鎌倉殿の13人。
実は初回から欠かさず観てます。NHKプラス最高だね……
三谷脚本は作劇のお手本になるし、大河ドラマの演出はシーンの見せ方のお手本になる。俳優陣も折り紙つき。
よく知らない時代というのもいいです。るひまでざっくり予習したけど。
そういうのもあって、逆にどっぷり浸かることができないというか、俳優を含め散りばめられたプロフェッショナルの技巧に唸っているので、そこまで入り込めないんですよね。
ここでこの前の伏線を回収して、こういうお膳立てで殺されるのかー、この人がこう動くのかー、憎まれ役をコウして好感度上げていくのかー、って感心したあとに、吾妻鏡ではこう書かれていますっていう解説を読んだりして、うまく繋げたなーってもっかい感心する流れ。感情移入までいかないで終わっていますが、それで損してるとは思ってません。
あまり詳しくない時代なので、だれがいつ死ぬとか全く知らずに観ています。ネタバレNG派なんで、義経がいつどこで死ぬかも知らないで観たかったくらい笑
でも現時点でいちばん心を動かされたのが、義経と弁慶の最期でした。
うまく言えないけど、あれはちょっと尾を引いた。ああいうのが、技巧の先にあるものまで受け止められたってことなんだなあって。
今は泰時と鶴丸をニコニコ眺めています。なんか泰時たいへんそうだから、たまに小柄な鶴丸をぎゅっとして癒されるといい。義時にはああいう人がいないのがつらいよねえ。みんな義時を置いていくからねえ。
基本、死ぬまでどこまでもお供しますっていう主従が好きなんで。頼朝と安達殿もよかったし、木曾義仲と巴の兄もよかった。ああ、義経と弁慶もか。
……巴、まさかこんな時期までレギュラーになるなんて、義仲さまも兄上もよかったと思ってるはずよ。
なので今回とくに組み合わせとかはないんですが。
お色気的に、独り身の小四郎が八田殿の乳を揉みに毎晩通ってたらいいなあくらいは思ってましたけどね。3人目の嫁来ちゃったしね。
実は大人の裏取引というのをしまして。八田×大江を書くので、シンウルの班長×室長を描いてくださいと。
たけしばさんはずっとずーっと以前から遠巻きに拝見してた方なんですが、ガチで絡んだのはこれが初めてかもしれないです……カジュアルにとんでもない取引持ちかけたもんだよ我ながら。
というわけで唯一無二(言葉どおり)の室長受けを手に入れるために書いた下心しかないSSです。
ドラマの情報だけで書いてるのでなんかおかしくてもご容赦を。だって史実ならアラウンド還暦なんでしょ二人とも……見た目とのギャップを処理しきれない。
とにかく八田殿のおっぱい揉むぞという個人的目標は立てました。
歴史物で困るのはいつも言ってるけど服の脱がせ方とお布団でね。
お布団は割愛するとして、改めて直垂と狩衣の構造を確認しました。小袖と襷ならいくらでも描けるアルカリ先生にもご教示いただきました。
その成果がこんな感じ。
あといつものやつ、麒麟以来の再掲(2年ぶり4回目)。
だいたいこのくらいのゆるさでみんな書いていこうぜ!!
『鎌倉殿の13人』
八田知家×大江広元(R18)
どちらもノリでいたしているのでラブとかはとくにないです。勢い余って2ラウンド。時系列も曖昧。
*
「この度は急なお願いに応じていただき……」
深々と頭を下げる広元に、知家は腕組みをしたまま向き合っていた。
「京風は依頼が多いんだ。今回は身内だけって話だったからな、他よりそう手間はかからなかった」
大江の屋敷は常よりもひっそりとして寒々しかった。長らく伏せっていた当主の妻の葬儀を終えたところで、後始末まで八田の者がすべて済ませていった。
「このような時機に、私事でさらに掻き回したくはなかったもので、助かりました。悲しんでおる暇などございませんから」
知家を送ろうと裾を翻した広元が、その裾に足を取られたようによろめく。都落ちとはいえ儀礼に厳しい文官が、人前で転ぶことなどありえようか。
「あ……」
床へ無様に倒れ込む手前で、力強い腕が受け止めた。
衣の中の身が、信じられぬほどに細い。日々鍛えている武士とは体のつくりが違うのだろうが、知家のほうが驚いた。
「かたじけない……お恥ずかしいところを」
細い腰を抱き寄せ、つい余計なことを口走る。
