セイバー、総括。
いつもなら「やっと終わった~」ってなるとこなんだけど、今回は不思議とさびしい……笑
もうちょっとワンダーワールドにいたかったな~って気分。
なんだかんだと文句言いながら観てきたけど、ふり返ってみるとやっぱり嫌いになれなかったんだなあ。相変わらず人には勧めにくいので、こそこそ愛でていきたいと思います。
明日「増刊号」があるようなんですが、とりあえずセイバー的には最終回を迎えたってことで、お疲れさまの総括感想です。
一年ぶんなのでめちゃくちゃ長いし愛憎入り乱れて情緒不安定ですがいつものことなのでご了承ください。
SSではムリなのに感想だとあっさり一万字超える不思議。
今後の予定としては、
◎飛賢と他気になってるカプSS消化
◎感想込みのギャグマンガ
◎描けたらちゃんとしたイラスト
です。
まだリバイスには行かない。劇場で見たかぎりではちょっと様子見かな
あ、EDロケ地の東洋文庫は個人的推しミュージアムなのでよろしくお願いします。テレビに映るたび「たいへん、知名度上がって混んじゃう!」って思うけどいつも空いてる……笑 あの上までぎっしり詰まってる本は全部飾りじゃなく本物の「史料」で、あと敷地内のレストランも美味しいのでコロナ禍落ちついたらぜひどうぞ。
セイバーのよかったところ。
まず、毎週スカパラが2曲聴けるというのはなかなかの贅沢でした!
スカパラ好きなんで、というか嫌いな人っていますかね(強火) 主題歌がイマイチで毎週OPから気持ちが乗らない、みたいな年もあったし、主題歌大事。
テンション上がる曲で始まって終わるって重要ですよ。しかもEDダンス。つらい展開の時ほどダンスでほっとできるし。
だから私は戦隊もライダーもOPとEDありで踊ってほしいと常々思っているのです。その両方がスカパラなんだから、楽しくないわけがない。ボーカルは……慣れた笑 だれが歌ってもスカパラだから。
フルコーラスで聴くと、「スカパラが考えた最強のヒーローテーマ」って感じで改めてとてもいいです。映画も合わせれば3曲、本当にありがとうございました。
そしてやっぱり私は本が好きなんですよね。
自分で「本の物語」を書きつづけているくらいには。本×バトル×ファンタジーは最燃えです。
出てくるイケメンがみんな本好きって設定がありがたいじゃないですか。本を開いてる・本に囲まれてるイケメン最高じゃないですか。前半はありがたい場面が多かったですね。
主人公が小説家という設定への期待は、夏映画の言葉を借りれば「一次も二次もな」かったと思うんです。字書きの端くれとして、神山先生が小説家してるところはすごくうれしかったし、本屋してるのもうれしかった。劇中劇も、作中に実際の文学作品が出てくるのもうれしかった。
なんで今の時代に原稿用紙と万年筆!?って最初は思ったけど、スパヒロ戦記で章太郎といっしょに「書く」場面や、最終回のワンダーワールドでも「書いていた」あたりは、無電源最強だなってなったので、神山先生は手書きでいいです。芽依ちゃんがんばれ。
途中で完全に剣士の話になっちゃったけど、最後にラスボスが「詩人」になったところで、ちゃんと戻してきたなという感じがしました。飛羽真が剣じゃなくてペンで世界を元に戻す流れも筋が通ってるし。
コレクションアイテムが本なのもよかった。食玩で開くギミック確認して「おー!」ってなってました。
大塚明夫がうるさいのは玩具の宿命として……ブックのタイトルが「んん?」って感じだったけど、個人的には検索汚染を引き起こさない善きアイデアだと思いました。実在の作品や作家の名前で検索してゲームキャラクターしか出てこないときのモヤモヤ感ったらないからね……パロディくらいがちょうどいいよね……
仮面ライダーがかっこ悪くなかったのもポイント高かった。
いや、剣士たちが仮面ライダーかどうかはさておいて、ちょっとゴテゴテしてるなとも思ったけど、でもかっこ悪くはなかったので。
言い切らないのは、ゼロワンのシンプルさが最高にイケてたなあって思うから……でも平成後期の微妙な路線よりはかっこいいんで大丈夫です!(?)
