るろうに剣心のこと
(3)斉藤さん愛のやり場のなさ
インターネットにまだ情報がそれほど集まっていなかった当時、紙巻と燐寸と鉄道についてめちゃくちゃ調べたことを懐かしく思い出しつつ、和月がそのへんもちゃんと描くようになったのをさまざまな感慨とともに眺めています。
べつに考証とかちゃんとしてなくてもいいんだけどね、マンガの中に情報があるとやっぱり助かるよねいろいろと……
こうね……得た知識の活用方法が見つからなくてさまよいつづけてきたわけで……
20年のあいだにすっかりお腐れ申し上げた身からすると、そこはイコール斎藤さんってどっちなのよ、だれとなのよ、って流れになるのはまあ自然の摂理なんですが……
まだ決着がついていません……煮詰めすぎたな……
消去法だと、まず左之助はない。お互いにそこまで関心がない。
左之のほうは若いころはまだ斎藤を剣心と同等にみてる部分もあったかもしれないけど、斎藤さんのほうは左之を歯牙にもかけてなかった。というか(当時の)左之ごときを相手にする斎藤さんは自分にとって解釈違いだったんだと思う。
でも今の左之に「打倒斎藤」は必要ないからそもそも交わらない。39歳の斎藤さんは怪我してなくても24歳の左之を素手では倒せないだろうけど、左之助のほうが勝手に乗り越えてしまった。今の左之には剣心のフォローに全力を注いでいただきたい(所感)。
蒼紫は……ビジュアル的に麗しいですねって思うけど、左之以上に関心なさそう……お互いに実力は認め合ってるし元を辿れば幕府側だからワンチャンあるかもしれないけど、機会がないな。ビジュアル的には麗しいんですけどね(2回言った)。
そいえば当時、田舎の高校生のとこまで回ってきてた大手さんの比古×斎藤ってのがあったけど、今思うとアレはないなあ。強くてかっこいい斎藤さんが好きなので、比古の圧倒的な腕力でどうこうされる斎藤さんが見たいわけではない。斎藤受には興味ないな~というのが20年越しの結論。
北海道編、永倉さんでなんとか!って一瞬思ったけど、あの永倉さんすごくノンケっぽいよね……
あと生き残り同士だから今は一番距離近いけど、新選組時代はそこまで親しくなさそうな雰囲気ではある。
いや、斎藤さん自身は抜刀斎が大好き、というか剣心を抜刀斎と呼ぶ人々の中では執着がダントツなんですよね。
まず明治まで生きて(ここ重要)、「剣心」を一瞬でも「抜刀斎」に引きずり戻すことに成功してる。でまあ任務の上では剣心のままでも戦力になることを認めながらも、個人的にはあくまで「あのころの抜刀斎」に拘泥しつづけます。しつこい。
そんなだから剣心が「抜刀斎」じゃなくなった傷心で(?)北海道行っちゃうし、20年(※5年)の時を経て再会したらしたで、たぶん話が一段落するのを待ってからそっけなく煽り文句で始めるっていう芸が細かすぎて……
なんだかんだとそのめんどくさい感情の流れが大好きです。
剣心も、自分の体の限界を知って、絶頂期の今こそ斎藤と戦って「あげたい」と思うくらいには、斎藤を別格に扱ってる感じはある。待ち合わせ場所で一晩中ただ時計を見つめつづける剣心の裏で、ひたすらタバコを吸いつづける斎藤に「秋の風」が吹く、っていう演出がもう恋愛映画。大勢をフッてきた剣心が明確にフラれるんですよ。「たった一人の友」左之助とは別ベクトルで特別感がすごい。
特筆版では登場人物が絞られてるぶん、幕末の京都で「最も近しかった」間柄って雰囲気だったし。本気で殺し合うのを日常にしてる風の二人が、すごいよかった。あんなに冷徹で好戦的な殺人鬼が10年ぶりに会ったら「おろ」とか言ってんの、本気で腹立つよなあ笑
今の北海道編では、自分が先に降りておいて(戦力低下+所帯持ち)、牙を失った斎藤を気にかけてる。倒すべき旧時代でもなく、守るべき新時代でもなく、どっちかっていうと今は仲間として認識したがってる感じではある。斎藤側は自分のほうが戦えないからもうどうでもいいって感じ。
湯の川温泉にお見舞い行ってほしかったなあ……斎藤さんのほうが我慢しきれず迎えに来ちゃったけど……
たぶんそのままいけば斎藤と剣心なんだろうなと思います。
思うんだけど、ラブラブっていうのもなんかちがうし、ヤる前に殺り合いそうだし、単身赴任中の斎藤さんはともかく今の剣心が妻子同伴してきてるのも、なかなかこう……難しいですよね……(結論) あと剣心があまりに美少女ビジュアルすぎるのも地味にハードル……
ちなみに、これは映画の剣心と斎藤のSS。
2012年(公開年)に書いたらしいです。佐藤健のキャラデザは最高、という話。あと江口洋介ヤバいぞ、という話。ビジュアルは実写剣心が最推しです。
人誅編、斎藤さんにフラれるとこまでやってくれるかが最大の関心事。
……ありがとうございました、終わります。