プリキュア!?
◎用語解説:チームフジワラ【ちーむふじわら】
藤原啓治ファンを自認する人々。
藤原声が聞こえるといきなり挙動不審になる。
藤原キャラがツボに入ると社会性を失う。
藤原キャラがツボすぎると世の中を疑いはじめる。
藤原キャラがオイシイ役だと世の中に向かって謝りはじめる。
よく言われること:「ホントにファンなの?」
もうさ、脳内藤原祭りなのに帰ってきてテレビつけたら銀魂再放送が全蔵話ってどゆこと!? なんの罠!? 私なにかに狙われてる!?(第4項目に該当)
……えー、プリキュアの映画を見てきました。
いや日曜8時半からはだいたいスーパー二度寝タイムなので、本編はほとんど見たことがないんですけれども。
敵役のボスっぽい人が藤原啓治って聞きながらも、へーと他人事みたいに思ってたら「フジワラーなら黙って見に行け」と言われたので、あわててチームフジワラで劇場に突撃してきました。
(フジワラーってなに?というツッコミはこの際スルーしておく)
ちょ、マジでDVD買ってもいいかも……(真顔)
えっと、フジワラ感想前に。
プリキュアってさ……ものすごい格闘モノだったんだね……
飛び道具は極力使わず、基本的に拳で気持ちを伝え合う、ドラゴンボール並みのバトルアニメだったんだね……ひょっとしたら特撮枠よりも長くて激しいアクションシーンに、口開きっぱなしでした。みんなの祈りを!のあとで、画面がキラキラしたまま正拳突きとは思わなくて……
いつぞや、お友だちが「真のSHTはプリキュア」と言っていた意味をようやく理解しました。ああ、これはたしかに戦隊やライダーよりもヒーローだわ。
映画自体も、予備知識なしでがっつり楽しめるクオリティでした。プリキュア毎年見てる人も過去最高の出来って言ってたし。
その上藤原が期待以上の藤原だったのでもうテンション上がっちゃって、その後BASARAイベント帰りの方々と合流して飲み会だったのですけど、3人とも気持ち悪くてすみませんでした。
あんまりすみませんすみません言ってたら、チームフジワラは謝りグセついてるよね、って言われました。うん……最近謝っときゃいいかなって思ってる節はたしかにある……(笑)
いやもう……こんなオイシイ役が藤原啓治ですみません!!(笑顔)
以下はネタバレ萌え感想ですが、ラストまで語っちゃってるんで見に行く予定の方はご注意ください。
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もうね……ペンライトで遊んでたり退屈してごねてたりする子どもたちのほうがまだマシ!ていうくらい迷惑な大人だったと思います。ああいう大人にはなっちゃいけませんよ、ていう見本だった。「静かにしなさい!」って言ってくれるお母さんが必要なのは我々だった。
結論。
すっげー萌えました。
ビジュアル・ポジション的に、マーズデイブレイクのキュベルネスやBASARAの松永あたりを想定していったんですが。
そんな予想を遥かに越えて、まさかの全部乗せ。クールもエロもやさぐれもキュートも藤原ファンなら前のめりになる要素が全て詰め込まれてて、幕の内弁当状態でした。いやホント申し訳ない。
まずストーリーがすごいしっかりしてた。サラマンダー男爵とルー・ガルーの関係だけで軸の話ができあがってて、それにプリキュアたちがムリなく絡んできて、それぞれの見せ場もありつつ、最終的に男爵とガルーがハッピーエンドになって、しかも随所にうまく余白があるから妄想し放題!みたいな(笑)。
そんなわけでルー・ガルーとの関係もすさまじく萌えでした。
おっさんと少年が親子でもなく主従でもなく、わりと対等な目線で向き合ってるのが、ビジュアルを裏切るかっこよさでな!
役割は逃げる者と追う者なんだけど、ベクトルは常にお互いを向いていて、相当相手を大事に思ってる(笑)。しかもどっちもツンデレだから言わない! 抱き合ったりしない! ていう、男同士の距離感がすごいツボでした。
孤独じゃないよ、悪いことばっかりじゃなかったよ、という気持ちを表現するのにインサートされる回想シーンも、変にこそばゆかったりBL路線狙ってたりしてなくて、基本的には無言で佇む二人なんだよね。
あの赤い番傘にどういう意図があったのかは問いつめたいけど(笑)。
狙ってるなあと思ったのは幼いルー・ガルーがサラマンダーの指をつかんでいっしょに歩いていくところですが、これも藤原全開のセリフと絶妙な距離感のおかげで「くそう、萌えてやるわよ!」と負け惜しみのように叫びたくなりました。目の前に落とし穴が見えているのに進行方向を変えられない感覚です(笑)。
勢い込んでパンフまで買っちゃったんだけど、さすがにライダーとちがって完全女児向けであった……スタッフさえ省かれてた……もちろんただの敵役である男爵なんか見事にスルーですよ。
子ども向けのストーリー紹介的には「無垢な少年をだまして自分の目的のために狼男に仕立て上げ世界の崩壊を目論む」キャラになってるんだけど、実際受けた印象はかなりちがいました。
自分の命が長くないことをルー・ガルーにあえて伝えないとか、そっけなく言ってるけどものすごい優しさですよね。プリキュアたちもわかってる!
