女中たち。
先週、「うたかふぇ」ってのを観ましてね。
まあおーやま目当てだったんですけど、ちょっと期待はずれというか、芝居の焦点にこちらを合わせていけないというか、まあぶっちゃけこんなイライラする演出見たの久々だわ!!っていうところに意識がいってしまってダメでした。
役者陣も悪くないはずなのに、ごく一部の自分で場の空気を作れる人以外は(舞台慣れしてる芸人さんはこういうとき強いね)、おそらくその演出のせいで本来の魅力を封じられてるように見えました。サンシャイン劇場がもったいない。
思えば先月の「GOWEST!」はしっかりしてたよ。いけてつすごいよ。
そんで今週、「女中たち」を観てきました。
ジャン・ジュネ作。
まあ芝居としてのジャンルや目的がそもそも違うから比べようもないんだけど、テンションとか真剣味とか、そこから生まれる凄みとか、そういうのが段違いでした。芝居も演出も美術も全部、観客まで巻き込んで舞台と同じテンションに持っていこうとするエネルギーがすごかった。
原作↓

女中たち バルコン (岩波文庫)
三方を客席に囲まれた舞台で、矢崎とDの碓井が女中の姉妹を演じます。
公演によって姉妹はスイッチするみたい。私が見たのは碓井が姉のソランジュ、矢崎が妹のクレールで、クレールの小賢しくて嫌味な感じがとてもよかったんだけど、でも碓井のほうがもっと賢く見えると思うし要領が悪いソランジュは矢崎がハマる気がする。
姉妹とはいえ、メイクもメイド服もなく、裏声を使うこともなく、ほぼそのままの男二人が口調だけは女言葉で、そして膨大な量のセリフを息つく間もなく応酬するのです。しかもわざわざ男の体作ってきてる(二人に毎日筋トレさせてたって中屋敷さんが言ってた・笑)。
身を寄せ合ってお互いしか愛する者がない姉妹を、男が演じるというのは確かにジュネ的かもしれない。
二人だけでも圧巻なのに、第三者の「奥様」がズルイくらいに迫力があった。美しくなければらない役柄とはいえ、若いと男二人に対する説得力が薄れるんだろうね。奥様に翻弄される二人がホントにか弱い少女たちに見えてくる。
カーテンコールまで計算されてるのがもう悔しいレベル(笑)。
最後の最後で舞台の真ん中に出てきた奥様が、本来なら主役の二人が受けるべき拍手を、当然の顔で浴びて、そしてその後ろで弱々しく頭を下げる女中たちは、奥様が悠然と舞台を去った後に少しの笑みすら見せず舞台装置の中に閉じ込められる……っていう図式が完璧すぎて。
個人的な感覚なんで賛同はいらないんですけど、舞台でのダブルコールってのがどうも好きじゃないのです。演劇でもコンサートでも。完全に慣習だからさ。ライブのアンコールも、やるの決まってるなら一回引っ込むなよ、とか思っちゃう。決まりごとだってわかってるし、そこで立って帰るほどの反感もないし、もちろん演者に対しては全力で拍手を送ってるけど、いつも頭の片隅では必要ないと思ってます。やな観客(笑)。
しょーもない公演のときは自分のクールダウンや整理の時間として使うにしても(笑)、すごくよかった、この余韻を今すぐ持って帰りたい!っていう感動した公演のときのほうが、ダブルトリプルの時間がだるくてしょうがない。
「柿食う客」の公演を観てないので断言はできないんですが、中屋敷さんもそうなのかなってフランダースのときに思ったのですよ。役者が役者に戻る隙を与えず、観客にもだらだらとした甘えを許さず、強制的に公演を終了させるっていうのがすごく潔くて気持ちいい。
まあそんなわけで、原作や役者は当然のこととしても演出って大事だねってあたりまえのことを再確認してきたのでした。
キャストスイッチした公演も見たいけど時間合わなくて残念……