マーベラス/ジョー
微睡み
「もぉ、いつまで寝てるのさ、マーベラス……あれー?」
遠くからにぎやかな声が聞こえる。
呼ばれた本人は、別の部屋で目を閉じたままへらっと笑った。
二人で夜を楽しもうと乗り込んできたら、相手はもう寝ていた。なにもせずおとなしく部屋に戻るという選択肢はなかったから、寝込みを襲ってやろうとベッドにもぐり込んだ……のだけれど、キスをくれても頬をつついても、マイペースな剣士は目を覚ます気配さえない。
勝手に服を脱がせて勝手に始めようと思ったのだが、意外と面倒だということに気づいた。普段は彼が率先してやってくれていたから、そんな手間を気にせずにいられたのだ。
一度気づいてしまうと、意識のない相手になにをする気も失せて、彼の上に身を投げ出す。
そのまま規則正しい寝息とぬくもりに抱かれて目を閉じた……と思ったら、もう朝だ。
実際はきっちり一晩経っているのだが、寝た瞬間に起こされたような気がする。寝足りなくて、頭の下にある硬い胸へと頬をすり寄せた。
もしかしたら自分のベッドよりも心地よいかもしれない。
苛立った足音がこの部屋にも近づいてくる。
「ジョーもそろそろ起きてよ……」
ドアが開く音がした。
でもまだ目は開けない。もう少し、あと少しだけ……
このあたたかい微睡みを。
このあとハカセはもちろんドアを閉めて廊下ダッシュです。
なにも知らないガイが起こしにくるまで二人は起きません。
★★★
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