ライダー2本立て。

いつもならセイバーVSゼロワンのところ、今年は完全に別の話で2本立て。
セイバー20分、ゼロワン80分くらい?
なんだけどさあ……あの、戦隊とのときも思うんだけど、ちょっとは相談っていうか擦り合わせしよう? ちょっと情報共有するだけで、ネタや展開がかぶっちゃうの防げると思うんだ。似たようなネタを2回立て続けに見せられると、露骨に優劣が見えちゃうんだ。

というわけで、いつもながら心のハードル下げまくってのライダー感想です。

12月は忙しいので初日の仕事終わりに行ったんですが、お仲間の大人たちでシアター満員になっていて「密……」と思いました。

劇場短編 仮面ライダーセイバー 不死鳥の剣士と破滅の本

「劇場短編」の名のとおり、ホントに短い……
ほぼ変身後、ほぼアフレコ。ああ、コロナ対策……と思ったけどそれにしても苦しい……
とくにセイバーって基本的に剣戟なので、どんなにCGと発破で盛り上げても派手さの限界があるというか……それでもナパーム20発使う柴崎監督の心意気やよし。あ、全員変身は素直にかっこよかった。すごくよかった。

これ、子供で埋まったシアターで見たかったな……よい子のみんなが盛り上がってくれれば、これでよかったんだなって思えるから。大人しかいない空間ではちょっと厳しかったです。

最初は15分って話もあったそうで、もうテレビ総集編でよかったんじゃないか。いっそそっちのほうが収まりよかったんじゃないか。とはいえいちおうセイバー新フォームもやらなきゃいけなかったっぽいので、ホントお疲れさま……
なんにせよ、コロナ対応しながらテレビとスピンオフと並行してこれを作り上げたセイバー関係者全員に拍手と感謝を送りたいです。

あと谷口おじさんはテレビ本編か夏の映画にまた出てきそうですね??
アマゾンズのあたりから谷口くんって言うのやめた笑

劇場版 仮面ライダーゼロワン REAL×TIME

60分のカウントダウンとともに物語が展開する「リアルタイム」。
完全に「本編後日譚」であり、どこまでもゼロワン世界です。つまりゼロワンという物語が好きか、あの最終回を受け入れたかがそのまま評価に直結するってこと。
私としては、半分はちゃんと好きだけど半分は消化不良というか不完全燃焼みたいなとこがあって、おのれコロナ……と呻くしかできないのですが、本編がもうちょっとしっかり終わっていれば、もっと晴れ晴れとした気持ちで見られたんだろうなあと思います。

ただ、圧倒的によかったのが伊藤英明。
映画だから有名人呼んだぞー的なパターンではなくて。彼こそがエスであり、彼でなければエスは成立しなかった、というくらいの存在感だった。
目的も感情も読めない「扇動者」から始まって、ゼロワンを徹底的に打ちのめす「絶対強者」としての恐怖、そして後半で立場が変わってから「追われる者」になったあとの脆弱さ、全部が完璧。全くブレない。
最終的にたどりついた「楽園」でのラストは、もうなんか「美しい……」としか感想が出てこなかった。同年代の別の俳優さんだったら、妙ないやらしさが前面に出てしまってたかも。
これコロナがなくて通常運転で夏映画としてやってたら、大河ドラマで十兵衛に何度も手ひどくフラレて失意のナレ死直後だったわけで、「転生して仮面ライダーになった義龍」にしか見えなかったわけで、「この世界では救われてよかったよねえ……」と泣いてしまっていたかもしれないので危なかった。
とにかくプリキュアのゲスト悪役並みにすばらしかったです。変身もかっこよかったです。

ただ伊藤さん、元から仮面ライダーファンだったようで、今も親子でゼロワン大好きなようで、杉原監督側のコメントで「サインを求められて逆だろ!って思った」っていうのが、ガチだなって思いました。去年の冬映画ね……かっこよかったもんね……
あと相手役の女性が、「悪の教典」で生徒役だったって、どういうえげつないキャスティングだって思った……伊藤さんだって試写後に生徒役の子たちがだれも目を合わせてくれなかったっていうエピソードしか持ってないじゃない!

そういえば、伊藤英明呼んだら一回は脱がせなきゃいけないって条例でもあるんですかね。あるんですよね。

で、こちらも変身後多め・アフレコ多め・登場人物分散……ああ、コロナ……
ただ、杉原アクションだったおかげで「ずっと見てられる!」ってなったのはよかった。銃撃戦もバイクアクションも決め変身も、うわはははは楽し~!!って感じで。

話題としては、イズのゼロツ―変身かな。
もしこの「社長と秘書でダブル変身」までテレビ本編でいくつもりだったとしたら、アルトくんのイズへの執着がもっと真に迫ってきたんだろうなあと思います。そこまでいったら秘書ではなくて半身にも近いものだから。人間とかヒューマギアとか関係なく「相棒」だから。
幻の旧イズとの共闘があり、そしてここでの新イズの変身なら、やっとアルトの半身が戻ってきた、完全なゼロワンになった、っていう話にできたのかなと。
というとこまで妄想して、やっとアルト&イズというカップリングを認められた感じがありました。たぶん私の最後の引っかかりは、アルイズをどう消化するかってとこだったんだなと。

女性陣はよかったですね。
通常運転の刃さん、しっかり刃さんの片腕やってる亡、テレビより活躍してるシエスタ。女の子も男の子と同等に生きてるゼロワン世界いいよね。それで一年慣れちゃったから、セイバーは女性少なめなのがちょっともの足りない……

すっかり人間サイドについた滅が、「子供嫌いだと公言していたのに子供ができたらめちゃくちゃ子煩悩になってるタイプ」でいっそおもしろかった。絶賛無職中の不破さんがお笑い担当だったみたいだけど、まあ滅と迅もなかなかだったよ。

アキラ100%はね……これこそ子供がいるとこで観たかった。子供が笑ってくれればもうなんでもいいの。ああこの人呼んだの正解だったなって思えるの。いや、たぶん正解なんだと思う。大人だけが真顔で観てる空間がいっそ居たたまれなかった……
あとまあ、ヒューマギアを使って尋問(というか拷問)してのけるのは1000%以外にできないと思うので、あのメンツに彼という存在があってよかったなと初めて思いました。まあ一周回っておもしろくなってるからいいわもう。

あとなんで福士誠治が幹部クラス?って思ってたけど、アレは彼レベルでないとダメでしたね。二人がかりで倒すんだもの。隠しラスボス?的なフォームもよかった。何度も言うけど映像がホントにすごかった……

個人的にはもう一度、与多垣ウィリアムソンさんにお会いしたかったですけどね!!

それにしてもコロナめぇ……(地に這いつくばりつつ)