リュウヤ×ギエン…
更新じゃないんですけど、発掘したんで。
クリスマスってことで天使ネタ(ムリヤリ)。
今をときめくヤスコにゃんがメイン張ってたんですよね、タイムレンジャー。
ハードな展開にも一片の救いを忘れない、それがヤスコにゃん。
タイムも龍騎も電王も時間ネタなんですよね。てことは、電王のラストはきっと良太郎と侑斗が……(笑)
そんなわけで、むかーしむかしのサイトデータをあさっていたら。
(※2001年当時まだ純情な同人初心者だった私は、赤炎リバエロサイトをやってました)
リュウヤ×ギエンとか見つけちゃったんですけど……
天使ギエンのほうです。もちろん堕天使ギエンも大好きです。
ああいうディープな設定のキャラクターが浮き上がることなく存在してた世界ってのは、やっぱすごいと思う。ドルネロとギエンの「どうしようもないぼくに天使が降りてきた」系の出会いエピソードは大好き。
そーいや、悪人は白い服を、純粋な子は黒い服を着てるんですよね。で、悪役は金持ちで、ヒーローは貧乏(笑)。タイムレンジャーって世界観がアダルトで好きでした。
しかしなぜリュウヤ×ギエン(笑)。
あまりに短い上に大昔の文章だから、つい加筆修正してしまいました。
ちょっと昔を懐かしんでみたい方はどうぞ。
ドルネロ×ギエンも少々。
—————————————————————-
「どうしてぼくを連れてきたの?」
唯一の所有物である黒い服を引き寄せ、青年は目の前の男を見上げた。彼が見知らぬその男は、権威を示す白い制服に身を包み、冷然と寝台の上の青年を見つめていた。
「おまえが死ねば歴史が変わってしまう。保護する必要があった」
「ほんとうにそれだけ?」
「ああ。私は時代が求めるままに動いているだけだ」
迷いのない口調でそう言いきると、男は青年の細い腕をつかみ、引き起こすように抱き寄せた。
青年の手首に絡みつく鎖が、乾いた金属音を立てる。彼は不安そうな瞳を上げた。
「ねえ、ここはどこ? きみはだれ? どうして名まえを教えてくれないの? どうしてぼくにこんなことするの?」
頑健な腕の中で頼りなげに震える身体には、無数の傷があった。古い傷跡から、まだ鮮明に赤く残っている痕まで、さまざまな傷が青年の病的に白い肌を飾っていた。
「知らなくていい。今のおまえは、ここにいることが存在意義のすべてなのだからな」
「わからないよ……」
青年の声が半泣きになる。男はそれを厭うように、乱暴に相手を寝台の上に突き飛ばした。
「説明したところで、おまえの知能では理解できない。非があるのはおまえ自身だ」
「ぼくのあたまが悪いから、悪いの……?」
黒い瞳からこぼれ落ちる涙が、頬にこびりついた血を滲ませる。
白い制服の男は、少しだけ乱れた髪を後ろへ撫でつけて、青年を見下ろした。
「さあ、つづきだギエン。これは、未来のおまえへの罰だ。いや……」
男の口元に初めて笑みが浮かんだのを、青年は身のすくむ思いで凝視する。
「過去のおまえ、か?」
「……友だちは、おめぇのこと殴るのか?」
黒衣の青年はただ微笑み、しゃぼん玉を飛ばした。
「うん……ぼくが勉強できないからかな……」
青年の袖から覗く傷に、逃亡者は胸の奥が疼くような痛みを覚える。
今さら倫理を説けるような身分でもないが、なにも持たない弱者を虐げてなんの理があるというのか。
「それとも、ぼくが逃げてきちゃったからかな……?」
闇夜の中に溶け込んだ彼の黒衣は、彼自身を闇の中へ取り込もうとしているようだった。
この脆弱な青年を護りたい。
夜の闇の中、街灯の光を受けてきらきらと輝くしゃぼん玉を眺めながら、逃亡中の犯罪者はひそかに、だが切実に願う。今は自分のほうが彼にかくまわれている身だが、ここを出られたら必ず。
彼を、護る力を。どんな手を使ってでも。
静謐な夜の空気を上っていったしゃぼん玉は、音もなく闇の中に溶けていった。
—————————————————————-
今をときめくといえば、リュウヤ隊長はN井某なんですよね……(遠い目)