今さらのピルイーター。

いろいろ話題の「MW」ですが、制作サイドや事務所はその気だったのにスポンサーからクレームがついて路線変更を余儀なくされたとかいう話を聞きました。そうだよね、じゃなきゃ最初からそういう原作は選ばないもんね。
テレビなんてもっと多くの人が見るしスポンサーも多いから、さらに気を遣うんだろうなあと思います。そういう題材をあつかうこと自体が未だにリスキーなんですね。世間一般ではまだまだそういう認識なんだということを忘れないようにしないと。
ということで、session2の18話「ピルイーター」。
ローカルで再放送やってたんで(友だちが「録画してるけど見るヒマない!」って言ってた……まあ1日2話とかだからね)、5年ぶりに見直しての感想です。
5年越しの引っかかりはいちおう正直に書いたけど、話自体を否定するつもりはないのでご理解ください。
相棒ジャンルの方々にはもう今さらなに言ってんのっていう話ばっかりなんで、そのへんはスルーしていただけるとうれしいです(笑)。


晩ごはんのミートソースパスタを食しながらの録画観賞。
アルカリが「あのときもミートソースだったよね……」などと言い出すので、脳内はサスペンスの回想シーン並みにフラッシュバックですよ。崖の上に立ってる気分ですよ。
あの日は私の弟が泊まりに来てて、3人で食事しながらリアルタイムであの話見てたんだよね。そんでラストで3人ともぽかーんってなったの今でも覚えてる。
そんな、大河内さんの恋人が男だったという衝撃のエピソードですが。
湊、超かわいい……!!
なんだあのかわいこちゃんは。
ヒゲがないだけでめちゃくちゃ若く見えるよ!(実際若いです) あの人すごい手がきれいでいつも喫煙シーンとか変身シーンとか(ん?)つい見惚れるんだけど、今回も手のアップが多くて大層眼福でございました。
ニッカリ的にそうちゃんは受けなのですが(だから「ちゃん」とか言ってるのですが)、あれはもう攻めにせざるをえない。あの長くてきれいな指で大河内さんの巨乳をわっしょいわっしょいしてほしい。じゃない人と同時期だから、スーツの下はぺらっぺらのぺったんこにちがいないですよ。貧乳萌え~。
じんぼさんも好きなのですがメガネがないとなんとなく物足りない気持ちになるので、メガネ×スーツ×オールバックの大河内さんは満点です。120点です。あのスーツを剥いて無体なことをしたくなります。
湊役の人を認識しているだけで、こんなに前のめりになれるとは予想外でした。ビジュアル的にはもうニッカリストライクな感じで。ごちそうさんです。
で、お話は……
全部湊のせいじゃね??
といったら身も蓋もないんだけど。バカがつくくらい生真面目なぶきっちょさんだったんだなと思いました。仕事一筋で結婚も見合いとかだったのかな?ていうくらい。
大河内さんがわざわざ特命係を頼ってきたってことは、湊は完全に一人でテンパってたんでしょうね。むしろその間、仕事とリカさんと大河内さんを両立できてたことがすごいよ。杜撰な偽装浮気で最悪な事態を引き起こした男とは思えないよ。
……うーん、どうにも湊の設定がちぐはぐで、あちこち矛盾が生じるのが残念。大河内さんは真性隠れゲイとしても、湊が見当つかない。
>湊がノンケだった場合(あのコワモテ上司にオチるとは思えないけど)
フツーに結婚→なんやかんやあって大河内さんと恋仲に→いやコレ浮気じゃん?→男とつき合ってることだけは隠さなきゃ!→リカさんを口説く→妻に浮気を疑われる
>湊がゲイだった場合(場数踏んでるだろうからテンパらないと思うけど)
ゲイであることを隠して結婚→大河内さんと出会ってメロメロになる→どうにか大河内さんをオトす→浮かれすぎて妻に浮気を疑われる→焦ってリカさんを口説く
どっちのラインでも不自然っていうか、どっちにしろ迂闊じゃん……?