「ろくに食ってねえだろ。悲しんでる場合じゃねえってんなら、まともに動けるよう飯ぐらい食っておけ」
「いえ……ええまあ」
目を逸らし扇を口元に当てたままの広元は、体を知家に預けたままだった。よほど力が入らぬのかと腕を掴んでみれば、ほうっという吐息とともに一瞥を受ける。
その目の色で気づいた。
「……餓えてんのは、腹じゃねえな」
己を嘲るように笑みを滲ませた男は、静かに囁いた。
「歳も歳、女子を侍らせるほどの甲斐性もすでに……ただ無性に、人肌に触れたくなる夜もございます」
一段声を落とし、知家の首筋に扇を添える。
「汗と土にまみれ、熱と生気にあふれた肌が羨ましくなる夜も……」
さて乗ったものかと思案しながら、広元の耳に口を寄せる。荒々しい御家人たちとは違い、雅な香りが鼻をくすぐった。
「俺は高いぜ」
「いえ、そのようなつもりで申したわけでは……」
「じゃあ、あんたはいくらなんだ」
「さて、京でしか値踏みを受けたことがないもので、如何程でしょう」
他の武士に体を許したことはないと、言外に知家の自尊心をくすぐる。さすがの策略家、口では敵いそうにない。
「なら俺がしてやろう」
抱いた体を放り投げるように床へ這いつくばらせ、その手足を己の重みで押さえつけた。鋭く息を呑むのが聞こえる。
「細すぎる……これじゃあすぐ折れちまうなぁ」
「執務に差し支えますゆえ、ご容赦を」
僅かに震える声もどこまで信ずるに値するか。そう考えつつ、ひとまず両腕を後ろに捻り上げ、彼自身の大きな袖でひとつに括る。縄ほどに食い込まず、余計な痛みもないだろう。
「逃げはしませぬものを、慎重なお方ですな」
「煩わしかっただけだ」
後ろから耳を喰み、皺の寄った細い首を締め上げるように撫でる。そのまま触れた口をこじ開けて指を差し入れた。
「ぁ……」
軽く歯が食い込んだものの、自ら舌を絡めてくる。二本、三本と指を増やしても、一本ずつ丁寧に爪先から舐める舌使いに、こちらも自然と息が荒くなった。
「弁が立つ奴ってのは、舌も器用なのかねぇ」
空いた手で帯を解いてやりながら、ついそんな呟きが口をついて出た。揶揄のつもりはなかったが、歯を立てられたということはそう聞こえたのかもしれない。
その指を後ろへ這わせると、広元は不自由な両手をよじった。
しかしさすがにすんなりとは入り込めない。どれほど無沙汰だったか聞く気もないが、これでは始まるものも始まらない。
「めんどくせぇな……」
広元の小袖を捲り上げてひざを立たせると、頑固な孔にむりやり舌先をねじ込んだ。
「ひぃっ!?」
それまで息を乱す程度だった広元の口から、聞いたことのない声が上がる。腕をしばっておかなければ、這いずって逃げられていたかもしれない。
知家は広元の腰を押さえつけ、指と舌でそこをほぐし広げていく。
「あぅっ、ぅうん……っ」
口を塞ごうにも両手は使えない。床に頬を押しつけ、声をこらえようと歯を食いしばるが、広元はなす術もなく喘ぎ、そして己の欲を昂ぶらせていた。
平素は人の血が通っているかも怪しい男が……そう思うだけでこちらの体も熱くなる。
「もういい具合か?」
なんとか入るようになった指で中をかき回すと、哀れにも聞こえる声が懇願した。
「……八田殿、どうか、ご容赦を……ぁあっ……」
欲しがるように締めつけてくるそこがもの欲しげに見え、思わず己の猛りをひっぱり出していた。相手の痴態ばかりを見せつけられて放っておかれた知家の熱は、張りつめてすっかり支度ができている。うつ伏せの広元からは見えないが、もし目にしたならば慄いていたか、眉を顰め顔を背けたか。
「熱くて火傷するかもしれねえぜ……」
広元が答えを返す前に、強引に押し入った。
「ぁ……っ!!」
細い腰がのけ反り、声にならない悲鳴が上がる。
「きついな……そっちはだいじょうぶか」
いちおう声はかけたが、相手は襟元に首をうずめ、声を殺すので精いっぱいといったところだ。この男から能弁を奪えるとは。しかしそれはそれでおもしろみがない。
「堪えずに吐き出しちまえよ……」
「……おかまい、なく……」
苦しげな低い声が、弱々しく答える。
それならばと一息に突き入れた。
「あぁっ!」
あとはもう互いに言葉などない。ただ犯し犯される男二人の姿が闇夜の中にあるだけだった。