あとニンニンのころから浅井&中田コンビが最推しなので、セイバーとエスパーダが共闘するとこは素直に盛り上がってました。剣さばきがいいのよ。変身後もちゃんと楽しめるというのは重要なポイントです。
キャスティングが好みだったのも大事!!
とはいえ鎧武みたいに「推しばっかりなのについていけない……」ってこともあったから、今回はギリギリでモチベーションが保てるくらいだったらしいです。
三上さん相馬さん唐橋さん谷口さん来てくれてありがとう。変身してくれてありがとう。
若い子たちもみんなどんどん巧くなっていくのが、SHTの醍醐味だなあと思いながら眺めてました。
なんだかんだ、神山先生はじめあのキャストが演じるキャラクターたちが気に入ってしまったからこそ、最終回までちゃんとおつき合いできたんだと思いますよ。
セイバーの悪かったところ。
……まあ、上記以外全部ですかね!!(真顔)
しつこく言ってきたけどホント、ぐだぐだなドラマ構成でした……
キラメイジャーもゼンカイジャーも、東映テレビの実力発揮!みたいなよくできたドラマだったから、余計に対比としてつらい出来だった。
最初のほうは「おもしろくなりそう感」がすごかったのに……なんで……
前半は有料配信にドラマパートを持っていかれてアクションだけになり、中盤は仲間同士の対立で雰囲気悪い状態がつづいたし、増員と強化フォームの消化に忙しくて、説明ゼリフと公式サイトの解説で済ませることが多くなり……前提がガタガタだから、局所的に盛り上がってきても「ん?」って我に返っちゃうことが多くて。
それでもストリウスがラスボス化して以降は、最終決戦に向けてどんどんヒートアップしてきて最終的には大団円でよかったですけど。
でも最終回まで大事なことを本編に盛り込めず公式サイトの解説でフォローするのはよくない……映像化できなかったのなら最後まで裏設定として言わないでおいてほしかったです。P全員猛省してほしい。
あと期待したほどに本の話がなかったんだよなあ……コロナ禍でゲストあんまり呼べなかったのもあるのかもしれないんだけど、メギドが出て一般市民を害するっていうルーティンがなくなって、SOLの内輪もめになってしまったのが残念だった。
カリバーの裏切りとマスロゴの暴走を、エッセンスじゃなく縦軸にしたのがよくなかったんだろうなあ。
各要素だけ見ると絶対おもしろくなるはずだったのに……脚本家も全員猛省してほしい。
レギュラー10人は多いってキュウレンジャーのときに学んだでしょ!? 話聞かない系の対立は非生産的って平成ライダーが証明してるでしょ!? ゼロワンみたいに話数削られたわけじゃないでしょ!?
話さえちゃんとしてたら、最後まで見終わってネットの考察なんかも参考にしつつふり返って「うん、おもしろかったかもね」って自分を納得させる手間はいらなかったんですよ!!
10話前に楽しく二次創作始めてたんですよ!!(重要)
映像作品なのに、映像の説得力を出せなかったのも大きいかも。コロナ禍では仕方ないのかもしれないけど、群衆のシーンがすごく少なくて、レギュラーの立ち姿ばっかりで、そのせいで物語の説得力がなくなってることがものすごく多くて、事情はわからなくもないけど残念感が否めなかった……
CGが要なのはわかるけど、頼りすぎてた気もする。
でも戦隊では今もちゃんと「群衆」がいるんだよなあ。予算と時間の使い方かなあ?
