キュウレンジャー文まとめ1
露骨に避けられていると気づくのにそう時間はかからなくて、思い至った瞬間にひどく腹が立っていた。
船内を駆けまわってやっと目的の人物を見つける。
自分のことは避けるくせに、他のやつとは話をするのかと思ったら、見つけられて運がいいなどとは言っていられない。
話をつける、とは思っていたが、それ以上のことはなにも考えていなかった。
ただなんとなく二人きりでなければ決着をつけられない気がして、ショウの前から彼を引き剥がした。
「ラッキー!」
大した考えもなく自室のほうへ歩いていくラッキーを、スティンガーはどこか詰るような声で呼んだ。
「なんだよ……」
ふり返ろうとしたところを、強く引き寄せられる。腕を掴んでいたのは自分のはずだったのに。不意を突かれて引きずられるまま、廊下の途中にあった倉庫の中に引きずり込まれた。
思わず反発しようとするラッキーも、倉庫の中などろくに見ていなかったスティンガーも、互いにぶつかってなにかにつまずいて脚がもつれ合ったあげく、二人そろって埃っぽい床に倒れ込んだ。
「……なにすんだよ!」
ラッキーが跳ね起きようと床に手をついたときには、先に体勢を立てなおしたスティンガーが乗りかかってきて襟を掴まれていた。
「ラッキー……」
しかしこちらを見下ろす顔は、泣き出しそうなしかめ面だった。
「なんで、俺から逃げたんだよ」
ラッキーは重ねて尋ねる。
今の状況なんかどうでもいい。チャンプも戻ってきて仲間たちとの関係も元どおりで、どうしてここだけが元に戻らないのか。それが知りたかっただけだ。
スティンガーはラッキーの胸ぐらを掴んだままうなだれた。
「俺は……今でも兄貴を忘れられない」
自分が倒した兄に駆け寄っていった彼を思い出す。敵でも悪でも、彼にとってはずっと「大切な兄」でしかない。だが……
「そんな状態で、おまえとは……」
わずかに震える声で告げられた言葉が、理解できなかった。
苛立ちのあまりラッキーは彼の肩を掴んで鼻がぶつかりそうなところまで顔を近づけた。
「スコルピオと俺と、なんの関係があるんだよ!」
兄を思って悲しむのはかまわない。でも、そんな苦しげな目でラッキーを見つめる理由がわからない。
「決着つけるのと忘れるのはちがうだろ! おまえが兄貴大好きなのはみんな知ってるよ! 兄貴忘れるまで他のやつを好きになっちゃいけねえのかよ! だれもおまえのこと好きでいちゃいけねえのかよ!」
「……っ」
見開かれた目からは今にも涙があふれそうで、ひどく痛々しい。だからといって、抱き寄せて慰めてやる気になどなれなかった。
「どんな失敗しても迷惑かけまくってもなんでもいい、みんなで助けてやるし、一人になんかしねえ! だから……」
怒りとは異なる感情が、胸を締めつける。どうして今まで平気だったのか。
「だから、俺を置いてくんじゃねえよ……」
自分には常に心強い仲間たちがいるはずなのに。独りで運命に立ち向かおうとするスティンガーを見て、なぜか自分が孤独であるかのような気持ちになった。たった一人、知らない土地に追いやられた遠い日のように。
スティンガーの頬が一筋濡れる。
「ああ……そうだな。悪かった」
驚くほどに素直にそう返した彼は、目を閉じてラッキーに口づけた。
「スティ……」
問おうとした言葉は、さらなる口づけに飲み込まれた。
なだめるようでいて、どこか甘えた口づけ。今までも、ラッキーを黙らせおとなしくさせようとする意図を感じていたが、同時に彼自身が甘やかされたがっていたとも思える。
そういうことか、とラッキーは思った。
スティンガーとスコルピオのあいだになにがあったか、なぜラッキーだけを避けたのか、おぼろげながら理解はした。
だがわざわざ口に出すほどのことでもない。どう言っていいかもわからない。
言葉にできないことはお互いにたくさんあって、でもきっと大して重要でもないから、言わなくていいことなのだと思う。
お互い、心から求めたものはもうこの世界のどこにもない。もしかしたらそれは、今の自分たちにはなくてもいいもので、だから前に進めるのかもしれない。
「ん……」
首筋に軽い痺れのようなものを感じた。スティンガーが吸い痕をつけたのだとわかった。
「……………」
うれしくなってラッキーも彼の首筋に歯を立てた。
かすかに呻いたスティンガーは、小さく笑った。
好きのなんのってこの二人で初めて書いた気がする。
赤「わーいカレーだ、スパーダ大好き!」
黄「うんありがと」
緑「ラッキーってだれでも好きだよねーウケるー」
金「ボクはボクは?」
銀「オレは…」
赤「どっちも好きだぜ!(おもしろいから)」
黒「我が輩もか?」
赤「もちろん好き!(メカだから)」
青「わ…ワシのこと…」
赤「好きに決まってんだろ!(モフモフだから)」
桃「じゃあ、司令はどうです?」
赤「普通」
紫「待ってラッキー」
リュウバイオレットは好きだそうです(かっこいいから)。