スペクター。
忘れないうちに感想を書いておきます。
とりあえず、私はおもしろかったですよ。
音楽がかっこよくて好みだったんですけど、サントラとかは出してくれないんでしょうかね。フィギュアつきDVDとかいらないから、そういう廉価な商品を出してくれないかなあ。コ*ミだから期待薄かなあ。
まずこれは映画ではなくてDVD作品を劇場公開したものだという認識がないと肩すかしを食らいますね。尺も41分だし。予告になぜか「駄目ナリ!」のトリウッド公開中の宣伝があったよ……(笑)
ストーリー。
……ありません。
いや、本当に。全編、スペクターのプロモーション映像でした。
宇宙からの侵略者インベーダー
地球を護る秘密組織
その組織最強の男
宇宙人の遺物を研究する博士
その美人助手=ヒロイン
ヒロインのピンチに現れるヒーロー
どハデなバイクアクション
二丁拳銃、巨大ランチャー、音撃棒ライトセイバー二刀流
もうこれでもかというほどに畳みかける、お約束と記号の嵐。ひねりなんかちっともありません。あまりに直球でいっそ爽快です。やりたいことだけやりました、っていうのがダイレクトに伝わってきます。
デザインとか造形とかCGとか編集とか、その道のマニアなプロたちがそれぞれ自分のやりたいことをやった結果がこの作品なのですね。職人魂を披露する場みたいなもんです。
ただ脚本のプロは必要とされなかったらしく(笑)、セリフまわしと物語の展開はものすごくテキトーでした。この監督さんは脚本が苦手なんでしょうね。俳優さんの演技でなんとかフォローされてたけど。
キャラクターすらも俳優に依存されてた気がするのがすごい。
寺崎鉄也。
寝不足ヒーロー(笑)。
仕事きつすぎて寝るヒマがないとゆー、労働基準法ぶっちぎりのヒーローです。あの人相の悪さも睡眠不足からきていると思えば、なんだか微笑ましい……?
まあぶっちゃけ彼目当てに見に行ったわけですが、そこは裏切られませんでしたよ。ふわふわの茶髪がかわいかったし、あいかわらずバイクも銃も似合ってたし、久々に見せつけられる足の長さ、スタイルの良さに、素直にときめきました(笑)。
インベーダーに対して淡々と警告するとことか、疲れてよろよろしてるとことか、キャプテンと会話してる口調とか、純粋にお仕事としてやってる感じがしてよかったです。ヒーローとしての姿勢は響鬼っぽいかも。年齢的にもヒビキ&ザンキ並み
キャプテン。
寺崎の唯一の上司。
この人がいなかったら、ホントにスペクターのプロモで終わってた! さすが最強兄貴、存在感がぜんぜんちがいます。あの顔とあの声とあの口調のままで寺崎に指示を出すだけなのに、いきなりD.O.Eと寺崎が血の通った存在になっちゃうんですよ。この役に兄貴引っぱってきた人すごいな。この短いプロモを物語として成立させるには、兄貴の存在が不可欠だと思いました。だって寺崎なんてかっこよければ誰でもいいんだもんね。
彼のセリフはだいたいにやにやしながら聞いてたんですが、「白黒つけちまえ」っていうのがヒット(笑)。さすがゼブラーマン!
あとはまあ、話の都合上必要な民間人の被害者と、「メガネを取ったら美少女」を地でいくヒロインと、造形に気合いの入ったインベーダーの皆さまが出てきたくらいですかね。クリハラさんの出番をもっと期待していたとかそんなことは忘れました(笑)。だってこれはスペクターなんだもの!!
テレビシリーズで半年くらいじっくりとやってくれたらハマるな。寺崎ついに寝不足で事故る、とかさ。キャプテン昔取った杵柄でヘルプに乱入、とかさ。特撮やキャラは文句なしにかっこいいから、ちゃんとした脚本家が書けばちゃんとした話になると思います。
特撮映画としては、実写版サンダーバードくらい燃えました。はい(笑)。