ラザロ文まとめ

アニメ・マンガ【SS】,LAZARUSラザロ

The Borderline

アクセルとダグ、左右曖昧。いきなり最初の事後。


 なんだかベッドが狭いなと思う。ここは一か月だけの仮住まいで、それまで使っていたのよりも広いベッドが元からあって……。
「……クソッ」
 ダグは覚醒とともに、ここに至る経緯を思い出しつつあった。
 なぜ相手がそんなことを持ちかけてきたのか、結局昨夜のやりとりではわからなかった。にやけた男にそそのかされ、売り言葉に買い言葉で後に引けなくなって……そしてこのざまだ。
 目元を押さえる。目を開けたくないが、背中に感じている素肌の感触と体温は、まぎれもなくその男の実存を証明していた。
 背中合わせの相手がもぞりと動いた。彼は眠そうに呻いて、あくびをしてから、昨日の朝と同じテンションで言う。
「あ、おはよ」
「……気が済んだか」
 おはようと返すのも間が抜けているが、へたに気まずい空気になるのも癪だった。なんのかんのとあったあとに、アクセルがそのまま寝入ったせいでこうなっている。腑に落ちないのは、自分までこの無礼な男の横で熟睡してしまったことだ。
「なんだよ、まだ4時じゃねえか。看守だってまだ寝てる時間だ……」
 時計を見やった彼は、寝なおそうと毛布を引き寄せる。いや、冗談ではない。
「さっさと自分の部屋に帰れ。誰かに見られたらどうする」
 アクセルはふっと笑みを洩らした。
「二人だけの秘密ってこと?」
「わざわざ公言して回ることでもないだろう」
 顔を合わせて日も浅い仕事仲間と一夜の過ちを犯しました、などと。
「まあ、俺はどっちでもいいけど……」
 のっそり起き上がったアクセルは、ベッドや床に散らばった服を拾っては身につけていく。薄暗い部屋でうろうろ動きまわる人影を、枕に頭を乗せたままただ眺めていた。
「アクセル……」
「じゃ、一回おやすみ」
 釘を刺そうと思った瞬間、頬に軽く口づけられる。身を起こすタイミングも失ったダグを置いて、アクセルはジャケットを引きずりながら出ていった。
「クソ……」
 毛布をかぶって丸くなる。
 ここしばらくは自分の体に意識を向けている余裕もないほど忙しく、禁欲していたつもりもない。それなのにあの男は、こともなげにダグの欲望を引きずり出して眼前に突きつけてみせた。あんな考えなしで軽薄な男に。
 ため息のつもりで熱い吐息が洩れ、ダグは思わず自分の口を押さえた。


実質23日しか一緒にいなくて、その中でも別行動の日がわりとあるから…時間が足りない! 毎晩いたしてもらわないと!