有料配信に金を出すのが嫌なのではなく、「複数媒体をフォローしないと全景は見えません」っていう構成に抵抗があるだけで、本筋おもしろかったらちゃんと全部追うから……円盤特典もそういう本編の補足に使わないでほしい……
構造的に仕方ないとはいえうまくやってる作品も当然あるので、これはセイバーの失敗だと思ってます。
映画も「超短編」「50周年祭」とぜんぜん単独でまともにやらせてもらえてないし、冬映画くらいはリバイスと分けてちゃんとエモいやつ作ってくれるといいなあ。引き継ぎは来週するんだからいいよね。
ゴースト見てたときは、自分も一次創作で実力以上の長編を書いてたタイミングだったので、「いや、あんまり悪く言わないであげて……」っていう心持ちでむしろ暴走するストーリーに共感しちゃうくらいだったんだけど。
いろいろ言えてしまうのは、今の自分が無理難題に挑戦しなくなってるからかもしれませんね。セイバーくらいのハードルで創作に取り組んでいかないとダメかしら。まあ、全体的には半面教師で。
以下、主要メンバーについて思うところを好き勝手語りますが個人の感想です。完全に個人的な好みです。
でも嫌いな人いなかったな……それはすごいかもしれない。
いろんなカップリングの話を不用意にしているので固定の方は適宜スルーしてください。
あと、今後書くSSとかにはたぶん無関係な内容です。感想と二次創作は別腹っぽい。
神山飛羽真。
よき主人公でした。名前が難しいけど。変換難しい名前はトレンド入りしづらいので、もうちょっと考えてつけてほしい。
なんていうか、性格のよさそうな桐生戦兎っていう感じで……インテリ感が薄かったのはわざとなんでしょう。
けっこう初期なんだけど、賢人くん大好き蓮の前で「賢人~どした~?」って電話でマウントとってみせる口調がすごく好きで。小説家だし過去もあるし達観してるんだけど、嫌味もなくてやんちゃな面も見えて、体は大きいのに可愛げがあって、珍しいキャラ造形でした。
あと、あきらかに執筆にも本屋にも戦闘にも向いてない服装すごかったな……
同じ服は二度着ない主義なんじゃないかってくらいバリエーション多かったけど、子供番組的には色か形を統一してほしかったです。
コンセプトが「とんでもなくオシャレ」「内藤くんに似合う」だけだったからさ。ジャケット一択・ワイドパンツ一択・ハット一択というわけでもなかったので、もっと動きやすくてもよかったのでは?と思わなくもない。キャラは立ってたし似合ってたけど、わかりやすさって大事だからさ。
どんなに過酷な状況でもシーンごとに着替えてくるので、いつもどんな気持ちでクローゼットの前に立ってるんだろうこの子……って彼のメンタルを心配しつづける一年でした。ボロボロになるのわかっててあの服を選ぶ精神状態もよくわからなかった……衣装デザインはキャラデザインだよ!
あの量からいってウォークインクローゼットか衣装部屋があると思います。
序盤から好きだったのは、物語の登場人物になりきって寸劇を展開するとこ。「物語」をテーマとする映像作品としていい表現だと思ったし、ライダーにしては珍しくコスプレし放題だし、増えていくレギュラーを都度巻き込んでやったらすごい楽しいなあと思ってた。
結局そうはならなかったけど、コラボ回の織姫彦星、それからルナに見せる賢人との小芝居で、そういうのが見たかったんだよ!って終盤に思い出しましたよ。
例えば或人社長はテンション押さえてる芝居のほうがハマるんだけど(個人の感想です)、神山先生は楽しそうに目をくりくりさせてるのが似合うので(個人の感想です)、2話に1回でいいから楽しいお芝居をしてほしかった。賢人もそっちのほうが輝いてた気がする。
中盤では、プリミティブドラゴンの心を救って暴走を止めた話が好きだったんで、最終決戦でご本人登場はテンション上がった。ああいう「恩返し」は大好物です。
小説家である彼が、最終回も「消えた人々の物語を描くことで彼らを取り戻す」というとこに帰結したのはえらい。えらいけど、そういうことは本編中で描写してね!! これたぶん私ずっと引きずるから!!(しつこい)
自ら世界を創造して戻ってくるというラストはなかなかステキで感動的だったんだけども。
今は展開的に絶対ムリだと知りながら、飛羽真がワンダーワールドでずっと今も書きつづけています、っていうエンドもよかった……OPの映像が伏線回収になっててさ。すごくキレイにまとまったと思うんだけど。
主要人物を殺しちゃいけない縛りというのは、ストーリー上の緊迫感も薄くなるのでどうかと思うんですがセイバーのせいじゃないしな。