だいたい男の上司との浮気なんて、そうかんたんにバレることないですよ。周囲にそういう発想がないんだから。泊まりだって怪しまれないし、香水とか小物とかで足がつくこともないし。スーツのポケットにコンドームでも入れっぱなしにしてたんだろうか(笑)。
結論としては、湊が愛すべきダメ男だったってことに……
この前見たスペインのゲイ映画(ラテン系コメディ)の男の子がそういう感じだったな。大河内さんがトイレについてきたら、誘われてると勘違いしてキスしちゃいそうだよあの湊は。
うまくいけば、あははマヌケだなあ☆っていうコメディで済む話が、登場人物全員マジメだから悲劇になっちゃった、みたいな。やはりラテンとはちがうのね……(あたりまえ)
で、何度見返しても、右京さんが湊と大河内さんの関係を見抜く根拠がどこにもないんですけど……腐女子並みの発想の飛躍だよ右京さん。
手震わせながら泣いてたのだって、ただ涙もろいとか、単にものすごく部下思いとか、現場に出てないから死体を見慣れてないとか、そういう可能性も充分にあったよね。真実にたどり着けた右京さんの思考回路がいちばんのミステリーだよ。腐女子回路?
同性愛ものじゃなく、やおいだと思って見てればなんの問題もないんですが(笑)。
当時はまだ相棒をミステリーだと思っていたので(笑)かなり評価の低いエピソードだったんですが、同人仲間や当事者の方々からいろいろ意見をいただきまして。
「あの枠で同性愛を否定的でない視点から取り上げたこと自体に意義がある」
「同性愛者というパーソナリティーを殊更に前面に押し出さず(普通はヒロコママみたいになる)他の登場人物と同列でレギュラーとして存在してるのは画期的なこと」
そういうのを聞くと、大河内さんが相棒ワールドの中に存在することが、そもそも奇跡的で意味のあることなのかもと思いはじめました。
だから、たとえ推理ものとしてお粗末な筋でも、その後の大河内さんに恋人が現れなくても、そのへん丸ごとひっくるめて「名エピ」なんですね。
そこで冒頭の話にもどるのですが。準レギュラーでしかも特命係の理解者となっていくポジションの人を、こういう設定にするのはとてもリスキーなことだったんだなあと。
よく見ると、右京さんの一方的な推理に対して、大河内さんは答えてないんですよね。湊の浮気相手が自分だったとは言ってないし、肉体関係があったとも明言してない。回想シーンで湊と大河内さんの絡みがなかったのも逃げ道なんでしょう。
テレビではあれが限界だったと考えると、湊の頬に触れる大河内さんのシーンが別の意味で切なく見えてきます。
あと、私は右京さんが「男を愛することではなく隠すことが罪」と言ったと勘違いしてたのですが、実際は「男を愛するのが罪なのではない、真実を隠したことが悲劇を起こした」と言ってました……文脈的に「カミングアウトしろってか、ムチャゆーな」という反感はなくなったのですけども(笑)。
でもやっぱり「私にどうしろと」っていう話だよなあ。右京さんは真実を確かめたかっただけなんだろうけど、なんとなく釈然としないのはそのままでした。
とまあ、たった1話でここまであれこれ語らせてくれるエピソードはやっぱりすごいなと思うわけですが。
他のとこにも萌えまくりで忙しかったよ!
全力で警務部長を陥れようとする刑事部長に萌え。あの回の刑事部長は輝いてた。「上に睨まれようが、おまえの経歴に傷がつけば俺はそれでいい」と堂々と言いきるところがたまらん。あの人のまちがった男前っぷりが大好きです。
そして、上のごたごたにキレちゃうイタミンとなだめる三浦のツーショットにも萌え。このころ芹沢はまだいなかったから(そういや芹沢は湊の兄ちゃんなんだっけ……)、もう一組の「相棒」って感じでしたね。4あたりからイタミンが猛烈にかわいくなってきたのは見てる側の変化だと思ってたけど、でもやっぱりシーズン重ねるごとにかわいくなってるよ。このころまだラブリーオーラ控えめだもん(笑)。
んでヨネはこのころからすでにイヤってほどキャラ濃いですね。スピンオフは必然だったのかもしれません。生活安全部の人たちも全力で覗き見してるしなー。脇役なのにキャラ立ちすぎだよみんな。そりゃロングシリーズにもなるよ。
やー、やっぱ相棒好きだわー。萌えの福袋だわー(なんだそれ)。
10月には新シーズンがはじまっちゃうんで、夏休みとって前シーズンのおさらいしとこうと思います。
そんで、5年前に書きかけて放置してる右亀SSを今度こそ書き上げたいです。
湊は……先輩たちにお伺いを立ててからにします(笑)。同性愛じゃなくやおいって割りきれたらできる気がする。