古代史万歳。
いつのまにか三部作になっていた、古代史ドラマシリーズ。
教科書の年表的にいうと、
603年 冠位十二階
645年 大化改新
752年 大仏造立
としっかり年代順できてるので、そろそろ794年の平安京遷都などやってはどうか。個人的には蝦夷三十年戦争に絡めて田村麻呂メインでやってくれたら前のめりで食いつくのだが、ちょっと主旨から外れるだろうか。
まあそんな期待はともかく、10年越しの第3弾です。
「聖徳太子」の感想はさすがにないけど、「大化改新」はなんとか発掘。5年前からテンションが変わってない自分にちょっと引いた(笑)。
大河は戦国と幕末を交互にやることになってるらしいのでネタ出しがたいへんで冒険も命がけでしょうが、古代ってわかってないことだらけで手つかずだから、ファンタジー感覚で好き勝手できて楽しそうです。スペシャルドラマというヤり逃げ感もいいですね。
自覚的かどうかはさておき、共通テーマというか共通萌え要素が2本あるんだなと今回になって思いました。
◎どんな政治的妨害にも負けない強い絆で結ばれた主従
(聖徳太子/伊真、中大兄皇子/中臣鎌足、阿倍内親王/吉備真備)
◎正義を貫く清廉な主人公と、彼を求めながらも汚したい敵役
(聖徳太子/蘇我馬子、中臣鎌足/蘇我入鹿、吉備真備/阿倍仲麻呂)
パターン化といってしまえばそれまでだが、そういうジャンルなのですと言われたら反論できない気がするこの強固さ。とくに後者、単純に嫌ってるんじゃなくて愛情の裏返しで憎んでるあたりなんかは、妙にマニアックな嗜好を感じます。ぐっじょぶ!
ということで遅まきながら感想など。
あ、NHKオンデマンドで配信してるみたいですので、もしよろしければどうぞ。
前編は17日まで、後編は24日まで、各315円です。
いつのまにかMacやWin2000(Firefox)でも見られるようになっていたよ!
今回は公式サイトが充実してるので、作品解説は割愛しますね。
そのへんにも時代の流れを感じる……(笑)
放送基準的にギリギリだった聖徳太子、キャスト・ストーリー的に冒険しすぎた大化改新に比べると、「地味だなあ……」というのが正直なところです。人間関係とストーリーがちょっと薄かった……時代が下って遊べなくなってきたのもあるのかな。前2作並みのトンデモ展開を期待すると、ちょっとおとなしすぎて肩すかしです。
そもそもタイトルは「大仏開眼」なのに、真備は開眼のとき都にいない!というのがありだったのか。主題と主人公の組み合わせが微妙で、盛り上がりの部分がわかりにくかったような気がします。ていうか真備、しょっちゅう中央から飛ばされてるしね(笑)。不在中に話が進む、WJ主人公みたくなってました。
大仏作るのに反対してた真備が、みんなから大仏を託されるっていうのはいい流れだなって思ったけどね。私は仏教徒ではないけども業界に片足突っ込んでるので、理詰めで考えてた真備が念仏を唱えるようになる、っていう流れをものすごくドラマティックに受け止められたのですが、たぶん同じように感じた人ってそんなに多くないと思う(笑)。
とにかく地味なドラマでした。
役者さんはよかった! 豪華なだけじゃなかったよ。
聖武天皇がまさに「聖人君子」ていう感じで、自然と頭を下げたくなる帝でした(笑)。行基さまもつい手を合わせたくなる感じ。この二人にそろって大仏作りたいって言われたら断れないよね(笑)。
仲麻呂と玄ボウの肉食っぽいギラギラ感もいやらしくてよかったです。その肉食獣たちが結局、草食系の真備に敵わないんだよ。もう肉食同士噛み合ってればいいんじゃないあの二人。
あと真備と阿倍内親王の清い師弟関係もいいなあ。主従なのに師弟で、身分の高いほうが年下で、って立場が全部逆転してるところがすごく好みです。「一生そばにいろ!」ってなんかいいよねえ(にこにこ)。
まとめると、
「吉備真備が主人公の、大仏造立をテーマにしたドラマ」というのは、目新しくてなかなかよかったです。ちょっと残念な点もいくらかあったけど、私は好きでした。
ていう感じ。
仮に、すっげーつまんねードラマ!って言われても、まあそうかなとは思います(笑)。
燃え&萌え的には満足でしたけどね!
真備が、普段は弱々しくておどおどしてんのに、仲麻呂(=敵)の前ではものすごく強くてかっこいいのがぐっときた。前編も後編も、丸腰の真備が権力者仲麻呂に言葉だけでぐいぐい迫っていく場面がクライマックスだと思います。仲麻呂が一方的に真備を蹂躙しているように見せて、一貫して真備優勢なんですよね。すっごい燃えた。
だから、ラストはもうちょっと盛り上げてほしかった……二人の立場が逆転したところで再び向かい合う、ていうのはすごい萌えどころじゃないですか。あと一歩!
萌えは、やっぱ海蔵でしょうか!(笑)
キャスト表見て、「えーそうちゃん出るの!?しかもオリキャラ!?」と盛り上がっていたのですけど、実際は「後編にならないと出てこないんじゃ……」「真備の後ろにいるだけでセリフもないんじゃ……」とかなり期待値を下げていたので、わりと早い段階で真備と劇的な出会いを果たしたのは正直びっくりしました。
そのあとはとくになんのやりとりもなく家来になってたけどね(笑)。でも行基と真備をつなげる重要なポジションだったわけで、もっとビッグネームがきてもおかしくない役だった気がする。ファンとしてはなかなかオイシイとこをいただきました。ごちそうさまです。
太宰府に送られたときちゃんといっしょだったのに萌えました。まあ地味なドラマにふさわしい、地味な萌えですよね(笑)。
というわけでニッカリズムでは海蔵×真備を推奨します。
中型犬×小型犬。限りなく百合。
ちょっと手が空いたら書いてみたいと思ってます。
ニーズ? ないのが普通だと思ってますから!(いい笑顔で)