でも飛賢的には「まあいいでしょう」ってなってしまうの悔しい……
全員いるのになぜか二人でイチャイチャして終わったから、逆に「!?」ってなった。あれだけ敵味方男女問わずフラグ立てといて結局幼なじみかよ!?って、サンデーマンガ見てる気分になった。
なんかハーレム系ラブコメ主人公ポジなんだよね飛羽真って……キャラ的にそういうタイプじゃなさそうなのに。ただでさえ人数多い中で矢印受けまくってて人間関係大変そうでした。
新堂倫太郎。
あのね、倫太郎はかわいいですよ。倫太郎を嫌いになる人なんかいないですよ。エクレアあげたいし、いろんなこと体験させてあげたいですよ。「飛羽真くん」→「飛羽真」になったときは、なんだ結婚したのか!?って素で思いましたよ。
それは前提として、彼が2号ライダーである意味がわからなかった……
飛羽真の唯一の知己である賢人を3号に持ってきたなら、賢人を超える絆を飛羽真と築くとか、もしくはだれよりも別路線で対立する蓮あたりのポジションでないと、「二番手」である意味が見いだせないのですよ。ただ「2番目に登場したライダー」ってだけになっちゃう。
全員が飛羽真と対立する流れの中で、絶対的な味方のユーリ、最初に信じてくれた大秦寺さん、さらに幼なじみで死別・闇堕ちまでした賢人のほうが、インパクトとしては強かった。
3人体制でいくなら賢人を途中抜いたのは失敗だったし。実際、賢人が戻ってきてからは3人で楽しそうだったので、これ一年間見ていたかったなあ……ってしみじみ思ってました。
ていう立ち位置的にはすごく中途半端だったのに、キャラの魅力で愛され系を維持しつづけた倫太郎は本当にすごいです。かわいいです。ずっと愛でたい。
あと師匠が鼻高い……倫太郎も高いけど……(どうでも感想)
富加宮賢人。
ええと、できれば彼を一年間ずっと見ていたかったなあ!!というのが感想です!!(大きな声で)
前半で賢人が死ぬシーン、前段のドラマがテレビではカットされてたのでキャスト陣の熱演が虚しいくらいに響かなくてですね……いないあいだは中田アクションが見られずにさびしくてですね……闇堕ち復活も、話が悪いほうに込み入ってた時期だったし何かと引っぱりすぎたのもあって悲壮感が伝わらなくてですね……帰ってきてからの賢人が過去関係なくキラキラいきいきしていたので、最初からここに置いとくんじゃダメだったのかってね……思ってしまうんですよね……
明るくて華やかなキャラなのに、お父さん絡みで苦悩してる期間が長すぎて、もったいなかったなあって。
父さんのインパクトがありすぎたのもよくなかったね。あんなヒゲロン毛のエロい父さんよろしくないよね(個人の感想です)
賢人でGOしそこねた自分の一年がもったいなかったなあという完全な私怨ですけれども
幼なじみ描写の丁寧で完璧な例として、リュウソウジャーのコウメルアスを先に見せられてるので、同じ編成のこっちが今ひとつ説得力弱かった……
これは作劇の問題なんだけど、幼なじみってさ、幼少期と現在のあいだに断絶があると描きにくいんだよ。シンケンジャーの寿司屋くらいうまく作らないと笑
スパヒロ戦記のヤバい三人を見せられたのもあるかもしれない。最後まで、あの(大人の)三人がいっしょにいるのが幸せな結末って思えなかった。かといってルナだけが子供のままなのもバランス悪いし。
そもそもなんですけど、ルナって必要だったのかな……? ルナの役割を賢人に集約すれば、もしくは幼なじみをルナだけにして賢人に別の役割を与えれば、もっとすっきりしたんじゃないかな? せめてルナも最初から大人として出てくれば……今度はソフィアさんがいらなくなるか。
なんか、物語の根幹の「三人組」が腑に落ちないんだわ……「楽しかった過去」と「幸せな未来」を語るための焦点がずっとぼやけてる感じがしてた。そこがセイバー最大のネックかもしれない。
須藤芽依。
最初はおかしなテンションに不安しかなかったけど、前半はお留守番ばっかりだったけど。振り返ってみるとよく動くキャラでしたよ。
まあ去年の女性キャラの活躍に比べると弱いなと思う部分は多々ありましたが、剣士どもが内部分裂してるあいだも彼女はずっと飛羽真といっしょに行動してたし、ユーリやらお兄さまやらバハトやらルナまで、異世界や対立要素とのつなぎも担ってたし、ちょっと荷が重かったんじゃないかってくらい働いてた。
最終回の主役はほぼ芽依ちゃんじゃないですかね。ナイスヒロイン。
ちなみに、現場で倫芽派と飛倫派の対立があるんですか?ってくらい、回によって距離感がちがうのが気になりました。ライダーあるあるだけど。
個人的には、みんなの夢と希望のために曖昧なままでいてほしいなあ笑
