中二という罪に時効はない
中学時代の友人の結婚式に行きました。
本人に会うのも五年ぶりくらい。
披露宴で友人(新婦)から「急だったのに来てくれて、ほんとうにありがとう」と言われてじんわり。心からおめでとうを言う私の前で彼女は傍らの新郎に向かって、
「中学のときいっしょに同人誌作ってたんだ☆」
……おぃいいいい!!
新郎も「ああ、聞いてますよ」みたいな顔してるし、どういう紹介されてるんだよ私!!
だいたい披露宴で同人誌とかいう単語ないから! 軽くNGワードだから!!
まあそんなイヤなサプライズもありつつ、三次会まで参加したわけで。
そこで初めて新郎とちゃんと話したんですけど、「あいつ、あなたに会えるのずっと楽しみにしてたんですよ」と耳打ちしてくれて、またじんわり。穏やかで優しい人柄が全身からにじみ出ているような彼は上機嫌の私に向かって、
「中学のころの同人誌見ながら、『こういうの作ったんだよね』って……」
おぃいいいい!!!
見せたのか! つーか見たのかおまえ、新郎ぉお!!
血の気が引いていく私に、横から新婦がにこやかにのたまいます。
「うん、あのときのはまだ全部持ってる!」
幸せそうに微笑む新郎新婦に壮絶な殺意が芽生えたこのウジ虫を、どうか神さまお許しください……
彼らを消すか私が消えるかしたかったですマジで。
当時の友人がもう一人参列していて、他に知り合いもいないのでずっと話をしていたのですが……「忘れろ! 頼むから忘れろ!!」っていう記憶を、無邪気に楽しげに語るわけですよ。フル装備でドレスアップした大人な私に、痛々しい中二の姿をムリヤリ思い出させようとするわけですよ。
ていうか、なんであのバカで薄暗い中二時代を美しい思い出の一ページみたくしちゃってるわけ? みんなにとっては消したい過去じゃないの? そもそも、中二だったのは私だけだったの??(そうかも)
同級生だから年齢的には全員、ソラチ言うところの「中途半端で気持ち悪い天使なのか悪魔なのか堕天使的なアレ」なんだけど、私だけまだ中二の呪縛から逃れられてない感じだよねコレ。
もうちょっと大人になればいい思い出になるのでしょうか。
飛ぶことをあきらめれば中二という名の罪も時効を迎えられるのでしょうか。
つーかさ、きみら私がまだ同人やってるとか思いもしてないよね。若気の至り的な、だれでも一度は通るよね~みたいな、そんな一般化した思い出にしちゃってるよね。
まだやってるよ! 全力でまだやってんだよ!! バリバリ現役っていうかむしろ生涯現役の勢いだよ!! とか言ったところで、クリエイティブな創作活動してんのねーみたいな美化変換するんだろ!? ちがうよ、ただのホモエロだよ!! 中二のころからなんも変わってねーの!!(逆ギレ)
あまりのダメージに、まだウジ虫モードから立ち直れていません。
自分のローカルな部分で履歴をクリアしたつもりでも、他人のキャッシュは消せないんだなあと痛感した日でした。