クレイジーでヘンタイっぽいのかなと思ってたら、意外に淡白だったし。悪役ならもうちょっとテンション上げてもいいと思うんだけど、ムーンライトと戦ってるときすごいつまんなさそうな顔で彼女の攻撃をあしらってるのね。
かと思えば、砂漠の王?の気を引こうとしてみたり、初代プリキュアを逆恨みしてみたり、行動原理はガキっぽくて、ルー・ガルーと対等っぽく見えるのは男爵が父親になりきれなかったからかなーとも思いました。
「両親がほしい」と言う少年に「そんなもん俺も持ってねえよ」って返すのがたまらんかった。「俺がなってやるよ」じゃないんだよ。やっぱ基本的に中身はガキなんだろうな。
ルー・ガルーも奴隷状態だったのかっていうとぜんぜんそんなことなくて、回想シーンから見ると狼男の力も自分の身を守るために与えられたのかなと思えなくもない感じ。
ただのツンデレってわけでもなくて、プリキュアたちの後押しもあったけどちゃんと男爵に自分の言葉を伝えようとがんばるし。ラストは全てを失ったダメダメなおっさんにお互いが必要なんだとあらためて教えてあげて、完全に少年側のリードで終わりました。なにそれ! ガキ相手で受けなのかよ男爵!!
もうね、倒れてるサラマンダーがくしゃって髪かきあげるシーンは言葉にできない(笑)。万感のセリフ(藤原声)+表情が見えないアングルとかずるすぎる。ルー・ガルーが子どもの顔になって抱きついたり、男爵が父親ヅラで抱き寄せたりしないんだよ! すげーかっこいい!!
ちょっとまともな精神状態じゃなかったし(笑)予備知識もぜんぜんないから、解釈が正しいのかわかんないんだけど。
がばっとまとめると、
昔、王さまに振り向いてほしくてオイタしすぎちゃったサラマンダーは、
王さまに「ウザい」って嫌われた上、初代プリキュアに封印されちゃって、
一人でさびしいよー誰か来てよーって叫んでたら少年が封印を解いてくれて、
ひとりぼっち同士仲良くしてやるぜみたいな感じで、
世界を放浪しながら奪われた力を拾い集め、
脆弱な少年に力を与えて狼男にしたはいいけど、
自分の肉体に終わりが近づいていることを悟って、
絶望とプリキュアへの憎悪で世界を破壊しようとして暴走しちゃった……
けど、ルー・ガルーの愛とプリキュアの鉄拳で救われて、
愛するルー・ガルーと再び生きていくことにしたのでした。
ていう流れでいいのかな?
とにかく、こんなかわいくていいの!?と動揺してしまうくらいのダメオヤジで、でも悔しいくらいかっこよくて、もうメロメロでした。
ビジュアル的に赤毛で砂漠で少年追っかけてて藤原で、というあたりから、OO的にもシフト萌えがあったそうなのですが。
男爵の目的と動機っていうのが、世界に拒絶されて世界を破壊する……ってそれディケイドじゃん! 士くんじゃん! サラマンダー男爵ってつまり幸せな士くんってことだよね? と思ってしまったので私のシフト萌えはディケイドです。
なんだか江戸の仇を長崎で討ったような気持ちになりました(笑)。
士くんもプリキュアに鉄拳制裁くらったら、ユウスケとハッピーエンドを迎えられたんじゃないだろうか……(本気)
あとプリキュアね。いろいろ勉強になった(笑)。
香水で変身ってなかなか斬新ですね。よく考えるなあ。
でもまあふわふわスカートでやることは殴り合いなんですけど。あれ、きっと聖闘士の聖衣的な感じだよね。
変身前後で髪の色がちがう理由も理解した。コーティングしてるんだ!(笑)
キャラ的にも、つぼみちゃんのあまりのフツーさと、えりかちゃんの達観しすぎてる大人っぽさと、ボクッ娘いつきちゃんの思わぬ好感度の高さに、感心しっぱなしでした。なんなの、人間できてるよこの子ら!
初めて見ても「ん? どういう子なの?」と思うことが少なかったのは、やっぱり脚本や演出の妙ですね。いやマジすごい。
ちなみに、コッペ様の登場シーンでは素直にびっくりして「え、え!?」ってなりました。両サイドでニッカリに「え!?」ってされた師匠も困ったにちがいない(笑)。
そんなこんなで大騒ぎして大満足のプリキュアでしたが、いっこだけ……
あの、プリキュアがピンチのときにスクリーンに向かって振るペンライトね。アレに関するアナウンスが事前に全くなくて、「あ、ここじゃね?」っていう場面でもとくになにか言うわけでもなく、妖精たちが一瞬ライト振ってるシーンがあっただけで、子供たちも戸惑い気味だったんだよね。
毎回見てて「ああここだな」ってわかる子ってそんな多くないと思うんだ。ていうかよい子にそんな要求はしちゃいけないと思うんだ。アレは流れをぶった切っても「ここで振ってね!」と言うべきだったし、それをやりたくなかったら尺を削ってもアナウンスすべきだったと思う。
ホントにね、めちゃくちゃクライマックスで「みんなプリキュアを応援して、ルー・ガルーと男爵を救ってあげて!」って感情移入しきってた瞬間だったんで、そこだけ我に返っちゃって残念でした。スクリーンが無数のライトの花で照らされるのを見たかったです、マジで。
これでもさ、よい子の「がんばれー!」が好きで、ライダーとかの子ども向け映画をわざわざ休日の昼間に見に行くタイプなんだよ(笑)。
さて、ここまで萌えたぎらせておいて、我々にどうしろというのかプリキュア……
我々のハートもキャッチしてくれるというのか、プリキュアー!!
(たぶん「わかりました、チェンジですね!」とか言われて鉄拳制裁です)