【SS】コウとカナロ3【R18】
もう暑さを理由にはできないか……
来週が最終締切のJ庭原稿が4万字超えてもまだ6割程度の進捗だからです!!
数年ぶりに本気のヤバさを感じている。まだ全体像が見えていないパターン。
ということで!!
かわいい男の子がイチャイチャしているだけの話です!!!(清々しく現実逃避)
全くシチュエーションが思いつかないので、前回と同じ口実で。
左右はないですが、いたしてはいます。リバというほどでもないです。
というか挿入とかしてはいけないのではと思いはじめています。
書きながら「うわあああ」ってなってました。
勇者は即カミツキ合体だったのに、騎士の初々しさなんなの。
ラッキーとスティンガーは宇宙人だったから、そこの段階は飛ばしてたんだよなーと改めて思いました。人間じゃなければイケるはずなんだよ普通は。
最近の疑問は、「兄さんはなんでコウにだけ優しいのか(むしろメルトにだけ厳しいのか)」と、「コウはなんでカナロの結婚式のみならず披露宴まで参列する気でいるのか」です。陸でも海でも、テレビやネットで知識を得てそうなあの子らホント不安。
あと、「噂の7人目はいつ来るのか」ですね。海の人なのかなー。
——————————–
唇が頬に押し当てられ、少し驚いて相手の顔を見た。
コウは真剣な顔でカナロの唇に指を当てる。
「ここは、大事な人にとっとくんだろ?」
それはそうだとカナロもうなずいて、彼の肩に頭を乗せた。
はじめは遠慮がちに背中へ回されていた手が、いつのまにかしがみつく形になっていて、二人の体は否が応でも密着する。
「恥ずかしくないって教わってるけど、やっぱドキドキしちゃうね」
「言うな、余計恥ずかしくなる」
繁殖期の熱を持てあまし、つい手近なところで求めてしまった。男女のような交わりは望まない、ただ発散するだけでいい。コウも心得たように承諾するから、陸ではそれほどめずらしくない行為なのかもしれない。
「他の……仲間ともするのか」
自分とちがって同族が多い彼のことだから、その発想は自然なはずだった。だがコウは照れくさそうに笑い、首を振る。
「初めて」
「……………」
つまり二人とも正解がわからないということだ。
だが気負うことはない。ただの「処理」に過ぎない。そう思っていると、コウはベストとシャツのボタンを外しはじめた。
「なぜ脱ぐ?」
「直接さわるとこが多いほうが気持ちいいよ、たぶん」
その「たぶん」に反論できる材料はカナロも持ち合わせていない。コートの中のシャツも前を開けると、コウが体を押しつけてくる。暑さですでに汗ばんでいる肌は互いに吸いつくような感覚で、生々しい官能に息を飲んだ。
「ほら……」
気持ちいいでしょと笑った彼はそのまま目を細め、こちらを伺いながらそろそろと手を下肢へすべらせる。二人ともベルトを外して前は開けていたが、まだ露出させる勇気はどちらもなかった。
下着の中におそるおそる長い指が這い込んできて、カナロの熱に触れる。思わず肩をすくめると、息を詰めたままのコウも怯んだように身を震わせた。
「ごめん」
「謝るところじゃない」
負けじと、カナロも手を伸ばす。乱暴にするわけにもいかないから、コウの触れ方もむりはないのだと理解した。
「ゆっくりのほうでいい?」
「……ああ」
一瞬なんのことかと思ったが、快感を長引かせるやり方のことを言っているのだと気づく。この肉体は基本的には人間と変わらないものの、繁殖に関わらない交接では吐精を抑えることもできる。大切な伴侶を深く愛するためとカナロは認識していたが、こんな状況でも有効らしい。
目が合ったコウの表情にぎくりとして、顔を背ける。幼い印象はどこにもなく、それどころか大人びた艶を滲ませていた。
「カナロ」
耳元に囁かれる声も、普段と違って聞こえる。やたらと速い鼓動は、どちらのものかすでにわからない。
コウに促されるまま、互いの手の中にあったものを直接擦り合わせるように押しつけた。
「……っ」
同時に呻いた二人は、手を離して体の動きだけで性器を重ね合わせる。
ほんの些細な動きでも、元から欲しがっていた欲望は容易に硬く熱くなっていく。ともすれば気が急いて激しく動いてしまいそうになるのを、互いに体を押さえつけることで抑止し合っている。
腰に、背中に、細く頑丈な指が食い込んでくるが、もはや痛いとも感じない。同じ力で自分も相手を抱え込んでいるから。
夜の湿気と汗で、息をするのも苦しいほどに湿った熱が体にまとわりついて、それでもその腕を解こうとは思わなかった。助けを求めるかのように相手にしがみついて、そのせいでさらに熱を高めていく。
二人とも、ほとんど動いていないのに。
「あ……」
コウが喉を反らして喘いだ。最初の波が襲ってくる。
たまらずに彼のシャツを押しのけ、裸の腰に手を回した。自分の袖が邪魔と感じるほどに、その肌を感じたくて仕方がない。コウもカナロのシャツをコートこと引っぱり、はだけた肩に顔をうずめてきた。
胸で、肩で、掌で、触れられる場所全てに触れて、自分以外の存在を感じる。ほんのわずかな距離を隔てる衣服が鬱陶しいが、その不自由さも性急さを押しとどめている気がした。
「ぅん……っ」
目眩にも似た感覚を、ただ抱き合って声もなくやり過ごした。手前まで打ち寄せた熱が、さざ波のように引いてまたじわじわと高まっていく。
「すご……気持ちい……」
熱に浮かされた呟きが、吐息の合間に耳をくすぐる。
「カナロも……?」
「ん……」
聞くなと突っぱねそうになり、この場にはそぐわない言葉だと思いなおす。
脚を絡めさらに腰を密着させながら、彼の頭を抱き寄せた。
「こんなに……いいとは、知らなかった」
正直な感想を洩らすと、コウも息を切らせながら笑う。
「カナロだから、かな……」
その意味を問おうとしたとき、コウの唇がまた頬に触れた。頬骨に、瞼に、耳朶に、首筋に。ただ触れるだけの口づけを、彼は幾度もくり返す。
熱い息が肌にかかり、柔らかい唇が押し当てられるたび、心地よさと同時に焦れったさを覚える。肝心なところに触れられず、だがこちらから求めることもできない。
それがカナロの唇のすぐ近くに触れ、あごへ下りていったときに気づいた。避けている、というよりは、耐えているように感じられた。
「コウ」
「うん?」
顔を上げた彼と、鼻先が触れた。あとほんの少しだけ、顔の距離を縮めるだけでいい。ただ、どちらかが身じろぎするだけで。
「いや……なんでもない」
それは大事な人と……生涯の伴侶とすることだから。最初にそう確認した彼から触れてくることは、決してない。
彼の視線と正体不明の歯がゆさを振り切って、相手の顔に頬をすり寄せた。
せめて、この時間を一瞬でも長く。
——————————–
自分の専門外だったなって最初の数行で気づきました。
さくっとカミツキ合体したい(恐竜違い)