尾上亮、大秦寺哲雄。
それぞれとっても「イイ」キャラだったと思うんですが、相対的に出番が少なかった&話に振り回されすぎてた、で魅力を存分に発揮できなかったの残念……だからスピンオフとかに回すのやめよう?? 時間はあったはずだ。
マンガは……ボイスそのままのショートアニメはともかく、二次元になった時点で公式とは思ってない派です。メディア展開として否定はしないが俺は認めん(してる)。
尾上さんは、最初こそ印象最悪な感じで出てきましたが笑、ちゃんと「おっさんライダー」として機能していた(場面もあった)ので、結果オーライです。もう仮面ライダーはいいとこどりで判断するしかない部分あるから。
あとねー、あの大刀はアラフォーの憧れなんだよね。大刀ってだけでだいたい許しちゃうよね。しかも中が次郎さんでしょ。もう同世代の憧れが詰まりすぎてる。しかもレギュラーでおっさんがいたら応援せざるをえない。ずるいキャラです。
そういや奥さん死別だと勝手に思ってたら、スルッと普通に出てきてびっくりしました。最終決戦前の小ぎれいな一戸建てでの家族団欒シーンでは、それまで考えないようにしてきたSOLの雇用・給与体系がどうしても気になってしまう病と必死に戦っていました。剣士たちマイホーム持てるくらいいただいてるの?? 平和になったこの先も養っていただけるの??(禁句) いや奥さんの収入だけだとしたらほぼサンレッドじゃないですか……
関係ないんですけど、数年ぶりに会った甥っ子が坊主頭でつり目気味なもんだから「そらくんに似てるな……」と思ってしまいました。子供の顔の見分けがついてないだけかもしれない。
大秦寺さんは、腋からの腕と手が美しいのでセクシー担当だと思います。ジャケット着なくていいのに。
あんな空気になりそうな立ち位置で、人見知り→距離感ゼロ→無自覚ハイテンションのキャラをよく作ったな……そしてよく演りきったな……という感心が先行します。彼はほとんど「自分の役割を誤らない」んですよね。事態が混乱しても適切な場所にいる。そうできないときは出てこない笑
セリフのないとこでいちばん細かく動いてるの彼だったんだよね。全員棒立ちで話を聞いてる場面が異常に多い中、もっと映してくれ~大秦寺さんをくれ~って毎週念じてました。
皆が思考停止で対立始めちゃったときも、いち早く飛羽真くんに味方してくれてすごく好きになりました。飛羽真くんをおんぶしちゃうとこでかなり滾りました。あとユーリにルパンダイブしたりセクハラ並みにベタベタするとこもかなり滾りました。天然オレサマなユーリが唯一引いてたの溜飲が下がりました。
SOLの大人組なのに趣味全開で暴走しちゃうとこが最高……あの美しい手でもっとユーリや飛羽真をまさぐっていただきたかったです。
大秦寺さんへの未練が大きすぎる……もっと大秦寺さんをくれ……(烈伝観ろ)
緋道蓮。とデザスト。
裏主人公だよね。というか、なんで蓮が2号じゃなかったんだろう。
と終わってからふり返るとそう思ってしまいますが、こんなことになる予定じゃなかったんだろうな……映アンや剛チェイ並みの激エモ展開を、5番手くらいのキャラでやるんじゃないよ。
登場当初はキャラも芝居もおぼつかなくて鳴き声が「賢人くん」で、でも賢人くんは彼のほうを向いてないのでこのまま空気になるのかな、と思っていたらまさかのデザストと合流……はじめは「ついにライターのだれかが発狂したのか!?」と心配になるレベルの唐突感だったんだけど、なんやかんやすごいことになりましたね。
蓮デザだけ抜き出して見れば、間違いなく名作でした。設定もストーリーも、各演出も完璧。なんでメインでコレができないの!!(机バン)
デザストなんか途中完全にフェードアウトしてたじゃん。ウッチーが声やってなかったら私たぶん完全に忘れて再登場時「誰?」ってなってたよ。メギドデザインかっこいいし、ウッチーの声もいつもの高めな感じからどんどん怪人っぽく迫力が増していって最高ですありがとうございます。今後はもうちょっと計画的に作ってください。
ラストで毅然とした顔の蓮が(おそらく修行の)旅に出てたの、主人公が幼なじみといちゃついてたのと対比すると、めちゃくちゃかっこいいじゃん……
デザストが復活しなかったのは、彼がメギドだというのもあるだろうけど、飛羽真がデザストの物語を知らなかったせいかもしれない。デザストの物語はストリウスも知らない、蓮だけのものなんですよ、そう考えるとめちゃくちゃエモい。
監督たちがあの二人「なら」スピンオフやりたいって言ってたらしいけど、それって他キャラの話はべつにってことじゃないの……? ホントPたち正座して!?