広元はもはや歯を食いしばることも唇を噛みしめることも忘れたらしい。とうにひざの力は入らなくなっているようだが、腰を掴まれて床に這うことすら叶わぬだろう。
「うぅっ……」
先に精を放った知家のほうだった。
思いの外きつかったからだ、ということにして、それでいてまだ力を失わぬままの屹立をどうしようかと、気が逸れた束の間のことだった。
「!」
動きで緩んだのか括っていた袖がほどける。
床に手をついた広元は、素早く知家から離れて身を退いた。
彼は背後を取られまいとこちらへ向き直り、毅然とこちらを睨む。とはいえまだ己の欲は満たされぬまま、ろくに力も入らぬはず。乱れた衣の裾を引っぱれば容易く捕まえられるだろう。
「痛いばかりでもなかったろうに、怖気づいたか」
僅かに上ずった声が、袖の影で震えた。
「縛られずとも、抗いはいたしませぬ」
そう言い切った広元は、邪魔な裾を直しもせず、今の今まで縛られていた腕をまっすぐこちらへ伸ばしてきた。
膝へ乗りかかってきて抱きつかれたかと思うと、首の後ろでくくっていた袖紐を解かれる。袖口が緩んだところで小袖ごと襟を肩から落とされ、露わになった知家の体を細いながらもしっかりとした腕が抱きすくめた。
「八田殿ともあろう御方が、頼まれごとの取り違えをなさるとは……私は『人肌を』と申しませなんだか」
情事の色を残しながらも、その声音は常の文官に戻っている。
「なに……」
汗と土と、欲と血にまみれた硬い肌。広元は初めからこの身に触れたかったのか。
「火傷めされるな……」
反り返った知家の怒張に、広元の狭い後孔が押しつけられる。一度精を注がれたそこは誘うように知家を受け入れていった。
「ん、はぁっ」
低い呻きが耳をくすぐり、硬い指が肌に食い込む。
「仕事が『はやい』だけでは、ありますまい……?」
「煽るなら……それなりの覚悟はあるんだろうな」
腹の底から熱いものが湧き上がってきて、つい笑みを洩らしていた。怒りか欲かはどちらでもよい。
知家は広元の体を押さえつけ、揺すり上げ突き上げた。ぐちゃぐちゃと卑猥な音が二人のあいだから聞こえる。
首元に歯が当たった。胸をまさぐる指も、遠慮なく爪を立ててくる。こちらも負けじと薄い肩に噛みつき、日に焼けていない肌に痕を残した。
繋がりなどもののついで。全身でぶつかり合う肌、互いに残す淫らな痕こそが、情など見せぬ冷徹な文官が欲しがっていたものだったのだ。
そのために知家を「使った」。軟派な武士よりもよほど腹が据わっている。そして、先ほどよりもよほど愉快だ。
「ぉお……っ」
再び、広元の中へ精を吐き出した。いや、搾り取られたのか。
息を切らせた広元は知家の耳元に口を寄せ、掠れ気味の声で囁きかけた。
「……どちらが高値か、お決まりになりましたかな」
「双方、支払い済みってわけか……」
ずるりと汗ですべり、またしても傾く体を片腕で受け止める。
「寝所まで担いでいくか?」
「お気遣いは、ご無用……」
肩で息をしながらも、彼はその身を己で起こそうとする。
「ならば始末くらいはさせてもらおう。一度請け負ったからにはな」
小袖の端を引きちぎり、欲で濡れそぼったそれを丁寧に拭ってやる。それから、尻穴へ二度も注ぎ込んだ精を、指で掻き出してやった。
「悪いな、勝手がわからずやりすぎたかもしれん」
「いや、もぅ……結構、ぅん……」
親切心のつもりだったが、広元は袖を噛みしめて耐えている。自ら誘い乱れていた男が、今さら羞恥に悶えるのが意外に思えた。
こちらは袖と帯を直す程度でよかったが、広元は皺まで払って元の「大江広元」に戻っていく。
「次はもう少し、細かく指図をくれ。俺ぁそのとおりに動くだけだ」
次という言葉で僅かに熱くなった我が身の、決まり悪さに首を掻く。らしくもない。
「心得ました」
落ちていた扇を拾い上げ、広元はすいと背筋を伸ばす。立ち上がるときには僅かなよろめきもなく。
「次は、仔細にお願い申し上げましょう」
月明かりの中に立つその男は、政所で見る厳格な文官そのものだった。
*
広元殿の「私は泣いたことがない」ってエピソード見てからずっと脳内が中森明菜です。
飾りではござらぬ涙は。
手でちぎれるくらいペラい小袖は着てないでしょとか言わない…八田殿と和田殿は直垂だってパーンってできますよジブリみたいに。