映司/アンク

2010_仮面ライダーオーズ,[!],[R18]


【HAPPY×HAPPY1】

「行くぞ、映司」
アンクはいつもおれの腕を掴んで、こっちの都合なんかおかまいなしにむりやり引きずっていく。理由があるのはわかっているけど、当然の顔で命令されて連れていかれて、腹が立たないわけじゃない。
今日は、あいつがこっちに歩いてくるあいだに来るなってわかったから、腕をつかまれる前によけてみた。
「!」
大きく空振りしたアンクはむっとした顔で、また手を伸ばしてくる。またしても身体ごとよけるおれに、むきになって腕を掴もうとするアンク。なんだか楽しくなって、小走りに逃げてみたりして。
「映司!」
ついにキレたアンクがドスのきいた声で怒鳴った。
と思ったら、ちょうど振り回していてぶつかった手を握られる。
「あ……」
「ふざけてる場合か!さっさと来い!」
おれの手をつかんで、アンクはずんずんと歩き出す。
もう抵抗するのも忘れてしまった。
結局いつもどおりの光景だけど、腕や服を掴まれてるんじゃなくて手を握られてると思うだけで、なんだか気分がちがうのはなんでだろう。
すごく照れくさくて、でもくすぐったくて、あったかくて……この関係には似合わない。
それなのに、アンクはおれの手を離さない。痛いくらいに握りしめている。ついてこないとでも思ってるんだろうか。そりゃ、その手を払ったことだって何度もあるけど。
振りほどく代わりに、おれはその手を握り返した。理由なんかない。ただ、なんとなくそうしたかったから。
「ねえアンク、どこに……」
「うるさい、おまえは黙って俺についてくればいいんだ!」
気づいているのかいないのか、アンクは大股に俺をひっぱって歩いていく。
握りやすくなったおれの手を、さらにきつく掴みしめて。

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