ラザロ文まとめ
Forever Broke
アクセルとダグ、左右曖昧。どっちも本気じゃない。
何者も自分を縛りつけておけない。手錠だって法律だって重力だって。
物騒なリストバンドだって、片腕を犠牲にすれば逃げおおせることもできる。困るから今はやらないが。
「なぜ俺なんだ」
キスの寸前、ダグが問いを洩らした。
「んー……消去法?」
とっさに答えて、とりあえず口づける。
「ガキ共はガキだし、クリスは隙がねえし、ハーシュは怒ってビリッてやりそうだし」
「俺には隙があると言いたいのか」
不機嫌そうに唸る彼の唇をこじ開け、舌を追った。こんな容易く侵入される男が、隙だらけでなくてなんだというのか。
ソファに倒れ込んで、ベルトに手を掛ける。
「なーんか、いちばんどうでもよさそうなヤツがよかったんだよ」
「どうでも……っ」
ダグは険しい顔で呻き、だが気を取りなおしたように、つんとあごを上げてみせる。
「そのとおりだ。貴様がどうなっても俺には関係ない。後腐れなしだからな」
こういうタイプが意外とぐずぐずに溺れていきそうだが、それを見届けることはたぶんないだろう。
どれほど猛烈に憎まれても熱烈に愛されても、一人の元に長くとどまってはいられないから。
生きのびたら、司法取引でも恩赦でも手に入れしだい飛び去ってやる。
何者も自分を縛りつけておけない。このクソ真面目なだけの男になんか、絶対に捕まらない。
そのときは、そう思っていた。
クリスは普通にお金取りそうじゃないですか。