蓮デザは完璧すぎて逆に手が出せないです。ちょっと情緒的なやつを書きかけて、ダメだなってあきらめた。人外不得意すぎる。
神代玲花、神代凌牙。
ビジュアル的には非常に見目麗しかった……玲花はお兄さまが登場してから美人になった気がする。サーベラとデュランダルもかっこいいし。
悪役として登場して、離反後もなかなか合流できずにいたのに、ゼンカイコラボ回を挟んだことで違和感なく仲間入りしたの、最後の最後に起きた奇跡でしかないよね。玲花なんか前半は完全に悪印象しかなかったよ。もう思い出せないレベルだけど。
そもそも神代兄妹の関係性をちゃんと描いたのがコラボ回だけなんだよな……ブラコンと脳筋でもちゃんと兄妹の情があるっていうの、少なくとも本編と初期設定では出てなかった。アレがないと最終決戦がモヤるとこだったので本当にありがたい、しかしそれでいいのか。
コラボ回はいろんな意味で最もちゃんとしたエピソードでした。本筋では絶対に見られないお兄さまの女装最高でした。凛々しいチャイナドレスありがとうございました。
重ね重ねありがとうゼンカイジャー。だからそれでいいのか。本編だって、飛羽真の妄想に巻き込まれるお兄さまとかできたはずなんだぞ。
ところでマスロゴ絡みのときに凌牙が意味ありげに見ていた懐中時計、危惧してたとおり全く回収されずただのファッションになってましたねちくしょう!!
俺はもっとマスロゴ×凌牙的展開を見たかったんだ……!!
ユーリ。
剣士たちが一斉に飛羽真から離れていったタイミングで登場したので、なんか適当なキャラぶっ込んできたな……としか思ってなかったんですけど。わりとチートな存在なのも、ご都合すぎて不安だったんですけど。
ただ、飛羽真を否定しないっていう一点において、彼は中盤の救いでした。
あと賢人が闇落ちしてるとき「飛羽真がワンダーワールドの住人になる」可能性について、わりとフラットに触れてた記憶がある。ただの天然じゃなく、そのへんの「人間じゃない感覚のズレ」みたいなのぐっときた。
でもチートで不死身な彼だから、最終回では復活しないでほしかったなあ……
近年「ちゃんと死ぬ」ということがすごく難しくなってるのはわかる。でも死んだタッセルに対して「自分も行く」と宣言したんだから、約束を守ってほしかったのです。
あの人数の命を救うには彼自身の命を使い果たす必要がある、という説得力もほしいし。ストリウスやバハトも、不死身ではなくきちんと死を受け入れてるんだから、ユーリもそちら側へ戻るのが美しい結末なんじゃないかなって。タッセルと並んで、ワンダーワールドで飛羽真を見送ってほしかった。
もしかしたら剣の彼には寿命がないのかな。それはそれでつらい話じゃないですか。他の剣士たちは普通のホモサピエンスなのに。これからはタッセルのいない世界で、何代もの剣士を見送らなきゃいけない。あれ、ワンダーワールドとは行き来自由なんだっけ?
