緋色の研究。

ヤザキ回を観にいった人たちから「なかなかよかった」という感想を聞いて、でもムライさまの回は瞬殺で手に入らないし……と拗ねていたのですが、当日券もあるということなのでなんとか時間作って行ってきました。
太一×窪田回に。
まあムライさまのチケ争奪戦に挑む気力はさすがになかったんで……(笑)
銀河劇場で当日券買うのは2度目なんですが、劇場スタッフが素人かってレベルで動かなくて超イライラした……いちおう人気の劇場なんだから、こんな手際悪くて不親切でいいわけないだろってキレそうになりました。実際何度も怒られてコレなんだろうからもう直す気ないんだろうけど。
あと、開場まで複合施設であるタワー内の通路で待たされるので、モノによっては軽く羞恥プレイだったり、お仕事中のビジネスマンに冷たい目で見られたりします。自分があのタワー内で働いてたらやっぱりイラッとすると思うもの。
なので天王洲の銀河劇場で当日券観劇はおすすめしません。チケは前日までに買って、開場後に劇場へ向かうのが吉です。
ま、すっごいもの見ちゃったからクレームも引っ込んだけどさ(笑)。
新しいお気に入りの若手俳優がまた増えたよ。
くぼたまさたかくんっていうの!(笑)


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公式サイトなどを見ていただければわかりますが、書斎風のセットの中にソファが二つあって、ホームズ役とワトソン役が座ってテキストを読み上げます。地の文はワトソンが書いたという設定なのでほぼワトソンが読むのですが、その他の役もほとんどワトソンが一人で演じ分けます。
またこのテキストは前半がロンドン、後半が犯人の回顧という二部構成ですが、後半の犯人役はホームズ役がやります。その他の役はやっぱりワトソンです。
つまり、総合的に高いスキルを求められるのは、確実にワトソンなわけです。ワトソンの実力が足りなくて「あー……」みたいな回もあったと聞きました。
今回は、ホームズが太一、ワトソンが窪田です。
感想より先によくわからない語りを入れさせてくださいね(笑)。
私はくぼたくんはテレビでしか見たことなくて、それで鬼気迫る演技や細かい芝居なんかに毎度すごいなあと思ってて、でもそういうのを拾える映像向きの俳優だなと思ってたのね。実際、舞台での生芝居をそんなにこなしてるという感じでもないし。ああいうひとつの役にはまりこむタイプの演技を、読むだけの朗読劇でどう応用するのか見当もつかない。
だから、今回はもちろんきっちりテキストは読むだろうけども、まあ生で見られたらいいや、生の声が聞けたらいいやくらいのミーハーな気分で行きました(白状)。あとかわいいワトソンなんだろうなーくらいで。
幕が上がって芝居が始まったとき、そこにいたのはまぎれもなく舞台役者でした。声の張り方、ためらいもない大仰な芝居に、率先して笑いをとりにいくしたたかさ。ふっと素に戻ったみたいな力の抜き方。
でもこれはテレビで見てたくぼたくんじゃない。とりつかれたみたいにひとつの役になりきって、徹底的にそのキャラクターを自分自身としてリアリティを追求する彼じゃない。彼は今たしかにすべての役を「役者として」「演じて」いる……これは、なんだろう?
そこではっと気づきました。
ああそうか、彼は今「声と表情だけでたくさんの役を演じ分ける舞台役者」になりきっているんだね。舞台役者の魂を下ろしてるんだね。しかもたぶん劇団系の中堅レベル(笑)。
なにかの評で「憑依型俳優」と書いてあってものすごく納得したのですが、その憑依方法がハンパなかったわけです。演技の感じはムライにすごく近いかもしれない。ああいう器用さと実直さとテンション。でもたぶん方法論がぜんぜんちがう。
いかにも客席に向けて「読み聞かせて」いるような目線を投げかけたり、ホームズがしゃべってるときも、いちいち動作を真似してみたり、話してる内容に合わせてリアクションしたり、一瞬たりとも休んでなかった。水を飲むのも演技に合わせてという徹底っぷり。
彼はたしかにいつもどおり、「憑依」させてたんだと思います。ワトソンではなく、「朗読劇でワトソンを演じる役者」を。こんな子初めて見た(笑)。
映像作品で見せてきた繊細な演技表現をかなぐり捨てて、大胆に堂々と「舞台の上ならなんでもやる劇団系俳優」という役になりきっていました。
すっごいもん見たわー。としか言えない(笑)。
どうでもいいけど、デフォルト(ワトソンのとき)でちょっと内股というか足そろえて座ってるとこにちょい萌えました(笑)。他の役になると、がっとひざ開いて「男!」になるのに。あと眠いときにホームズに起こされてねむねむな状態でしゃべってるのがかわいかった!
じぇれみホームズみたくにやにやしながら寝顔を眺めたり、だうにホームズみたく婚約者とのデート妨害してむくれる顔を見てみたいワトソンでした。
一方のたいちくんですが、これは純粋に向き不向きだと思うわ……
声の出し方ひとつとってもぜんぜんちがうし、やっぱ滑舌は微妙だし、ああいうタイプの台詞は読みなれてないんだと思う。
くるくるキャラを変えるというのもたぶんそんなに得意ではない気がする。たいちは見たことないけど、大衆演劇は見たことあって、そこの印象からするとやっぱり衣装とかそういう外的な要素から演じ分けていくんですよね。声色を使う感じではない。
彼のホームズはかっこよかったし、そこまで悪くはなかったと思うんだけど、ワトソンがレベル高すぎてどうしても役者自身が冴えない感じに見えてしまいました。ホームズではなく、ホームズと犯人を演じるさおとめたいちという役者がね。
ちょっと大人の事情を感じる組み合わせなだけに、そんなことないよ、どっちも実力派だよ!って言ってもらえなかったのが残念です。
そこでね、ちょっとホームズ×ワトソンに萌えきれなかったのね(笑)。
まあ正直、たいちはくぼたくんに釣り合わなかった。ファンの人には悪いけどそこは事実。
今回のラインナップで私が知ってる範囲なら、ヤザキあたりをぶつけてみたかったかも。あとガッツ王子の人(笑)。やましげもいいなあ。
ムライはたぶんケンカする。ドラえもんvsキテレツみたくなる。でもそれも化学反応としてはおもしろいと思う。
先日のリーディングメンバーなら、イザワとかどうだろう。りゅうくんはどんな相手でも乗りこなせそうだからあまりおもしろくはならないかな(笑)。ガチ舞台俳優のおーやまなら、どこまで張り合えるか試してみたくなるかも。まあ途中で必ず歌わされるけど……
「舞台俳優くぼた」を、同スペック別メソッドの役者の中に放り込んでみたいと心から思いました。
とにかくごちそうさまです。
大河でお茶の間知名度が上がっている今の彼をちょっと見ておこうと思っただけで、予想もしなかったとんでもないものを見せられて非常に得した気分になりました(笑)。
次は、次こそは、くぼたくん絡みの萌えをください……!!(重盛のときから切実に希望)

演劇・舞台

Posted by nickel