ヴァッサロード最終巻。

感想書いたらOVA貸してくれるって言われたので!(笑)
読後感だけ言うと、「めでたしめでたし」で「勉強になりました」ていう感じでした。


そもそも、
「フジワラが受けのドラマCDあるんだけど原作読んでから聴いてね」
と渡されたマンガ(&CD)だったわけですけれども(笑)。
黒乃奈々絵と言えばもちろんピースメーカーのイメージしかなくて(最初のほうしか読んでないけど)、絵はともかく少年マンガっぽいノリが好きな人だと思ってました。それがいきなりマッチョ風味なおっさん受けで、しかもバリバリB級映画リスペクトみたいなノリで、えーこういう方向だったの、って思いますよね通常の反応として。
でもまあ、楽しそうなんですわ。黒乃センセーが。
B級映画のコテコテなテイストだったり、「あくまで吸血シーンということになっているエロシーン」だったり、今まで黙ってたけどこういうの好きなんだよね!って叫んでる感じが(笑)。
クレイグなんかぜったいモデルいそうだもん。86に至ってはもうどういう立ち位置なのか素人にはさっぱりでしたが、たぶん超お気に入りキャラなんでしょうね。
とにかく作者の萌えポイントが手に取るようにわかる(笑)。
ハロルドって個人的には初出から好きなキャラデじゃなかったんだけど、ただ黒乃さん女子供は苦手って言ってるわりにやっぱりショタは好きだと思うんですよね。もしかしたらショタ攻めなのかもしれないな。
レイフェル&チェリルが出てくる必然性もとうとう最後まで私にはよくわからなかったけど、女体化もフォローという意味なのだとしたらかなり死角なしの萌えマンガです。あとドラマCDの敦子さんがかっこよかったから結果オーライ!!(笑)
BL的に役割をカテゴライズすればいちおうレイフロが「受け」なので、レイフロをずっとお色気担当にしてるのも同人誌みたいでおもしろかったです(笑)。美形とはいえ腹筋割れたヒゲのオッサンだぜ? しかも声フジワラだぜ??
クローンを出してレイフロにはキャラ的にできないことをさせる、チェリーが「ゴス」になって別人を演じるっていう展開も、パラレル設定の常套といえばそうなんだけどやり口が巧くてなるほどと思いました。
そこに萌えるかどうかは読者に委ねられているのですが、とにかくだいたい同人屋がやりたいことをフォローしてくれているのでまさに死角なし。BLとしてもてんこ盛りです。
そんでチェリー×レイフロ。
まずチェリーが少年時代から始まってますのでやっぱりショタ疑惑は消えないのですが、マッチョなお兄さんたちが裸でエロく絡んでるのはなにかこう、感慨深いというか……(笑)
あくまで「血を吸う」場面ですので、挿入はないんですけど、なんかそれも逆にいいですな。アルカリが「これ見て勉強しろってことなのかなあ」と呟いておりました(笑)。まあ字書き的にも、毎回のエロ(吸血シーン)への持っていき方はすごく参考になりました。
これが黒乃センセが書きたかったモノで、でもご本人の言うとおり照れとか遠慮とかがあってこういう奥ゆかしい表現?になったんでしょうね。
そこは吹っ切れなくてもいいかも。このまま、ちょっともどかしい感じでいてほしいッス。
とにかく男も女もカップリングも世界観もビジュアルも、好きなものだけを全部ぶっこみました!ていう姿勢が、非常にすがすがしくてよろしかったです。なので「めでたしめでたし」で終わった感じでした(黒乃センセ的に)。
こういうテイストや世界観が大好き!で、カップリングと絵柄の好みが合えば、もうたまらないんじゃないかと。ものすごくニッチですけど。
私は吸血鬼も基督教も完全に門外漢なので、そこをスルーしてしまってたから100%満喫できてはいないんでしょうけど、こんなにBLなのにきちんとアクションありストーリーありでマンガとしておもしろいのはさすがよね、ってことでわかるぶんだけでも楽しめました。
個人的意見で恐縮ですが、恋愛しかしてないBLほどつまらんものはないです……そういう意味で、「よくできたBLマンガ」だったと思います。
余談ですが、これのCDドラマシリーズがよかったのですよ……ストーリーがしっかりしてるせいか普通にオーディオドラマとして楽しめました。
なのでアニメも期待しておるわけでして!!(笑)