言えば、この「正統な朗読」はタキグチでなくミカミで聴きたかった。そしたら素直に泣けたはず。
他の作品はそれぞれ「彼にしかできない」っていうマッチングがあったのに、これだけはタキグチが読むという必然性を全く感じられませんでした。書生スタイルも見た目はよかったけど動きまではハマりきれてなくて(下駄、難しいよね……)、コスプレも含めてもっと彼にふさわしいテキストがあったんじゃないかなというのが正直なところ。
おーやまとりゅうくんがすばらしかっただけに残念な作品でした。そしてこれが最後だったのもちょっと残念だったかなあ……帰り、タキグチの話ばっかりしてたもんなあ。
ラストは、智恵子から戻ってこなくてドSキャラを忘れたタキグチをみんなでフォローしつつ(笑)、また歌って踊って終わります。ホント幸せな時間をありがとうございましたv
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私事で恐縮ですが、ストーリーテリングというものに関わってたことがあります。簡単に言うと「本を見ないで語り聞かせる朗読」みたいなもので、子供向けの短い話だけでなく、1時間かかる作品をやる人もいます。芝居ではありませんが、発声・滑舌・ペース配分などは、朗読劇/リーディングと共通のはずで、もちろんなにを読むかという題材選びも重要です。
「沖田総司」はその題材選びから失敗で、「智恵子抄」は純粋に練習不足で、ストーリーテリングならどちらも練習の段階で気づくことです。なのに、それを改善も軌道修正もせず、プロが金とってやっちゃいかんだろうと思うわけです。しかも2回目なのに。スタッフも演者も初めてじゃないのに。
……ていうムダなこだわりとかがあって、どうしても「もの申さずにはいられない」のでした。
あとの4作品はほぼ芝居として楽しんでたんですけど、よりによってそこが「朗読」だったか……という感じで、そこだけがすごく残念です。
総括すると、実力差が歴然すぎて、当たり外れがはっきり出てしまいましたね。
安定のムライ・りゅうくん・おーやまに、同等のスペックを持った後輩イザワで、これにミカミが戻ってきたら最強の布陣だろうなという感じ。
でもおーやまは今回やりきったというか出オチ感もあるので、別の新戦士と入れ替わりでもいいかな。カラーの違いで化学反応は起こせたけど、ずっといっしょにいる感じじゃないかも。
イブカとタキグチは、個人的な意見を言えば、実力の平均値を下げるだけだからいなくてもいい。伸びるかどうかもわからない彼らを育てるために金を払うほど私は親切じゃない(笑)。成長過程につき合えるのはSHTだけです(笑)。
でも、彼らがここにいる理由もわからなくはないので……
二人ともそれぞれ愛されている自身のキャラという強みがあるし、文字通りの戦隊方式で「5人そろって意味がある」という面もわかります。実力不足とはいっても巧い連中の足を引っぱるというほどじゃなく、ただ単純に「メインを張るのは難しい」というだけ。全員が主役の「ぼくとしょ」では厳しいよね、というそれだけなんですが。
単純計算で、満足度70%だよなあと思うと、どうせなら100%がよかったなあと思うのは、4500円×2では贅沢すぎでしょうかね?(笑)
……いや、贅沢なんです。わかってます。この公演の倍率はとんでもないことになってたらしいです。運よく2公演も取れて、休みも取れて(笑)、一日彼らの授業を受けられたのはホントに幸運だったとは思うんです。
でもまあだからこそってあるじゃない?(笑) 100%楽しめるなら、もっと払ってもいいよ。
実力での分散はわかるんだけど、ムライとおーやまの絡みが見たかったなあ。
なんか方法論的に真逆の役者って感じがするので、朗読劇って限定された芝居の中で二人がどうぶつかるのかを見てみたかったです。これにミカミを入れて、美声&情感対決で。
……とりあえず弱虫ペダルのDVD買おうか(笑)。

演劇・舞台

Posted by nickel