【SS】コウとバンバ【R18】

だって暑いし(略

なんか節操がない感じですみません。
メルトとトワにはいかないので安心してください(?)

細かいこと抜きでこの二人にエロいことをさせたかっただけです。
左右が容易に入れ替わる関係なのでご注意。

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頬を伝った汗があごからしたたり落ちて、上下する胸に落ちた。
浅黒い肌の上で混じり合う二人ぶんの汗を味わうように、舌を這わせる。そのまま、尖った喉からあごの線を辿って、耳を食んだ。くすぐったさそうな吐息が洩れ、コウの下にある肉体が身じろぎする。
二人は繋がったままだったが、バンバの中にあるコウのそれはまだ臨戦態勢ではなかった。一度達した状態で、しかしあっさり抜くのも名残惜しくて、休まず二度目に挑もうとしていたところだ。
脈打つ胸の上に置いていた手を、肩のほうへずらしてはだけたシャツの下へすべり込ませる。どこに触れても、硬くて力強くて、胸に湧き上がる感情が欲望か羨望か、未だに判断がつかない。
はじめにブーツを脱ぐ手間を惜しんだせいで、タイトなボトムはどちらも中途半端に脚に張りついている。今さら脱ぐのも面倒だった。ただ、もっと相手に触れたい、という欲求は膨れ上がる一方だ。
横へ無造作に投げ出された手に、自分の手を重ねた。どちらも汗ばんでいて吸いつく肌を、さらに密着させたくて指を組む。
だが、バンバの手はわずかにひくついただけで動かない。
それに気づいたコウは、ふと顔を上げた。
「コウ?」
目を伏せて静かに喘いでいたバンバが、全ての動きを止めたコウを見やる。その顔を見下ろして、コウは眉を寄せ口を開いた。
「……オレにされるの、イヤ?」
「なに……」
あまり表情を見せることのない彼だが、驚いていることは見てとれる。
「どういう意味だ」
意味もなにもない、言葉のとおりだ。焦れったくなって、真上から相手の顔を覗き込んだ。身を乗り出したために繋がりが深くなり、二人はそれぞれに呻く。コウの熱はバンバの中で再び質量を増していて、ここで中断するのは互いに苦しい。
それでも、問わずにはいられなかった。
「自分がするときは、めちゃくちゃ優しくしてくれるじゃん」
経験の浅いコウを、バンバは壊れ物でも扱うかのように丁寧に抱く。
前戯だけで蕩けてしまいそうになって、半泣きで懇願してやっと挿れてくれるが、強引に進めるようなことはしない。苦痛や快感をこらえようとすれば、手を握って口づけでなだめ、慣れない刺激にうまく対応できるよう導いてくれる。
コウはただ彼にしがみつき、その先へ連れていってもらえばよかった。
「なのに、オレのときはなんでなんにもしてくれないの」
彼ほどではないが、それほど拙くもないはずだ、と思いたい。抱いてほしいとせがむのと同じくらいに、抱きたいとコウは求め、バンバも拒まなかった。
受け入れる体は反応するし、抑えながらも表情は声よりも雄弁に物語っている。嫌われているわけではない、とは確信できるのだけれど。
コウの愛撫を、彼はなにもせずにただ受ける。非協力的とまではいかないが、コウを抱くときの慎重さや繊細さを知っているから、どうにも気が入っていないように見えてしまう。
いつもは夢中で気づかなかったが、手さえ握り返してもらえないということは……
彼はゆっくりと瞬きをして、コウの頭の後ろのほうへ視線を逸らした。
「俺が抱けばいいのか」
「そうじゃなくて!」
説明しようにも、なんと言っていいのかわからなかった。彼も呆れているのかもしれない。
「してあげるとか、してもらうとかじゃなくて、いっしょにしたいんだよ」
こんなに必死なのに、真剣なのに、稚拙な表現しかできない。
「そうか……」
わかったのかそうでないのか、バンバはため息をついて、コウが指を絡ませた手を引き剥がした。
拒まれたと一瞬ショックを受けかけたコウの首を、太い腕がぐいと抱き寄せる。
「っ!」
逆らう隙もなく、唇を塞がれていた。
いつもどおり巧みに、だが優しくはない。乱暴にすら思える性急さで蹂躙していく。一気に追いつめられて、腰のほうは今すぐにでも彼の腹を突き上げたいのに、もう片腕がコウの腰をがっちりと押さえつけていた。
刺激に翻弄されて力が入らない状態では、その腕から逃れることも難しい。
「……っは!」
息が続かなくなったところで解放されたコウは、汗を散らして頭を上げる。大きく息をつぐコウを見上げ、バンバはめずらしく笑みを浮かべてみせた。
「こういうことか?」
子供をあやすような、いなすような様子はもうない。
目を細めたバンバは、自分の中にあるコウを締めつける。ただでさえ酸素不足なのに息が止まって、頭の中が白くなりかけて、それから思わず笑い出していた。
「そういうこと!」
叫んで、彼の両手を掴んで体重をかける。
力強く長い指がしっかりと組み合って、そしてすぐに汗も混じり合った。

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兄さんはめっちゃジェントルだと思うし、コウも意外と手荒ではないと思うんだ。
……けど、そもそも絡んでくれないから、これ以上は書けませんでした。残念。