リバイスにお礼を言ってみる。

もう9月も半ばなんでそろそろケリをつけておこうか。
この記事以降、リバイスの新規コンテンツを能動的に摂取することもないし話題にすることもほとんどないと思います。リバイスきっかけでTwitterやピクブラをフォローしてくださった方は切っていただいてもけっこうです。

今年はなんだかんだ言いながら見つづけて、半年過ぎたあたりでこのままいけるかなと思ってたんだけど。一回リアタイ視聴を逃してしまったら録画をわざわざ観る気もなくなってしまって……ドンブラザーズの時間まで寝ちゃうようになってしまったのは健康上良くなかった。反省しています。

こっから思いきり吐き出すのでご注意。
かなりセーブしてるけどね。暴言しかないといえばそう。


令和ライダー3作目。
前2作にも思うところはいっぱいあった。それはもう山ほどあった。
でも、それでも、私はアルト社長が好きで神山先生が好きだった。彼なら、何があっても最終的にヒーローとしてみんなを救ってくれるだろうという信頼があった。

555、カブト、鎧武、ウィザード、ゴースト、途中からついていけなくなってちゃんと観てないライダーけっこうあります。
それでも私は、乾巧も天道総司も、紘汰さんも晴人くんもタケル殿もみんな好きでした。作品の顔である主人公が好きなら大抵のことは許せる、破綻した展開も嫌いなキャラもダサいデザインも。

正直この一年間、一輝に対してポジティブな気持ちになれたことが一度もなかった。彼が他人を幸せにしてハッピーエンドを迎えられるイメージが全く持てなかった。歪な家族関係も友人知人との関係も、バイスとさえなんだかしっくりきてない印象があった。
そしてなんともいえない最終回だけ観て「???」となりつつ、ドンブラザーズでうまく要約して締めてもらったなーずるいなーと思いつつ。あれは白倉取締役の温情なんでしょうかね。

ファーストインプレッションの劇場版0話から、最後の劇場版、てれびくんDVDに至るまで、私は一輝を好きになってあげられなかった。彼の正義を理解できないまま脱落してしまった。リバイスが合わなかったのってやっぱりそこがいちばん大きい。


ジョージ狩崎が好きという話はずっとしてきました。彼のためなら全話いけるんじゃないかって。
でも唐突に狩崎父が出てきてから、あーこれは嫌なパターンだなって確信しちゃった。フェニックスから人がいなくなっていくのも、ジョージの持ち味を殺す流れだなって。それでもジョージ変身回だけは前後わからなくても見届けたんだけど、すごくかっこよくて本人の思い入れも伝わってきただけに、ストーリーの薄っぺらさが悔しくて仕方なかったです。
私はただジョージが変わらずジョージでいてくれたらよかったのに、マッドでクレイジーなライダーオタクであってくれればよかったのに、そのキャラクターさえ確固たるものではないというあたりで見ていられなくなった。
ジョージだけでなく誰を推しててもそう思っただろうなと感じさせる作品でした。

最後にキングカズが唐突に出てきて、私はサッカーなんて全く知らないけれども、だからこそ世代的には伝説的なサッカー選手の一人だと知っているのです。そういう別世界のレジェンドを、たかが最終回のサプライズで使うなんて、と軽く怒りすら覚えました。「あの」キングカズをそんなに軽く扱うことが許されるのかと。
そしてキングカズの言葉がまた、この一年の戦いに何の関係もなくて、何のために呼んだのか呼んだ人もわかんなくなってんじゃないのって。

単純に、一年ドラマ初挑戦の脚本家が玉砕しただけかもしれない。プロデューサーと噛み合わなかっただけかもしれない。でも一年間丸々微妙っていうのはやっぱり変だよ。もう3年も紛糾してるんだよこの枠、賛否両論とかじゃなく。


それでもよかったところですかね……
エビルとライブの造形はかっこいい。
でも大二が好きになれなかったんだよな。大二の扱いというか。
彼の苦悩は厨二病なんて言葉で片づけていいものじゃない、家庭環境による根深い問題なのに、だいたい大二本人のせいにされてて終始モヤモヤしてた。大二が貧乏くじを引くのを当然としている雰囲気が苦手だった。もう大人のヒロミには思わなかったけど、大二は未成年だし。

さくらは……ちょっと近年あんな性格悪い女子いなかったから免疫なくて……ウィザードの凛子くらい? 悪役でなくヒロインとしてああいうのカワイイって思えるのどういう男?
ドンブラではるかちゃんが「トウサク」って呼ばれながらも楽しくつき合ってるのに対して、さくらは陰でめちゃくちゃ悪口言われてそうだし、むしろ自分も意識せず仲間はずれとかイジメに加担してそうなタイプ。アギレラが悪い子じゃないってわかるから、余計にさくらの傲慢さや意地悪さが目立ってた。かわいくて快活な妹なら、アギレラみたいな子にすればよかったのに。

カゲロウやラブコフの立ち位置もよくわかんなくて、というか何が標準で何がイレギュラーなのか提示されないままだったんだけど、人間に対しての悪魔ってなんだったんだろ。私が観てないとこで語られたのかな。


違う、褒めるんだった。
アギレラはかわいかったね。でもかわいい女の子から全部奪い去ってかわいそうな目に遭わせるのがシュミなのだとしたら、製作陣と丸ごと気が合わない。本当に痛々しくて見ていられない時もあった。変身したから大逆転なんてことはないよ。チャラにするには彼女の傷は深いよ。そもそも殴り合って、傷つけ合って友情を深めるってのが男子的発想なのよ。