タッセル。
「うわTOBIさんだー」というとこから入ったせいか、あれだけブラフがあっても不思議と悪役だとは思わなかったんですよね。なんか悪い人に見えなくて……
ちなみにレ・ロマネスクとの出会いはEテレの『お伝と伝じろう』で、たぶんみんなが初めてタッセル見たときくらいに脳を揺らされた記憶があります。
完全に狂言回しのナレーションだと思ってたら、ユーリと友達だったり、賢人パパを飼ってたり笑、ストリウスにとどめを刺されたり……思ってた以上にものすごく重要な、セイバー世界の中心にいる人だった。かなり目が離せませんでした。もう嫌いになる要素がないですよね。
こっちの世界に現れちゃったときには、「世界観が違いすぎる!」と不安になったりもしましたが……最後まで愛すべき「へんなおじさん」で、とにかくこの人を連れてきた人がすごい!えらい!って思います。
もっとタッセルさんに依存して、全話「ボンヌ・レクチュール!」でもよかったのよ……この人のインパクトで、アレな話もごまかせた気がする。
全話出てるわけじゃないのに、途中で完全退場もしたのに、OPでは映画予告にも負けずにカットされず居残りつづけたの、本当によかったです。これからも細かいことは抜きにしてスピンオフとかで「ボンヌ・レクチュール!」してくれたらいい。
イロモノはイロモノとして愛でる主義なので、ユリタセはそういう推しです。
ストリウス、レジエル、ズオス。
レジエルもズオスもキャラ立っててなかなかいい悪役だったので、もうちょっと長く活躍させてあげてもよかったんじゃないかと思います。メギド、途中からぜんぜん出てこなくなったね!? 予算かコロナ対策か……
そして3人で引っぱるには1年は長すぎたんだ……でも、パワーアップお披露目でやられちゃうレジエルとズオスはちょっとかわいそうだった。なんで二人がきれいな顔で散るのか、あの段階ではわかんなかったし。
「始まりの五人」の話がちょっと唐突だったので、もうちょっと伏線を張ってほしかったとは思いますが、セイバーの中ではちゃんと描かれてるほうですかね。回想シーンもあったし。
ストリウスは、悪役として描いてもらえる時間があってよかったねと。ちょっとマスロゴの背後で愛人ムーブしてる期間長かったけど、彼が全知全能の書によって絶望したくだりはちゃんとやってもらえてよかった。
というかマスロゴのターンが長すぎたのもあって、だんだんストリウスに愛着がわいてきてね? あんなにぞろぞろ剣士がいるのに、飛羽真だけを「私の英雄」って呼びつづけるのがヤンデレっぽくてよかった。それをヤンデレの譫言として拒絶するんじゃなく(飛羽真自身は受け入れてないけど)、最終的に本当に「ストリウスの英雄」にしてあげる流れがエモかった。
あと六枚羽ばっさーは素直に滾りました。CG班大変だと思うけど、ニチアサでイケメンの背に羽が生えるのが大好物です。赤でも黒でも、一枚でも六枚でも。変身は……正直しなくてもよかったと思うけど、まあいいでしょう。本人がノリノリで一生懸命変身ポーズ考えていったのに、監督から「何もしないで」って言われた話すごく好き。
マスターロゴス。
最初に一兵士のふりをして飛羽真の前に出てきた彼が、あまりにも傾国系美人で「!?」って立ち上がったんですが……ですが……
いいんだ、相馬圭祐がこの役をやったことで気持ちを立て直せたのならいいんだ。体調に気をつけて無理なく仕事をつづけてくれればいいんだ。そして今後もお仕事ください東映さん。という祖父母みたいな気持ちでおります。
テレビを見ている限りでは、都合のいい中継ぎ悪役って感じだったんですけど、彼のおかげでストリウスがきちんとラスボスを全うできた気もするので、複雑な気分ですが結果的にはいいキャラだったと思います。正気じゃなかったけど強かったしね。
最後に初代マスロゴで登場したことによって、飛羽真に救われた人の中に入れてもらえたのが救いでした。
いつかまた寿司も握りにきてください。丈ちゃんも誘って。
ストリウスとイザクみたいな荒んだカプも嫌いじゃないです。
嘘です、好きです。
飛羽真がワンダーワールドで小説を書きつづけていた一年間、ルナはともかく「始まりの五人」+バハトがいっしょに見守ってたかと思うと、ちょっとウザいかもしれないな……と思いましたが、楽しそうなのでまあいいでしょう。
登場当初は誰も彼も悪印象か不審者だったのに、最終回ではみんな晴れ晴れとした顔でだれ一人取りこぼさずにハッピーエンドで終わったの、めちゃくちゃだけどもうそれでいい。
終わりよければすべてよしだよ。ゴーストの時も同じこと言ってた気がするよ私。
ところで神山先生、上條さんと賢人パパは復活しなかったんですか……息子大好きでウザ絡みしてくるパパと、優しく対応してくれるパパ大好きな息子が見たい。
すみません、唐橋充がニチアサに出てくるとテンションが上がってしまうホモサピエンスなもので……