一貫して、他人を傷つけることに対してあまりにも無頓着というか、今どきこんな気遣いのないドラマある?っていうくらい無神経な描写が多かった。現場でどうにかならなかったのか、監督が緩和してアレなのか。
狩崎みたいなキャラならいくらでも人を嘲ったり否定したりしてもいいよ。いっそ彼にヘイトを集めればよかった。
でもまず五十嵐家からして相手の否定をためらわない。唯一否定しないパパはママに守られてるだけ。みんなが無意識に傷つけたり勝手に傷ついたりしてる。それをフォローできる人がそもそも存在しない。自分か特定の相手だけを溺愛するキャラばっかり。まともなのヒロミくらいかな……でも私は前半のヒロミしか見てないしな。
「リアルな人間像」のつもりかもしれないけど、ニチアサでそんな悪意のある切り取り方必要?

それでもまだ話の筋や設定がしっかりしてれば展開がシビアでも耐えられたし、好みの問題で片づけられた。そういうフォローもできないほどの杜撰な作りで……いやセイバーも相当だったけどここまでではなかったよ。話で褒められるところ全く思い出せない。
あのシーンがよかったねとか、この芝居がよかったねとか、部分的に切り出していくことしかできない。

ゼンカイジャーやドンブラザーズは確かにぶっ飛んでるけど、何本も筋通した上でやってるから破綻はないんですよ。極悪人やエゴイストの描き方を熟知してるんですよ。熟練の職人技をすぐそばで見せつけられてるから余計に「なんでできないの?」って思っちゃう。


ああ、いいところね。
パパさんはかわいかったしかっこよかった。
パパとママの過去が明らかになったまではよかったんだけど、スピンオフでベイルやりまーす!って出たときにがっくりきた。最初からそっちをやりたかったのかね。スピンオフのキャストがしっかりしてたのも逆にイラッとしたね。なんでそのエネルギーを本編に持ってこないの?って。

あと、あのママさんが本当に「強い女性」だと思ってるなら、脚本家とPは女に生まれなおしたほうがいい。過去のエピソードを聞くに、彼女は自分(と夫)の世界を守るためにヒステリックになってしまった哀れな人で、歪な子供たちはその犠牲者だよ。
あの家族のぎこちなさや不自然さはわざとで、物語の中で解消されていくってことなのかなと思ってたら、ぜんぜんそんな方向じゃなくてさ。実家暮らしの主人公ってとこに期待してしまった部分もあるんだけど、それにしてもあんまりだった。
これを観てた全国の一輝や大二はどう感じるんだろう。ママさんと同じタイプのお母さんはなんて思うんだろう。吹っ切れなかったジョージはどうしたらいいんだろう。余計なお世話ですか。でも家族なんて身近なテーマだとつい引き寄せて考えてしまう。

なんか全体的に「気持ちのいいキャラクター」がいなかったんだよな……
性格がいいと利用されるし、性格が悪くても戦力になればOKみたいな。このキャラクターで何を言いたかったの?っていう……おちゃめな人間くささっていうんでもなく、ただ全員が不快。狩崎は最初から悪意や狂気が突き抜けてて気持ちがよかったんだけど、それさえあやふやにされてしまったし。

ううー狩崎のことはまだ好きなんだけどそれはもう公式の狩崎ではなく私が勝手に作った幻想の狩崎だからなー。そこに固執してもなー。


うーん、リバイスのいいところね……
あの俳優さんたちを選んでくれてありがとう。新しい人との出会いも、懐かしい顔との再会もあった。
牛島父のメガネチャレンジ、けっこう見てました。楽しかった。
若林司令官は、長年積んでたアマゾンズ観るきっかけになったのよかった。
アギレラちゃんの子、できる子だしもっと報われてほしい。
大二の子は一番伸び率高くてこれからも絶対どんどん伸びるから、見守っていきたい。
ヒロミも、実は生で見てた顔だったし、ここからどんどん売れて地元にもがんがん呼ばれてください。

ジョージ狩崎は……今でもヘイヘイ言ってる狩崎は大好きです。あのナイスな英語も人をナメきった顔もエロい体もイカレたスタイリングも全部新鮮で最高だった、ありがとう。狩崎というキャラクターを仮面ライダーの歴史に産み落としてくれてありがとう。他はどうでも彼なくして狩崎はありえない。
ただ、狩崎以外の彼を見たいかというと、今のところそうでもない。リバイスは思ったほど彼を伸ばしてくれなかった。だからずっとモデル業でもいいと思う。でも狩崎を超える当たり役を掴んでくれたらめちゃくちゃ応援する。事務所も本人も信頼してるからがんばって。

あとはとにかくパパさんをありがとう。パパさんの裸体を何度もありがとう。若い男とイチャイチャ風呂に入るパパさんをありがとう。変身するパパさんをありがとう。かっこよくてかわいいパパさんを劇場版まで見せてくれてありがとう。
ついでにヤンデレのツダケンをありがとう。
劇場版ではケインのキレキレアクションをありがとう。眼福でした。

ギーツ、おかげさまで期待値が最底辺からになってとくに不満もなく観られてます。ありがとう。

特撮R21_リバイス

Posted by nickel